これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

舞台 ハイバイ「霊感少女ヒドミ」

2014年10月23日 19時59分52秒 | 演劇
会場のアトリエヘリコプターの最寄駅は大崎駅で
埼京線で乗り換えなしで行けるのでいいんですけど
普段は品川駅に停まってくれた方が
いいのになぁとよく思っています。
この会場に行くのは2回目で
100人も入ればまんぱんになるような小さい施設です。

プロジェクション・マッピングを利用した画期的な(とりあえず自分ではそう思う)
お芝居で、舞台セットがほとんどいらないから
大道具さんとかの仕事は軽減されます。
その代わり、投影する映像を作るのがものすごく大変だと思いました。
それと映像に合わせて役者さんも動きを合わせないといけなくて
しかし投影された映像が直接見れないから
それをどうやって合わせているのか不思議でした。

あと今日はプロジェクション・マッピングが3Dになっていて
その為に満員御礼だったのですけれど
やっぱりセッティングとか大変みたいでした。
2D版を見ていないので比較できませんが
ところどころで3Dの映像が流れていました。


あらすじ

福生のあたりに住むひとりの女の子(ヒドミ)と、彼女を見守る2人の幽霊(三郎、虹郎)。
幽霊は「生きている人間に愛される」と人間に戻ることができ、
ひとりの幽霊は彼女のことが好きなのだが、
そんな彼女が家に男(ヨシヒロ)を連れ込んでくる。
こっちを振り向いて欲しいがためにその男を様々な手で妨害しようとして


ヨシヒロっていうのが、人間的に最低な彼氏で
三郎と虹郎がヒドミと別れさせようと奮闘するのがお芝居部分のメインになります。
ヨシヒロがヒドミのいない隙に下着を盗んで
それを出させる為に
矢沢永吉の「止まらないHa ~Ha」の映像を流して
タオルの代わりに下着を投げさせる場面は
一番面白かったシーンです。
他にも結構笑えるシーンがあったんですけど
映像に集中しているせいか
笑い声はあまりしませんでした。

お芝居のシーンと映像のみのシーンが交互に交わされますが
映像シーンがメインでお芝居部分がおまけのように
主従関係が逆転しているように感じました。
映像の方が良すぎて、心を掴まれる部分はほとんどこちらに集中していました。
岩井さんのナレーションが、声質もイントネーションも絶妙で
ラストの「エイリアンズ」という曲もものすごく合っていました。
ヒドミの最期とかかなり切ないストーリーになっています。

そうなると舞台じゃなくて全部映像でもいいんじゃないか、って
考えがちになってしまいそうになるのが
この形式の難しいところだと思います。
あと1時間というのはさすがにちょっと短く感じましたが
映像の制作なんかの都合上、これが限界なのかなぁとも思います。

舞台「奇跡の人」

2014年10月15日 01時02分53秒 | 演劇
木南晴夏と高畑充希の二人が出るというので
まず「行きたい」、って思ったけど
8800円という値段に躊躇していました。
そんなときに読売新聞でチケットプレゼントの広告が出ていて
とりあえず応募してみたら
数日後、返信の手紙が届いたので当選したかと思ったら
さすがにそうは上手くいかず、落選のお知らせでした。

しかし外れたおわびか、4000円で購入できるパスワードが明記されていました。
日にち限定で空席も限られていましたが
それでも7列目が残っていたので
まぁこの値段ならと購入しました。

会場の銀河劇場は天王洲アイルにあって
はじめはりんかい線で行くつもりでした。
でも地図で調べると品川駅から歩いても行けそうなので
そうしてみたら歩いて20分も掛からなくて
こんなに近いんだ、って発見でした。
本当りんかい線ってぼったくりだなぁって思いました。

銀河劇場は今回初めてで
何か名前からしてちょっと特別な劇場なのかなぁって
期待していた部分があったんですが
いたって普通の劇場でした。
特にゴージャスさもなく、「銀河」を連想させる装飾もなく
ロビーもあまり広くないし、正直がっかりしました。
椅子は座り心地が特に良かったわけではないんですが
長時間座ってもお尻が痛くならなかったのは良かった点です。

お話は言わずと知れた有名作品なのであらすじも書きませんが
逆を言えばどんなお話か知っているので
この先どうなるか、という楽しみはありません。
記憶が定かではありませんが、映画は観たことがあって
それのせいなのか、
サリバン先生はもっと年配で
感情があまりない厳しい人(例えば「女王の教室」の天海祐希)、というイメージでした。
そのSっ気の強そうな所が木南晴夏に合っているかなぁって
観る前は想像していましたが
思ったよりも厳格さは感じられませんでした。

実際、ヘレンと逢った時、サリバンは20歳だから
二人の関係性は今回の方が現実に近いのかもしれません。
ヘレンを躾けるシーンは格闘が結構激しくて
毎ステージであれを続けるのは大変でしょうね。
ラジオ番組で生傷が絶えない、って話してたのもうなずけます。
サリバンの躾けである程度、ヘレンが大人しくなったときに
両親はもうこれ位でいいからと、もう厳しくしないでくれ、って言われても
サリバンはまだまだ教育しようとする、
現代だとあまり無理させることはないと
サリバンのやり方は否定されると思うんですけど
何か殻を破るには、効率とか論理性とかを超越した
情熱みたいなものが必要なんじゃないかって思わされました。

ラストに母親よりもサリバンの方を選ぶ場面があって
あそこでは、優しいだけの男より
ツンデレな男の方が選ばれるのと同じだなぁと
全然関係ないことを想像してしまいました。
あとたまに出てくる犬の頭部がリアルすぎて
何か気味が悪かったです。

木南晴夏はパーソナルイメージの影響か
内省的なシーンよりもヘレンを躾けているシーンの方が
より魅力的に見えました。
ドラマで見ているよりも声のトーンが高いような気がして
舞台用に声が通りやすくしていたのかもしれませんが
個人的には普段の声質の方がいいように感じました。
今度はもっとコメディ色の強い舞台で見てみたいです。

高畑充希は率直に上手いなぁという感想です。
ヘレンが癇癪を起すときのワイルドさは
以前から持っていたイメージと一致していて
あのちょっと狂気じみた演技ができる人は
あまりいないと思います。
しかも童顔だから大人でない役もそんなに違和感はありません。
(事実は7~8歳の頃の話だからさすがにそれは無理がありますが)

彼女宛てのお祝いの花もすごく多くて
業界で評価されているのも分かりました。
近い内に朝の連ドラのヒロイン役で
更に上のステージに上ることと思います。
3時間という長さを感じさせない面白い舞台でした。

みそじんお座敷公演「ドアを開ければいつも」

2014年10月04日 20時38分20秒 | 演劇
舞台を観に行くと1冊の本になるほど
フライヤーという公演チラシをもらいます。
開演までの間に持って帰るものと残して帰るものの仕分けをして
持って帰ったものの中でも
結局観に行かずに捨ててしまうものがほとんどです。
今日観たお芝居はそんな中でも生き残って
チケットを取った数少ないものの一つです。

動機としては、第一に値段(2000円)が安かったこと。
これは非常に重要です。
特に一回も観に行ったことのない劇団や出演者の場合は
あらすじでよっぽど惹かれない場合、
2,000円以上出すのは結構リスクが掛かります。
あと会場が、「鶏由宇」という和食やさんの2階ということで
どんなところでお芝居するんだろう、
という興味もありました。

最寄駅の新富町は仕事で数回訪れていますが
築地に行かないかぎり、何もないところで
開場時間前に着きましたが近くの公園で時間をつぶして
15分前に中に入ったら、もう満員状態でした。
というか昔よくあった一軒家の2階みたいな感じで
ステージ、客席ともそれぞれ10畳位の狭さです。

客席が普通の座敷なので
靴を脱いであがらなければならず
今日に限ってサンダルで行ってしまって
靴下も履いていないという
ユーミンの「DESTINY」状態で
裸足で初の舞台鑑賞となりました。


あらすじ

亡き母の7回忌前夜、久しぶりに実家へ集まる4人姉妹。
今となっては次女と父だけが暮らす、元・みんなの我が家。
あんなに一緒に過ごした居間が、お互いが、なんだか違って見えてくる。
積もる話に内緒の話。言えなかった、あれこれ話。
女ですもの、話せど話せど尽きないおしゃべり。
4人の夜はあっという間に過ぎて行く…


4人姉妹といえば、向田邦子の「阿修羅のごとく」が有名ですが
映画版の方は観ていてそのイメージがあって
それも今回観に来た動機の一つです。
次女:真紀子だけ実家に残り、父親と同居し
他の姉妹は外に出ています。
長女:敬子は2人の子持ちの主婦で、
独身の次女に見合いをさせたがったり
結婚を急かします。
3女:裕美は美術の先生(?)と結婚している芸術家で
敬子とは逆に真紀子の結婚に口を挟むのを反対します。
4女:千恵はキャリアーウーマンで恋人がいます。

4人が揃うまでは説明的な部分が多くて
正直退屈な部分があります。
途中から敬子のおばさんをウリにした笑いがあるんで
これを序盤から持ってきてほしかったかなぁと。
なんせ本物の家が会場なので
舞台を観ているというより、他人の部屋を覗き見している感覚になります。
この内容にはとっても合った会場ですね。

うちの母親も4姉妹で、その内の一人が実家で親(自分からしたら祖父、祖母)
と同居というのも一緒です。(今は祖父、祖母共、他界しましたが)
ただ実家に残ったのが次女ではなく4女で
残された恨み辛みを実際に聞いたことはありませんが
本音はあったと思います。
姉さん3人が立て続けに上京して
1人は残って両親の面倒を見なきゃ、って意識は働くと思うんですね。

劇中のように本音を言い合うようなことはなくて
話すことと言ったらその場にいない親戚の陰口ばかりですね。
自分も嫌われているんで、
いないときには言われているんだろうけど
本当くだらないなぁって思いますね、
結局話すネタがないんでしょうね、
かといってセレブな話をされても困るんですけど。

うちの話ばかりしてしまいましたが
こちらの姉妹は今まで言えなかったことを言いあって
最後は雨降って地固まる展開になりますけど
こうなれたらいいですよね。
こういうアットホームなものはあまり観に来ないけど
たまにはいいですね。
普段観に行くような舞台だと
最後は真紀子が他の姉妹を皆殺ししてしまうようなものばかりだから。

それと千恵役の天乃舞衣子さんはめちゃめちゃ魅力的でした。
今回の舞台で初めて知った女優さんですが
もっとメディアで取り上げられていいと思うんですけどね。
朝ドラとか出たら一気にブレイクしそうな気もするんですが
小劇場の近い距離で観れた方がいいのか。
12月に再演され、みそじんとして今後も劇団公演を行っていくみたいだから
次回以降も観に行きたいと思います。

サンプル「ファーム」

2014年09月25日 20時20分53秒 | 演劇
今日は舞台を観に行ってきました。
頭に劇団ってついていないんで
「サンプル」っていう組織名らしいです。
こういう書き方からも推察できるように
今回初見となります。
観に行った動機は、町田マリーさんが出演することにあります。
出産されてから舞台で拝見するのは今日が初でした。

見た目とか体型とか全然変わっていなくて安心しました。
産後太ってしまうのが当然みたいなことを言う主婦の人がいるけど
ママタレとか見ると、やっぱり本人の自覚とやる気次第なんだなぁって思います。
お芝居にしては珍しく座席を指定しないで買ったんで
どんな位置になるかと思ってたら
最前列のどセンターでびっくりしました。
今日はアフタートークもあったんで
何か気恥ずかしくなりました。

椅子はあまり横幅がなかったけれど
両隣が女性の人だったのでそれに対するトラブルはなかったのですが
3~4つ隣の席の人が劇中に、セリフかそれともあらすじか
ノートに書きつけていて、
鉛筆で書くその音が結構耳障りでイライラしました。
台本も売っているんだから、それを買えばいいじゃん、って
こういう人ははじめてでした。


あらすじ
離婚間際の夫婦の間には息子がいる。
彼らは話し合いを続けていた。
いったい何をモデルにしてこれから先の人生を進めていけばいいのだろう?
彼らは疑う。人を。モノを。物語を。
そんなことにお構いなく、生まれていく何かが横目で彼らを眺めている。


この夫婦の息子は「オレンジ」という名前で
彼の身体をファーム(農場)にして、目玉とか臓器とかを
再生できる能力を持っていて
しかし普通の人より老化するのが早くて
両親よりも肉体的に(もちろん見た目も)年齢が高くなってしまう人間です。
(自分の解釈でもしかしたら違っているかもしれません)

個人的には、再生医療とか宇宙開発とか
そんなに発展しなくてもいいんじゃない、っていう風に思っています。
どうせ万人に行き渡らないで
一部の金持ちだとかヒエラルキーの高い人たちに
適用されるんですよね。
それならば治療するのは最初から不可能です、
って言われた方が諦めもつくっていうもんです。

そもそも平均寿命って70歳位になった方が
年金の運用も楽になるし、
60歳過ぎまで働かなくなるし
幸福度は間違いなく上がりますよね。
遺伝子操作とか技術が発達しすぎて
原爆とか、下手それ以上に危険なものだと思うんですけどね。

奥さん役の町田マリーさんは、勤め先のスーパーの店長と再婚したがっていて
この彼が仕事や家庭(バツイチ)に悩んでいて
ゾーン・トレーナーというスピリチャルなセミナーに通っていて
自分はここのシーンが一番面白かったです。
ある儀式を通して生まれ変ろうとするんですけど
エロティックというか如何わしいというか
でも妙に説得力があって
このゾーン・トレーナー役の野津あおいさんというのが
フジテレビのカトパンにそっくりで
実際に存在していたら騙される人続出だなぁと苦笑しました。

オレンジには、死産(?)したレモンという弟がいて
そのレモンの細胞の組織でつくったペニスバンドがあって
ゾーン・マスターにそれで自分を犯してほしい、とお願いする場面があって
何か高尚な狙いがあったかもしれませんが
自分はあまり分かりませんでした。
でもこの流れは嫌いじゃありませんでした、むしろ好きです。
普段の公演ではもっと変態的な演出があるようです。

正直最初の15分位は、これはつまらないかも、と
後悔しかけていましたが
スーパーの店長が出てきたあたりから面白くなってきて
ゾーン・マスターでかなり前のめりになりました。
次回公演も観に行きたいと思います。

THE SHAMPOO HAT 「風の吹く夢」

2014年09月13日 00時34分38秒 | 演劇
今日は舞台を観に行きました。
会場はスズナリで、何だかよく来ているイメージです。
早割の自由席という3500円の
通常指定席よりも800円安い席です。
自由席は1番前の席で
長時間座っていると体勢の問題で
お尻やら腰がとても痛くなります。

しかし長所もあって1番前なんで
人の頭が邪魔にならずに
更に役者さんが近くに見れるので
好きな俳優さんが出てくるときには特に嬉しいです。
あと指定席だと隣にすごく太った人や体臭のきつい人がいた場合に
逃れようもありませんが
自由席だったら万が一、そういう人が隣に来たら
他の席に動けばいいだけだから
リスクヘッジになります。

上映時間は110分で、お尻がすごく痛くなりましたが
体感的にはもう終わりなの、っていう感じでした。
爆発的に話が動くとか爆笑するとかいう感じではなく
途切れなく笑っていられる印象です。
あらすじも書きにくくて自分的には
冷蔵庫を手に入れる道中で様々な人々に出会うロードムービー
っていうのが合うのかなぁと。

そこで元奥さんやスナックのママ、ホステス、殺人予告する同僚の弟などと
出会って、一見普通の人たちなんだけど
それぞれ聞いている人のことはさておき
自分の話したいことを延々と話し続けるんですね、
会話ではあるんだけどコミュニケートされてはいない、
皮肉なことに今書いているこの日記や
ツイッター、フェイスブックもつながっていると思いきや
その実、一方的につぶやいているだけ、
それと変わらないなぁとそんなことを感じました。

主人公は土木作業員で、自分も現場作業の人によく会うもんで
この仕事のあるあるみたいなものはよく分かりました。
実際に飲み物というとコーヒーを買っておけば大丈夫、
というのはあります。
自分はコーヒーがあまり好きじゃないんで
他の飲み物がいいんですけど
希望を言わない限り、渡されるのは間違いなくコーヒーですね。
あと色つきサングラスを掛けた大将みたいな人、
よく見ます。

元奥さん役で黒沢あすかさんが出ていましたが
数年前に本谷さんの舞台に出るというので楽しみにしていましたけど
病気降板されてそれ以来、舞台に立つのを観るのは初めてで
出演時間はそんなに多くはなかったんですが
やっぱり雰囲気がありますね。

駒木根さんはニートで、明日無差別殺人してやると
うそぶいているんですが
彼が言っていることは支離滅裂なんだけど
核心を得ている所もあって
一生うだつの上がらないこの生活が続くくらいなら
こういう事件でも起こして有名になった方が
もしかしたらいいんじゃないか、って
分からないでもないです。

家族なんかはすごく大変なことなんですが
本人はまず死刑だろうから出所後のことを考えなくてもいいわけで
報道を通して自分のことを大多数の人にアピールすることも出来て
様々の人たちが分析までしてくれるわけです。
今まで誰も相手してくれない生活からは一転するわけで
それだけで人殺しの動機になる位の力はあると思います。
おそらくそういう事件が増えてくるでしょう。

月刊「根本宗子」第9.5号「私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。」

2014年08月28日 23時38分31秒 | 演劇
3か月前に『スズナリで、中野の処女がイクッ』を観て
面白かったので、今回も観に行きました。
会場はテアトルBONBONという中野駅から10分ほど歩いた場所にあって
はじめて訪れました。
あまり大きくなく客席数も100ちょっと位でしたが満員で
当日券の方々は通路に座布団を敷いて座っていました。

男女比は6:4で女性が多いように感じました。
主演の土屋シオンっていう俳優さん目当てっぽい人が
多かったようです。
開演までの客入れの曲でBisの曲が流れていて
これだけでテンション上がりました。
しかも5分前のアナウンスに合わせて
「nerve」をぶつけてきたのはさすがだなぁと感心しました。
一つ欲をいえば、客出しの曲は
「primal.」だったら最高でした。

大雑把にあらすじを書くと、売れないバンドマンの彼氏が合コンに行って、
浮気してそれが彼女にバレて、一悶着ある、
といった感じです。
前半が合コンの様子が描かれていて、
後半が浮気がバレてからの顛末になります。

前半と言っても1時間近く合コンのシーンが続くのですが
個人的にはここは消化不良でした。
この合コンに女性が5人参加していて
それぞれ上っ面だけの友達で
会が進むにつれて、お互いの本音をぶつけ合うようになるんですが
ここはもうちょっと尺を取って
バトルしてくれれば良かったんですけど
案外あっさり言うことだけ言って
うやむやになってしまった印象です。

題名にある通り、どんな嫌な女が出てくるのかと期待していましたが
正直、そんなに嫌な人は出てきませんでした。
女性が見たら違うのかもしれないけれど
自分は川西という浮気男が一番嫌いでした。
女性陣は自分の周りにいたら嫌いになるかもしれないけど
今日みたいに客観的に見てたら
好きにはならないにしても
特に嫌いにはなれないなぁ。
そもそも他人の合コン自体、
端からみたらアホっぽくて不快に感じるもので
逆にそういう場だと個人の嫌さは目立たないのかもしれません。

この彼氏のバンドが「この世の終わり」という名前で
「SEKAI NO OWARI」をインスパイヤしています、
というよりバカにしています。
ボーカルが鬱病だとか
「炎と森のカーニバル」変な曲だ、って言っているし。
とりあえず彼らのファンが観に来ていないことを祈ります。
劇中に出てくる個人名は、友近がモノマネするのと一緒で
基本バカにしていますね(ピースの綾部とかも出てました)

あとこのバンドの熱烈な追っ掛けが後半登場するんですが
この人もかなり痛い人として描かれていて
土屋シオンファンの人たちがこれを観て
どう感じるのか興味がありました。
これぁひどいね、笑っているのかなぁ。

後半は、キ○ガイの強さ比べとでも言うのでしょうか、
キ○ガイの目を覚まさせるには
更に協力なキ○ガイを目の当たりにするしかないんだろうなぁ、と
これは真理なんでしょう。
どんでん返しも用意されていて
ここは小気味いい演出になっています。

2作品みて、分かりやすいのはいいところですね、
高尚でよく分からない作品が多いですからね、
同じ作品を何回も観に行くわけでもないし
理解できないと楽しくないですから。
今回は有名どころで、早織が出ていましたけど
あまりTVに出ているような人はいない方が
演出も思い切ってやれる気がするんですけど。

「世の中の演劇がつまらないものばかりだから
わたしが面白いものを作った」って言っていましたけど
あまり過激なこと言って刺激させるとロクなことがないでしょうから
ここらへんもBis譲りなんでしょうか。
そういえば部屋に大森靖子のポスターが貼ってありましたね、
同じ柄のプリントTシャツも。

イキウメ「関数ドミノ」

2014年05月27日 23時59分44秒 | 演劇
今月は5本ほど舞台を観に行きましたが
これが最後の1本となります。
場所はシアタートラムで、三軒茶屋にあります。
1年に何回か渋谷駅を経由しますが
本当、乗り換えが分かりにくいです。

この劇場の無料会員になっていて
チケット予約は手数料を取られないし
座席位置を自分で指定できるし
いい席を取りやすいし、
只で申し訳ない位です。
今日も1列目の通路側でした。


あらすじ

「ドミノ幻想」では、世界はある特定の人間を中心にして回っていると考える。
願ったことが必ずかなうドミノという存在がいる。
右か左か、進むか止まるか。二者択一の洪水の中、ドミノによって、行く末が決定されていく。
ドミノは思いの強さに比例し、スピードを上げる。
最も速いものは「ドミノ一個」と呼ばれ、願った瞬間に結果が現れる。
それは「奇跡」と呼ばれる。


結論から言うとすごく面白かったです。
自分がいいと思う演劇の特徴は
①話が分かりやすい(理解しやすい)こと
②色々考えさせられること
③ラストにオチがあること

①は理解できないのは、見る側の能力が低いから悪い(と言われている)
ようなものがありますけど、
難解なことを易しく語る能力というのが表現者は必要で
そうでなきゃエンターテイメントとは言えないです。
②は観ている最中は確かに楽しいんだけど
帰り道で何も思うことがない、ということもあって
それは深みがないです。
③シックスセンスのようなドンデン返しまではいかなくて
完全に結論を出さなくてもいいんですけど
それなりに決着感がある方がいいです。

この3つを高レベルでクリアしているのが今回の作品です。
「ドミノ」というのが彼が願ったことは必ず叶うという
一種の超能力者的存在で
しかし自分がその能力を持っていることに気づいていません。
また本当にそれができると本心から思っていないと叶いません。
実社会でも根拠がないけど
本心から信じていて、それが実際にそうなっていることってありますよね。

自分は一生お金には困らないだろうなぁって確信があります。
節約する力が人よりもあるというのもありますが
お金で悩んだことは今まで1回もないし
そういう想像もつきません。
根拠はないけど思い込みが現実に追いついています。

逆に思い込みが悪い方向に行っていることもあって
両手に神秘十字線っていう手相が出ていて
先祖を敬ったり信心深くすると運気が上がるようなんですが
死後の世界とか神秘的なことは全く信じていないから
全くその効力が発揮できないという
神様とか本心から信じられたら
相当幸せになれる人みたいなんですけど
こればかりはどうにもなりません。

この「ドミノ」に対して信じる人、疑心暗鬼な人、
自分のプラスになるならば信じたい人
様々な反応をみせますが
正しいか正しくないかよりも
信じるっていうのが何よりもでかいなぁと。
どちらかというとネガティブ思考なんで
基本的にはマイナスから物事を眺めることが多いんですけど
最近自分の都合のいいように信じた方がいいなぁって
思うようになりました。
思い込んだもん勝ちみたいなところってありますよね、この世の中。

あと色々書きたいこともあるんですが
ネタばれになってしまうんでこのへんで。
とにかく笑う場面も多くて
でもサスペンス的なところもあって
同じお金を払って和民とか行ってくだらないことしゃべる位なら
間違いなくこちらの方が得るものは多いと思います。
かなりのおススメです。

月刊「根本宗子」『スズナリで、中野の処女がイクッ』

2014年05月25日 19時22分58秒 | 演劇
演劇を観に行くとフライヤーという他作品のチラシが
入場時に手渡されたり、席に置いてあったりして
開演までの時間で眺めていたりするんですが
その中でこの「月刊「根本宗子」というものもよく目にしていて
もうかなり前から気になっていました。

しかしその度に面白くなかったら嫌だなぁとか
知っている俳優さんでも出ていたら行くんだけどなぁとか
要は面倒なだけなのに様々な理由付けして先延ばししていたんですけど
この度、満を持して観に行くことにしました。

会場はスズナリで、作・演出・出演の根本さんがパンフレットに
スズナリで公演を行えることに
感慨深いものがあるようで
演劇人としてはミュージシャンでいう武道館的な感覚があるのでしょうか。

前列自由席と指定席があり、
200円安いこともあって前列自由席を選択。
指定席は満席で、補助席も用意されていたようですが
なぜか自由席は空席があって
通路側で隣の人もいなくて圧迫感がなく
最高の席でした。
前回が体臭に悩まされただけに
座席位置の運っていうのは舞台の出来自体に負けず劣らず
大事なものと改めて感じました。

舞台はメイド喫茶の控室です。
セットの組み方が独特で
木の枠がステージ上を額縁のように囲んでいるので
普段より狭く感じて、演出の意図でそうしているのかなぁって
初め不思議でした。
ワンシチュエーションコメディのいい所は
話の筋が分からなくなることがないことですね。
因果関係は分かりませんが、
舞台転換が多いほど内容が複雑になるような気がします。

そこでメイドとして働く、じゅん、もなか、まゆり、イブの4人に
オーナーの横瀬、雇われ社員の福田、店の常連のドミニクの7人のお話です。
控室なのでメイド服や私服に着替えるシーンが何回かあるんですが
1列目だったんで目のやり場にちょっと困りました。
足フェチの人だったら堪らないかもしれません。
なぜか観ながらメイドの4人をAKBメンバーに当てはめていました。

じゅん:柏木由紀
もなか:高橋みなみ
まゆり:河西智美
イブ:川栄李奈

AKBに詳しくないので、あくまで個人のイメージで
役者さんの外見にかなり引っ張られています。

もなかは27歳の最年長でメイド長を任されています。
オーナーと付き合っていた過去があり、
最近は通販番組にハマっていて
そこで紹介される食品を食べては太ることを恐れて
吐いたりしていて
一見、気が強そうですが、本質的にはそんなに強くありません。
客観的に見て、この先の人生で
一番苦労しそうな感じはします。

まゆりは22歳でイマドキの女の子ですが
グループ内では割と上手く人間関係をこなせるタイプです。
現在、オーナーと付き合っていますが
元カノのもなかとの過去を気にしており
こちらも精神的なアップダウンが激しい。
もなかとまゆりは共にカラーリングしており
前に元、楽天の野村監督が髪の色を変える人は
精神的に安定していない、と偏見めいたことを言っていましたが
それに当てはまります。

イブは19歳で傍目には何も考えていない天然ちゃんのように見えますが
後半で実は腹黒でサイコパス的な部分(物事の善悪に疎い)
を持ち合わせていることが明らかになります。
尾崎桃子さんという女優さんが演じていますが
今日の出演者の中では一番役者っぽい人だと感じました。
どこかで観たことがある人かと思いましたが
どうも初見でした。

じゅんは根本さんが本人が演じており
イメージではもっとギャル度が高い人かと想像していましたが
どちらかというといいとこのお嬢さんな感じでした。
この中では一番常識人で
自己主張もあまりしない大人し目の人ですが
彼女の財布を盗んだのがイブと知り
烈火のごとく責め立てます。
もちろんもなかもまゆりも一緒になってそれに加勢しますが
その最中に大地震が襲ってきて、状況が一変します。
前述した舞台セットはこの為に用意されていたもので
震災車みたいにセットが左右に激しく動いて
実際に地震が起きているような演出が施されていて
これは中々すごかったです。

震源地は青森という設定で、そこがイブの郷里ということで
彼女がひどく動揺してしまい、
もなかとまゆりがそれをなだめるという方向に進んでしまいます。
怒りが爆発しているじゅんはもちろんそれに納得せず
尚もイブを責め立てようとしますが、
そんな場合じゃないだろうと、もなかとまゆりに逆に非難されます。

自分はじゅんに同情的な立場です。
不良がちょっといいことをしただけで実はいい人、
というのも似たようなものがあります。
地震で両親の安否が心配なのは分かるけど
だからってそれまでにした悪事が許されるのかって
根本さんが「私の中の正義の話」と書かれていますが
こういう世論の風向きで善悪が揺らぐことってよくあります。
個人的にはイブがここで弱さを見せてしまったのは
人間的ではあるんだけれども
彼女に失望した部分ではあります。

他のキャストだとこの店の社員役の福田は
元女子校の先生でしたが、
「中途半端な親切(?)」が負担になり
転職してきたのですが
人物的に興味深いところがあったので
もう1~2エピソード、あっても良かったかなぁって感じました。

話的に難しいことはなくて、場内も終始笑い声が渦巻いていました。
実はじゅんはドミニクが好きだったという大オチも
題名はここから来ているのか、と上手いなぁと思いました。
岸田國士戯曲賞とかを狙うような方向ではなく
今のような割と気軽に楽しめる方向で行ってもらいたいです。
余談ですが、終演後、ロビーに出演者の人たちが普通にいて
ちょっとびっくりしました。

財団、江本純子Vol.7「人生2ねんせい」

2014年05月15日 21時41分04秒 | 演劇
今日は舞台を観に行きました。
劇場は小劇場B1という下北沢タウンホールのB1階にあります。
今年の2月に開場したばかりとのことで
はじめて訪れました。

席は整理番号順の自由席で100人程度は入れそうな感じでした。
ステージをL字状に囲むような形で客席があり
見下ろす感じなので
どの席でも観易そうでした。
が、開演間近に自分の斜め前に太った男が座ってしまい
その彼が酸っぱい体臭持ちで殺意が湧いてきました。
もう席も埋まっていたから移動もできないし
ハンドタオルを鼻に当てて、その場を凌ぎました。
あの隣に座っていた女性の人たちはよく耐えられるなぁ。


ストーリー
死んだ「私」が生まれ変わり、1度目の人生に関わった人々への懺悔と
各々への深い愛や浅い愛の諸々について向き合っていく。
一度目の失敗、一度目に伝えられなかったこと、
一度ではできなかったこと、2回目の人生でなんとかしていくことができるのか。
不幸のどん底から不幸の入口まで這いつくばって、理想にしがみつきながら、
人生2年生の「私」はこれからどう生きればいいのだろう?


スミコにはマリコという妹がいて、
スミコの死後にマリコの娘(さちこ)として生まれ変わり
スミコ時代の反省をさちこの人生で償っていくという話です。
ですが、どちらかというとスミコ時代と同じような生き方を繰り返すので
生まれ変わってもやることはそんなに変わらない、
という風に捉えました。
さちことスミコは同じ役者さんが演じていて
頻繁にその切り替えがあって
今はどっちの時代かは「1」というランプと「2」というランプがあって
それが点灯しているのを目安にしています。

「(東京)オリンピック」や「仁義なき戦い」の話題が出てきたり
歳の話も出てくるので時間軸は比較的追いやすいですが
それでも途中途中で混乱する場面はありました。
一番わかりにくかったのが、さちことスミコの彼氏で
計6人登場しますが、これも加藤啓さんが一人で演じているので
誰が誰だか分からなくなりました。

もっと笑い声があってもおかしくない内容かと思ったのですが
はねた客席ではありませんでした。
自分がよりノレなかった原因は
そもそも輪廻転生を信じていない、というのが大きかったと思います。
もちろんフィクションなんですけど
こういう物語の核になる部分を素直に受け入れられるか否かって
結構大きいのかなぁと。
終わりは好きだったんですけど。

さちこ、スミコ役の佐久間麻由さんは前作の「常に最高の状態」にも
出演されていて、物語の核になる人物なので
常に出ずっぱり状態でした。
今回も割とエキセントリックな役柄だったので
普通の役柄も見てみたいです。

毛皮族からは唯一の出演の羽鳥さんは
スミコの母、さちこの祖母、ときえ役で
多少しつこいけど、割と普通の役どころでした。
世の中の3~4割のお母さん、おばあちゃんたちは大かれ少なかれ
こんな感じのイメージです。

スミコの姉、さちこの伯母さん役は藻田留理子さんという
はじめましての方で舞台の出演歴をみても
やっぱり初見でした。
オチ担当的なところがあり、
それをこなすポテンシャルがあったので
これから有名な演出家の舞台に立てば
もっとお目に掛かる機会が増えそうです。

スミコの妹、さちこの母親役は鄭亜美さんという
こちらもはじめましてでした。
ヤクザに恋をしてさちこを産んだわけで
一見常識人ぽく見えますけど
もしかしたら一番変わった人なのかもしれません。
そんな二面性のあるキャラクターに合っていました。

今回はアフタートークがあって、ゲストが鳥居みゆきでした。
江本さんと2人でなく、全キャスト勢揃いでした。
19:30からの回もあるのに、ご苦労なことです。
(どうも直前に江本さんに出るように言われたみたいです)
「江古田ちゃん」での共演と
11月からの舞台に彼女が出演することからのゲストのようです。

終始、テレビで見るようなハイテンションと挙動不審なスタイルでしたが、
加藤さんが「(劇中で)わざと咳をしたり噛んだりする所があるんですけど
気づきましたか?」って質問をされたとき
「気づいたけど、そういうことは言わない(タネ明かし)で
(観客に)解釈させた方がいい」って
核心をつくようなことを言っていてさすがだなぁと思いました。

舞台「私を離さないで」

2014年05月08日 21時19分45秒 | 演劇
会場のさいたま芸術劇場は名前だけは知っていましたが
はじめて訪れました。
与野本町という割かし地味な駅で
埼京線を毎日利用している自分ですがはじめて降車した位です。
舞台といえば東京ばかりで、埼玉ってここの他に専用劇場って他にありませんよね。
そういった意味でもお金を掛けているのか
大層立派な施設でした。

ステージの奥行がものすごくあって
その遠近法を利用した演出も何個かありました。
小劇場には小劇場の良さもありますけど
同じお金を払うならこういう場所の方が
特別なものを観たな、っていう感覚にはなります。

この舞台を観ようと思ったきっかけは
多部未華子、木村文乃の両名が出演するということで
原作が海外文学ということで
正直内容に関してはそれほど期待していませんでした。


あらすじ:

物語の舞台は、自然に囲まれた「ヘールシャム」と呼ばれる寄宿学校。
外界から完全に隔離されたこの学校で、少年少女たちが
徹底した管理のもと、特別な存在と言い聞かされながら暮らしている。
幼い頃からここで一緒に暮らす3人の男女の間に、
次第に友情や恋が芽生え始める、
しかし、そこに孤独、憧れ、不安、嫉妬といった感情が複雑に絡みだし、
その関係には微妙な変化が訪れる。
やがて彼らは「ヘールシャム」の驚くべき秘密、
そして彼らに課せられた特別という言葉の残酷な真実を知ることになる。


(この先、ネタばれあります。
また個人的な解釈が含まれていますので、
本来の意味とは違う部分も多分あります。)


3幕制で、第1幕では「ヘールシャム」での学生時代のシーンが描かれます。
普通に見ていると何気ない学校生活の1シーンのように思われますが
何か言いようのない違和感のようなものを感じます。
彼らが「特別」な意味は、序盤では明かされず
物語が進むにつれて明らかになってくるので
多少ミステリー的な要素も含んでいます。

彼らが特別なのは、ガンの治療を行う際に必要な臓器提供の為だけに
産み落とされたクローン人間だということです。
しかも提供する立場になるまでは
臓器提供者の世話をする介護士になる(義務?)
という悲惨な生き方を運命づけられています。
観ているこちら側はそんなひどいことを、と思うんだけど
彼らはその運命を受け入れているので
奇妙な風景に写ります。
もし自分がこの立場だったら、もがき苦しむと思うし
彼らにもそうして欲しいと願ってしまう、
しかしそういう話になっていないので
居心地悪い感覚になってしまいました。

これは同じ人間だからそういう風に思ってしまうわけですけれど
豚とか牛とか人間に美味しく食べられる為だけに
これと近いことを現実的に行っているんですよね、
それからして人間って勝手な生き物だと思い知らされます。

あともう一つの違和感は、学生時代から
八尋(多部未華子)ともとむ(三浦涼介)は惹かれあっているのに
もとむは鈴(木村文乃)と付き合っているところです。
第3幕で、鈴は二人の仲を引き裂くようにしていたと
八尋に許しを請うわけですが
自分はどちらかというと鈴を擁護したい派です。
八尋は純真な優等生という設定のようですが
ちょっと天然が過ぎてイラっとさせるところがあります。

もとむと鈴が付き合っていると知っているのに
もとむに対する態度があからさまに好意むき出しというか
逆によく鈴が怒らないなぁと思うほどです。
第2幕では「ヘールシャム」を卒業して「農園」で生活を始めるますが
そこで、八尋が鈴に「時折、誰でもいいから抱かれたいときがある」と相談します。
鈴はそんなことはないとそのときは話しますが、
これも嘘だったと謝ります。
この性質は残された時間が限られているから、
子孫を残そうとする為の本能的なことからくるのかなぁと想像しました。
しかし純真そうな八尋が結構普通に話しているので
変な気分になりました。

最近、死のことを考えることがよくあって
この舞台の内容はそれを否応なく刺激させます。
多分、自分が気づいていないような伏線が
序盤に多数張られているような気がしていて
もう一度見直したい気分があります。
とにかく終わった後も色々考えさせられる話で
映画もあるみたいなんでそちらも見てみたいです。

一見無垢だけどちょっと一癖ある役柄は
多部未華子にはぴったりだったと思います。
テレビで見る分には、可愛いというよりも個性的な顔をしているように感じていましたが、
実物はかなりの美形でした。
今回は最前列だったのではっきり表情まで見られましたが
笑った顔も困った顔もどちらも魅力的です。

もとむ役の三浦涼介は全くの初見で
外見はチャラチャラしてそうだったけど
すごくいいと見直しました。
27歳と結構歳もいっているし、
もっとドラマに出てもおかしくないと思うんですけどね。
本人的にあまり出たくないんですかね。

鈴役の木村文乃は普段見るイメージとそんなに変わりませんでした。
3人の内では鈴が一番可哀想で同情していて
こういう少し不幸な役柄が彼女には合っているのかもしれません。
初舞台とのことでしたが
そんなことは微塵も感じさせない演技っぷりでした。

思わずパンフレットも買ってしまったわけで、出演者のインタビューを読むと、
大変だけど稽古に行くのが楽しい、と多くの人が話していて
おそらく自分がこういう気持ちだったのは
中学時代、部活に行っていたときに近いんじゃないかと思いました。
朝練、夕練、試合があるときは休日も
きつい練習があったわけですが
それが嫌だと思ったことは1回もなく
当時は意識したことはなかったけど
すごい充実した日々を過ごしていました。

もちろん舞台の稽古は仕事という一面がありますけど
生き甲斐とかやりがいとかそういうものがなければ
こんな大変なことを進んでやることができるとは思えません。
お金の為だけに仕事をしている身としては
それがひどく羨ましいことに思えてなりません。
こういう意味のある職業に就かないとダメだよなぁと
暗い気分になります。

舞台「あの頃僕らはペニーレインで」

2014年05月04日 19時04分31秒 | 演劇
先々週辺りにメール登録しているホットスタッフ・プロモーションという
プロモーターから、舞台無料招待の応募メールが届いて
一応申し込みしていました。
そしたら4月30日に当選メールが送られてきて行くことにしました。

会場は日本橋三井ホールというところで
コレド室町の上階にあります。
GWの昼間のせいか人がごった返していて
そこかしこの店で行列ができていました。
2000円のランチとか家族で来たら
10000円は間違えなく消えるわけで
消費税増税は庶民には厳しいとか言いながら
贅沢している人たちはたくさんいるものです。

で、人をかきわけ会場に辿り着くと
プロモーターのチケット引換所があり
チラッと当選者名簿みたいのを見ると
20人位の人の名前が書いてありました。
たしか各回10組限定って書かれていた記憶があって
おかしいなぁと思いましたが
どうも客入りが芳しくなかったようです。

この会場ははじめて訪れましたが
どうも舞台専用の施設ではないようで
客席の前方側はパイプ椅子が並べてあって
傾斜もなくステージも低いので
後方の人たちは相当見にくかったと思います。
自分が座った席はその更の後ろでしたが
きちんとした椅子で傾斜もあり観易かったです。


あらすじ:
「ペニーレイン」は70~80年代にかけてフォークや
ニューミュージック系のミュージシャンが日夜集まる“聖地”として知られた。
田舎から夢を抱いて上京し、同店でアルバイトを続ける2人の男性(アキラ、マサヒロ)と、
デビューを夢見るシンガー・ソングライターの女性(サトコ)を中心に、
夢と現実、大人とのぶつかり合いなど、当時の青春群像をノスタルジックに描く。


アキラ・マサヒロ・サトコを中心にした当時の出来事を
現代のアキラとサトコが回想しながら話は進んでいきます。
サトコはシンガー・ソングライターとしてデビューが決まるが
持病の白血病が発病した為、白紙に戻りますが
その病気を逆に売り物にして
サトコが作った曲ではなくて
他の人が作詞作曲した曲で再デビューさせます。

このことで思い浮かんだのがaikoです。
彼女もメジャーデビュー曲が「あした」という他の人が作詞作曲した曲です。
あまり本人からはっきりしたことは聞いたことがないですけど
当時は相当抵抗があったんじゃないですかね。
実際、その後は全て自作曲で、現在まで一線で活躍していますから
その時の悔しさみたいなものがプラスに働いているんなら
これも正解だったわけですね。

その若い頃のサトコを演じたのがモリユイっていう女性で
新進の女優さんかと思っていたのですが
終盤に彼女が歌うシーンがあって
その歌いっぷりがかなり良くて
歌も歌えてすごいなぁと、帰ってきてから調べたら
本職はミュージシャンでした。
演技も自然に見られたし、今後、もっとメディアに出てくるかもしれません。

元モー娘のなっちも出ていましたが
前半は彼女とは気づきませんでした。
あまり演技は上手くないというイメージがあったのですが
そんなことはなかったです。
それよりも随分大人になってしまったなぁ、
という感慨の方が深いものがありました。

現在のサトコは小西真奈美、コニタンが演じていて
まぁこの中じゃ圧倒的に存在感がありますよね。
元々女優志望じゃなかったというのが信じられないです、
デビュー当時は近所の北区つかこうへい劇団の舞台に立っていたというのに
知らなかった、というのは悔やまれます。

とここまで基本的に褒めることばかりでしたが
唯一の、しかし最大の難点が主演の哀川 翔でした。
彼とコニタンは終始台本を持っていて、いわゆる二人だけは朗読劇スタイルで
はじめは演出でわざと下手の読んでいるのかと思っていました。
それが時間が進んでも一向に変わる様子がなくて
どうも本気でやっているようでした。
テレビや映画を観ていても特に演技が下手、という意識はなかったので
本当にびっくりしました。

朗読するだけなのに、声は通らない(マイクを付けています)、
滑舌が悪い、噛みまくる、の3拍子が揃っていて
国語の教科書を読む中学生でももっと上手く読めるだろう、位のレベルです。
またそれにプラスして、セリフの内容を自身で消化していないのか
感情ものっていない棒読みで、内容が全く頭に入ってきません。
コニタンと交互に読むシーンでは、あまりにも差があり過ぎて
斬新な笑わす演出かと思わせるほどです。
彼がしゃべるシーンになると、こちらがハラハラしてしまい
後半は怒りよりもいたたまれない気持ちの方が強くなりました。

これは正直お金を取れるレベルじゃないです。
自分は只だからまだいいけど、8000円も払ったお客さんは
怒っていいと思います。
多分、演出家の人とか現場のスタッフも哀川 翔が大物で注意できないんだろうなぁ、
業界の売り方を批判する(音楽とは関係ない病気を売り物にしたり)内容なのに、
その業界の現実を見せられるのは皮肉なものです。
客席には業界関係者っぽい人がたくさんいたから
どうせいい舞台でしたね、とかお世辞いいまくるんだろうなぁ。
どんな理由があるか分かりませんが、
本人には反省してもらいたいです。

『9days Queen~九日間の女王~』

2014年03月12日 20時24分40秒 | 演劇
前回の「ジャンヌ・ダルク」のときは
指定席の前に「特設ステージサイド席」という
ステージかぶりつき席みたいのが後から発売されて
今回もそのパターンだろうと一般発売されてからも様子を見ていましたが
いくら経ってもその告知はされず
公演開始後にさすがに諦めてチケットを買いました。

なので前から10列目とさほど前の方の席ではありませんでしたが
通路側が買えたので見通しは悪くなく
後から買ったわりには中々いい席でした。
でも欲をいえばあと4~5列は前に行きたかったです。
舞台やライブに行ったときにいつも思うのは
ここはアップで見たいと思ったときに
デジカメみたいに自動でズームアップするメガネって
できれば便利だなぁと思います。


あらすじ

ヘンリー7世の曾孫で王位継承権を持つジェーン・グレイ(堀北真希)。
厳格なプロテスタントでもあった彼女は、
野心的な父(神保悟志)と虚栄心の強い母(久世星佳)の元を離れ、
ヘンリー8世の未亡人キャサリン(朴王路美)の宮殿にて、貴族としての教育を受けていた。
宮殿では、ジェーンのよき理解者となる家庭教師ロジャー・アスカム(上川隆也)、
同じ年のエドワード6世(浅利陽介)らとの交流を通して、
勉学だけではないさまざまな経験を重ねていく。
しかし、再婚したキャサリンが子供を出産後、
すぐに亡くなったことからジェーンは親元へ戻されてしまう。
その後、権力を握っていたサマセット公(春海四方)が失脚し、
政敵のジョン・ダドリー(田山涼成)が最高権力者となると、
ジェーンは彼の息子ギルフォード(成河)と政略結婚させられ、
拒むことができないまま女王の座へ就くことに。
そして、瞬く間に権力闘争と宗教対立に巻き込まれ、
わずか9日間で王位をはく奪されて・・・。
16歳の彼女が生涯でたった1つ、自分自身の意思で決めたのは、断頭台へ向かうことだった。


西洋史にはとんと疎いので(かといって日本史もよく知りません)
エリザベス女王位しか名前を知らないし、
ジャンヌ・ダルク同様、内容にはあまり期待していませんでしたが
これがいい意味で裏切られました。
歴史とか抜きにして単純に物語が面白かったです。
ダドリーっていう奴が一番の黒幕だったんですけど
それよりもジェーンの父親、ヘンリー・グレイが一番嫌いな人物です。
娘の幸せよりもグレイ家の繁栄しか考えてないんですよね。
母親、フランシーズはヘンリーの言いなりだから仕方ない部分もあるけど
この二人からジェーンが生まれた、っていうのが信じられないです。
もしかしたら父親が違っていたんじゃないかって邪推してみると面白いです。

メアリーははじめはジェーンと仲良しな感じだったのに
政治的なしがらみがあるとはいえ
最後は処刑を決めてしまって裏切りもの、って思いました。
彼女の役を演じたいた田畑智子は
すごく上手く感じました。
エリザベス1世役の江口さんも役柄に合うのかなぁって思ってましたが
さすがの上手さを見せていました。
全てのキャストの演技力が高いので安心して見ていられました。

そのエリザベスに一番共感できました。
後半に、囚われたジェーンと対面して
私はあなた(ジェーン)を羨ましいと思うけど
あなたのようになりたいとは思わない、みたいなことを話すシーンがあって
自分はエリザベスとジェーンは性根の部分ではそんなに違わないように感じましたが
似ているが故に交じり合えないのかと思いました。

ジェーンはメアリーからカトリックに改宗すれば処刑は行わない、と
取引を持ちかけますが、ジェーンはそれを拒絶します。
エリザベスは自分だったら改宗でもなんでもして生き延びる選択をする、
と話しますが、ここが二人をよく現す部分です。
自分もエリザベスと一緒ですぐに改宗のサインをしてしまいます。
神っていうのは人間が都合よく解釈して
それを根拠にして生きるモチベーションにする道具の一つなんだなぁと
つくづく思いました。

己の意思とは無関係に王座に就かされて
時代に翻弄されてしまいますが
自分はジェーンに雅子様を投影させていました。
これは完全な私見で想像でしかありませんが
何か似たところが多いなぁと
あまり細かくは書けませんが感じていました。

で、ここで真打の堀北真希ですが、
過去3回の舞台で間違いなく一番の出来です。
このジェーンっていうキャラクターが
あてがきしたかのように彼女にぴったりの役柄だったのが大きいと思います。
純真さの中にある真の強さ、読書が好きだとか
かなりシンクロする部分が多かったです。
セリフを噛むんじゃないかとかそんな心配を全くさせない
堂々な演じぶりでちょっと感動しました。

パブリックイメージより相当高い演技力で
なぜか最近演技力があると勘違いされている
松嶋奈々子の10倍以上は間違いなくあります。
この歳でこの地位に奢らず
舞台に出演してこれだけの作品を見せてくれて
もはや尊敬に近いものを抱かせます。
やっぱり一番好きな女優さんだなぁ。
スタンディングオベーションになったのもうなずけます。
今週一杯公演は続くのでぜひ観てもらいたいです。

第4回ブス会* 「男たらし」

2014年01月31日 19時55分47秒 | 演劇
お芝居を観に下北沢に行ってきました。
再開発しているみたいでガチャガチャ工事していますが
どうにもこの街に慣れることはありません。
劇場がなければ二度と来ることはないんですが
可愛い子が多いのが又頭にきます。

劇場はザ・スズナリで、もう何回も来ていて
傾斜があってステージが観易いのはいいところですが
座席間が前後も左右もすごく狭いので
居心地がよくないのが悪いところです。
太っている人は来るなぁ、って
暗に言っているような気がしないでもないです。

「ブス会」っていう位だから
過去3回の公演は出演者が女性だけでしたが
今回は一転して、紅一点になっています。
理由は後述しますが、自分は女性だけのキャストの方が好きです。
また題名が「男たらし」なので
男性キャスト陣を次々とたぶらかし
何又も掛けるような話を想像していましたが
そこは割と普通の女性でした。

よくモテる女の人の条件で
「隙がある人」というのが挙げられますが
淑美(主役の名前)はまさにそれに当てはまります。
どんな男性に対しても、もしかして自分に気があるんじゃないか、って
勘違いさせるようなそぶりで
客観的に見るとわざとらしいなぁって感じますけど
実生活でこういう人がいると
嘘みたいに惹かれていってしまう危ないタイプです。

劇中でも言及されますが女性からは間違いなく嫌われるタイプで
本人的にも自覚はあるようです。
でも淑美は意識的ではなくて本能的な感じなので
あまり嫌いになれないのですが
逆にそれがマイナスなのかなぁと。
自分はお芝居には、女性のいや~なぁ部分を覗き見したい感覚を味わいたいので
それがあまりなかったのが残念です。

それとは逆に男性陣のいや~な所にあふれていて
例えばDVとかマザコンとか自分はそんなことはありませんけど
そういうのを見せられるのは
同性として嫌なものなんですよね。
今日分かったのはだから男性キャストが多い
お芝居があまり好きじゃないんだなぁって。

ここまでだとあまり面白くないのか、と思われるかもしれませんが
そんなことはなく、面白かったです。
主演の淑美役は内田慈(ちか)さんで
好きな女優さんです。
さばさばしている感じもするし
今回のような艶っぽい役柄もこなせるし
もっと人気が出てもいいのになぁって思います、
かなり美形ですしね。

あと毛皮族でおなじみの金子さんも出ていましたが
毛皮族ではセリフをよく噛んでいる印象ですけど
今回は普通に喋っていて
やればできるんだ、って思いました。
撮影も入ってましたけど映像化するのかなぁ、
そんな感じはしなかったけど、
WOWOWで放送されたら観直したいです。

舞台「グットバイ」

2013年12月19日 20時11分26秒 | 演劇
今日は「グットバイ」という舞台を観に行きました。
劇場のシアタートラムはあまり広くなく
結構簡単にいい席が取れるので
数えてみるとここ数年そうとうお世話になっています。
今日も平日の昼間ということもあり
最前列の通路側というかなりの良席で見ることができました。

客席は50~60歳位のご婦人がなぜか多かったです。
主役の段田安則さん目当てなんでしょうか、
20代の人は自分が見る限り、ほとんどいませんでした。
何ていうかこの年代の人の趣味って
悪趣味な勝手なイメージがあったので
今日来ていた方々には陳謝いたします。


あらすじ

大学で哲学とミステリー文学を教える黄村先生には、8人の愛人があった。
諸事情から愛人たちとの関係を清算しなければならなくなった先生は
助手の渡山の提案に乗り、ある計画をもくろむ。
そのために必要なのは「心身ともに健康で、かつ美人」の秘書だ。
先生のお眼鏡にかなって雇われたのは、
三舞理七という若い女だった。
理七の見た目と喋りのギャップに面食らいつつ
先生は理七の協力によって、計画を順調に進めていく。
そしてあと一歩というところまで来たかに見えたのだが。


太宰治の同名の未完の絶筆をモチーフにした脚本で
太宰といえば「人間失格」しか読んだことがなく
ものすごく暗~いものになるのかと想像していましたが
その意に反してコミカルな内容でした。
あらすじは鑑賞後に購入したパンフレットに書かれたものを転載しましたが
これだけ読むとひどい話に聞こえますけど
全然そんなことはありません。

あまり中身のことを上手く書けないんですが
夜に日傘を差すシーンがあって
そこは印象に残りました。
機能的なことからすれば夜に日傘って意味がないのですが
それが何かいいなぁって感じることが
何かのメタファーになっている気がしますけど
それが何かは分かりません。
あと愛人を説得しているシーンは直接劇中に出てこないのも
観客の想像に任せる所がいいと思いました。

舞台を楽しめたときって、全キャストが芝居達者で
安心して見ていられるっていうのが
実は大きいのかなぁって改めて思いました。
たま~に、セリフ噛まないかなぁ、とか見ているこっちが心配になるようなこともあって
そういうときはやっぱり満足感が低いことが多いです。
段田さんの舞台は何回か拝見していますが
テレビで見るドラマでのお芝居より数倍上手く見えます。
特に大声を上げているわけではないんですが
声がよく通ってセリフも聞きとりやすいです。

高橋克実さんは舞台に立っているだけで存在感があって
何か面白いこと言ってくれそうな期待感が勝手にします。
テレビだとそうでもありませんが
生で見ると相当カッコいいです。
柄本佑さんは柄本明さんの息子さんですが
こちらも存在感がありました。
二世芸能人というと仁科克基や多岐川 華子をはじめとして
ロクなのがいませんけど、
柄本さんのところは弟の時生さんを含めて好感度は高いです。

二世芸能人の余談になりますが
行列のできる法律相談所に出ている北村弁護士の娘が
タレントデビューしていてこの前はじめて見ましたけど
ルックスも何もそのオーラが全くない普通の女の子で
番組中では厳しいこと言っているくせに
自分の身内にはこんなに甘くなってしまうのかとかなり失望しました。
北村弁護士って元々テレビに出るのも渋々な感じだったのに
未だにあの人だけ行列にも出続けているし
味しめちゃったんですかね。

今回お目当ての蒼井優さんはやっぱりすごいです、
この年代では図抜けた演技力があると思います。
以前に「ガリレオ」にゲスト出演した時も感じましたけど
もはやドラマ向きのお芝居ではなくなっている気がします。
ここ数年はプライベートな報道でイメージが下がっているようですけど
ぜひ舞台でのお芝居を見てもらいたいですね、
そんなことどうでもよくなりますから。
まぁそのイメージのおかげでキャパの少ない劇場でも
いい席で見れるからこちらとしてはいいんですけどね。

これは今日に限ったことではありませんが
よくあんなにセリフを憶えられるなぁって感心します。
自分が舞台に出演することを想像すると
公演中は生きた心地がしないと思います。
コンサートなんかは来ているお客さんもほぼ100%その人のファンで
歌詞も間違えても逆に盛り上がってくれたりしますが
舞台ではそれこそ粗探しを目的としたような人もいるだろうし
みんながみんな自分のファンとは考えづらく
そういった点でも大変だと思うんで
余計に尊敬してしまいます。

劇団四季「リトルマーメイド」

2013年11月28日 23時28分12秒 | 演劇
もう半年ほど前でしょうか、あまり深い考えもなく
面白そうだからと予約していましたが
つい最近までそのことすら忘れていました。
劇団四季は舞台を観始めた初期段階にはよく観に行っていて
期待していた2006年の「オペラ座の怪人」が期待していたほどではなくて
それ以来の観劇になります。

劇場は大井町駅から徒歩5分ほどの場所にあるんですが
駅からの最短距離は私有地を通る形になるみたいで
そちらを通らせないようにスタッフの人が誘導していました。
山手線内で近場となると立地的には多少不便なところになるのは
仕方ないのでしょう。

席は3000円の一番安い席で、2階の最後尾でしたが
後ろの人を気にしなくていいし
ステージも見やすくて、全然苦になりませんでした。
欲を言えば隣の席との間隔がもう少し広ければ
言うことなしですが、客席数を確保するにはしょうがないです。
客層は予想以上に若い人が多く、男女比は8:2で
圧倒的に女性が多かったです。

言わずと知れた「人魚姫」が原作ですけど
アニメ映画をはじめ、きちんと作品を観たことはありませんでした。
人間になる代わりに声を失う、っていうのは知っていましたが
どうも映画版とは後半部分がストーリーが違っているようです。
物語も複雑ではないし、ほぼ予想通りのもので
そんなに期待していたわけではなかったのですが
これがその予想に反して、すごく楽しかったです。

前半の人魚時代は基本、海の中にいる設定で
ワイヤーをつけてフライング状態になっているんですけど
これが重力を全く感じさせない
本当に水の中を漂っているように見えて
どうやってあんな風に見せられるのか不思議でした。
ワイヤーアクションは相当体力を使うみたいなので
途中休憩が20分入りました。

舞台セットも海の中に入ったり、お城のシーンになったり
セットチェンジが頻繁にあり
こういう演出が出来るのも
専用劇場というのが大きいと思うんですよね。
ワイヤーアクションもそうだし、
どの席からもステージが見やすいことも
観る人がいかに楽しむことができるか
そういった設計が成されています。

アリエル役は谷原志音さんという方で
可愛らしい感じが役にぴったりでした。
帰ってきて他の方の感想などを読んでも
好評らしいです。
物語に恋愛要素があると理屈抜きで面白いですね。
それもシンプルな方が好きです。

今まで観た劇団四季の作品の中で
意外に一番子供向きではないと思いました。
前述した恋愛要素が強いことに付随することですが
これって一種の禁断の恋ですよね、
しかも最後はキスシーンもあって
あそこは本当にするとは思っていなかったのでちょっとびっくりしました。
それに人魚の衣装が結構セクシーで
谷間をすごく強調しているんですね。
アリエルが人間になってからは入浴シーンもあるし
しずかちゃんじゃないんだからって
四季の割には随分攻めているなぁって思いました。

最後はアリエルが人間になるのはさておき
父親のトリトンまで陸に上がってきて
二人を祝福するってちょっとやりすぎなんじゃない、って感じましたが
ハッピーエンドだから別にいいか、と。
今までは四季作品では「キャッツ」が一番好きでしたけど
それに勝るとも劣らない楽しい作品でした。
これから年末に掛けて、忘年会が続くと思いますが
何回も聞いた同じ話や愚痴だらけのそれより
百万倍も楽しいのは間違いありません。
今新橋で行われている「ウィキッド」にも行きたくなりました。
かなりおススメです。

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