これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

「ラヴズ・レイバーズ・ロスト ―恋の骨折り損―」

2019年10月11日 19時16分48秒 | 演劇
初めは観に行く予定ではありませんでした。
いくら杏ちゃんが出ると言っても、さすがに11500円は高すぎるし
内容もあまり気が惹かれる感じではなく
案外逡巡も多くありませんでした。
そんなある日、カンフェティからメールが届き
そこにこの公演のお知らせがあって、何でも割引があるとのこと。
いくら安くなるかと思ったら5000円引きの6500円で
ここで長考に入りました。

まぁこの価格ならつまらなくても杏ちゃんさえ見られれば何とかなりそうだし
何でも指定日の10日はカーテンコール時に
出演者サイン入りのグッツプレゼント抽選があるとのこと。
それに公演グッツでブロマイドの販売があって
この前の999と違ってトレーディングじゃなくて自分で選べるということで
確実に杏ちゃんのがてに入ること、
以上をふまえて行くことにしました。

シアタークリエっていう劇場に行くのは初めてで結構綺麗で見やすい劇場でした。
席もほぼ半額の割には、18列目と近くはないですが
センターブロックだったし、割と良かったです。
女性客が7~8割近くを占めていて、舞台でこういうのはあまりない経験です。
開演前にキャストの人が野球場でビールを売る人みたいに
ドリンクを売っていて、購入者と握手したり軽い会話をしていました。
なので定価150円位のドリンクが300円でも飛ぶように売れていました。
もしこれが杏ちゃんが売り子だったら数少ない男性客に
1000円でも間違いなく売れていたと思います。

で肝心の中身ですが、男性キャストも女性キャストも歌が本当にうまい、
これだけは確実でした。
あとロバート秋山みたいな人がいて、演出家から絶対に彼を意識して、って
注文があったと思う位、そっくりでした。
ただ正直は自分は全く乗れませんでした。
それはこの舞台自体の出来不出来とかではなくて
求めているもの質の違いというか
もし昨日のお客さんがAqoursのライブを生で観たとしても
おそらくほとんどの人が昨日の自分のような感覚になると思います。

元々内容に関してはそれほど期待していなかったので
肝心の杏ちゃんですが、出演シーンは多くも少なくもないという印象で
この前のメーテルよりもコスプレしていないので
すぐに杏ちゃんと分かるのが良かったです。
ただ番手のせいか単独で歌唱する見せ場がなかったのが残念で
あと役どころもちょっとタカビーな性格はあまり合っていなかったかなぁ。
手前みそですけどキスシーンがなかったのは正直ホッとしました。

グッツ抽選回ではもちろん当たらなくて
とりあえずブロマイドは手に入ったので良かったかなぁ。

舞台「私の恋人」

2019年08月31日 19時22分17秒 | 演劇
数年前までは舞台も1年に5~6本は観に行っていたものですが
ここ最近はほとんど観に行っていなくて
久々の観劇でした。
劇場のある下北沢は嫌いな土地ワースト3に入るほど
好きじゃない場所ですが、劇場が多いので仕方ありません。
駅前が再開発でやっと工事も終わりすっきりして
これは多少プラスですが、相当なマイナスを挽回するには至りません。

この舞台を観に行ったのは、一にも二も能年ちゃんが出演するからで
それ以上でもそれ以下でもありません。
ライブ活動を続けている能年ちゃんですが
自分としてはお芝居の方を観たかったので
待望の舞台となります。

正直、内容は分かりづらくて
おそらく作者の方の伝えたいことの
3割も理解できていないような気がします。
でも前述の通り、能年ちゃん目当てだったので
主要な出演者は3人だけで彼女の出演時間も長く
そこは良かったです。

1人で様々な人物を演じているので
コスプレ的な楽しみもあって
特に猫に扮したシーンは秀逸でした。
歌唱シーンも多くて
お世辞にも上手いとはいえないけど
ヘタウマな魅力があります。
それは演技もそうなんですが
とにかく彼女の魅力を引き立てる出来になっているかと思います。

歌唱シーンで言うと、渡辺えりさんはすごく上手くて
ちょっとイメージになかったのでびっくりしました。
小日向さんもほとんど出ずっぱりで
よくあんなにセリフを覚えられるなぁと感心しました。

話を能年ちゃんに戻すと、あまちゃん以降、事務所とのトラブルで
メディアへの露出は少なかったんですけど
結果的にはこれの方が良かったのかなぁと思います。
つまらない地上波の連ドラやアイドル映画に出て疲弊するよりは
今見たいにしたい仕事をしている方が
収入は減るでしょうがいいのではないかと。

あまちゃんが終了してまもなく、「しゃべくり7」に出たときに
好きなアーティストを「GOGO7188」って言っていたのに
その後のバラエティでは「ジュディマリ」って言っていて
おそらくよりメジャーなバンドにしろ、って番組のプロデューサーとかに
言われたと邪推して、嫌だなぁと思ったし
大体、本名なのに使用禁止ってこんなの人権侵害だろう、と思うんですが、
ワイドショーもほとんど触れなかったですもんね。
本当、ガッキーがいなきゃレプロなんかつぶれちゃえばいいと思うんですけどね。

そのレプロにいたら、低予算の「この世界の片隅に」とか
バンド活動なんかできていないだろうし
今回の舞台に立ててもなかったと思うと
他人事ながら今の方が幸せなんじゃないかなぁと。
キョンキョンからもお花が届いていたし
次は彼女との共演なんかもあったらいいなぁと思います。





キャラメルボックス 活動休止

2019年06月01日 16時37分40秒 | 演劇
今ツイッターをみていたら「キャラメルボックス活動休止」の記事が
リツイートされていてびっくりしました。
自分がはじめて観に行った演劇がこのキャラメルボックスで
1998年の「マイベル」という舞台でした。
たまたまローソンチケットの雑誌で特集されていて
デートで行くところも限られていたので
ちょっと毛色の違う所にも行ってみるかという軽い気持ちからでした。
当時はネットもほとんど普及していない時代だったので
何の予備知識も入れずに行きました。

確か前説みたいのがあって舞台ではこういうのが普通なのかと思っていたり
はじまってみると、そんなに面白いと思わないような所で
お客さんがすごい笑っていて、
彼女と思わず顔を見合わせて、これ大丈夫かなぁと心配だったんですけど
時間が経つにつれ、その世界に引き込まれていって
最後にはひどく感動して、その後も年に何回かは観に行っていました。
それが2年に1回、3年に1回と数が減っていき
5年位前に行ったのが最後になりました。

他の劇団に比べると家族的な雰囲気があって
作風もあまりシリアスにならず
生死を扱った内容でもファンタジー的な要素はなくさず
それが良くも悪くも崩れない印象でした。
ただ1年に4本以上の公演を行うので再演も多く
新作好きの自分としてはそれも足を運ばなくなった理由の一つです。
大人計画みたいにテレビとか映画などの映像作品にも売り込んでいけば
もうちょっと楽に経営できそうな気もするのですが
キャラメルボックスらしさを継続させるには
そうはしたくなかったのかもしれません。

あと1998年当時は料金も4000円でしたが
今は7000円近くしますしね、中々軽い気持ちではいけなくなっていました。
でもハーフプライスチケットって当日半額券を継続していたのは
えらいと思います。
しかしこれが収益悪化につながっていたとしたら皮肉なものですね。
いつまでも続くと思っていた劇団だから今回の休止で
そんなことはないんだ、って尻に火をつけて
動員力が戻ってくるのならばいいですね。

銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠

2019年04月26日 20時13分00秒 | 演劇
伊波杏樹(以下杏ちゃん)が出演するということで行きたいなぁとは思っていたんですが
いかんせんS席が12000円ということでかなり躊躇していたある日、
チケット流通センターで7000円というチケットが掲載されていて
勢いで落札してしまい、昨日観てきました。
本当は昼の部のアフタートークがある回が良かったんですけど
仕事があるのでそれは諦めて、夜の部でした。

劇場の明治座は初めて行く施設で、おそらく今後も行かないような気がします。
中に入ると仲見世みたいに屋台が何軒が並んでいて
そこで売っている飲食物を座席で休憩中にバクバク食べているのが新鮮でした。
公演グッツも売っていて缶バッチはすでに売り切れでした。
ポストカードは1枚200円と安価ですが、ランダム封入で
杏ちゃんが当たる確率は9分の1で、奇しくもAqoursと一緒です。
凰稀かなめさんのファンと思しき方がいて
それが当たれば交換してくれそうな雰囲気もありましたが
それでも9分の2で、もし車掌さんとか当たったらショックを受けそうなので
結局買いませんでした。
でも演劇でランダム封入っていうのはどうなんでしょうね。

中に入ると1階はあまり傾斜がないので前に座高の高い人が座ると見にくそうでした。
ただテンピュールみたいな低反発のクッションが座席に置いてあって
お尻の下に敷くと圧力が分散されて長時間座っていても痛くないのは良かったです。
自分は12列目で、開演5分位前になると何か見たことがあるような人が8列目に座って
まさかと思ったんですけど、矢沢の永ちゃんでした。
娘さんが出演するので観に来たみたいです。
スーツとかでなくてすごい普段着で
アンコールの時に、御付きの人は混雑を避ける為に早く退場したがっていたけど
最後までスタンディングオベーションで拍手していて
すごく好感度が上がりました。
とは言ってもAqoursのメンバーがいた方がテンションは上がるんですけどね。

銀河鉄道999はアニメでちょっと見た位で詳しい内容は知りませんでした。
とりあえず杏ちゃん以外のキャストでは浅野温子さんが直前に降板になってしまい
代役が松下由樹さんでしたが、初めからキャスティングされていたんじゃないかというほど
違和感はありませんでした。
この短時間でセリフを覚えられるだけでも感心してしまいます。
前述した永ちゃんの娘さん、洋子さんは遺伝なのか
一番歌が上手いなぁと思いました。
後、セリフをしゃべるとき、まばたきを全然しないのもすごいと思いました。

題名に「さよならメーテル」ってあったので杏ちゃんもそれなりに出番があればいいなぁと
思っていましたが、想像以上に多かったのが嬉しかったです。
そもそも3~4月に掛けてアジアツアーを周っていて
稽古している時間あるのかなぁって不思議だったし
セリフも結構あったので、自分なら絶対にパニくること間違いなしです。
ただ千歌ちゃん役としての杏ちゃんしか自分は知らないわけで
メーテルの恰好しているから外見もいつもの杏ちゃんと一致しないし
声質も「かん、かん、みかん!」って言っているのとは全く違うので
結局最後まで自分の中で一致できませんでした。
それだけ役柄に合わせられるというのは俳優さんとしては優れているんですが
皮肉なものです。

ストーリーでいうと、この話ってメーテルは結構したたかというか
鉄郎は最後助かりましたけどそれまでネジにされた人たちは
爆発で死んでしまったわけですよね。
あと母親のプロメシュームを殺すのも結局はお姉さんがやることになって
自分は手を汚さないし
クレアが自爆するのにも責任がある感じで
しまいには、これからは自分探しします、みたいな展開で
結構笑ってしまいました。

それはさておき声優さんとしてだけでなく女優さんとしてのポテンシャルも
見せつけられました。
本当この先、ドラマとかに呼ばれまくるんじゃないかなぁ、
なんて思ってみたらもう次の舞台も決まっているみたいで
それはそれで嬉しいんですけど
10月、11月公演ということで
年末のAqoursのライブがないじゃん、って一転してがっかりすることになってしまいました。

イキウメ「天の敵」

2017年05月22日 18時40分20秒 | 演劇
イキウメの舞台は今回を含めて7回ほど観ていますが
まず外れがない。
舞台を観に行ったことがない人に勧めるとしたら
自分は間違いなくイキウメを勧めます。
話自体、野田秀樹みたいに理解できないことはなくて
むしろ分かりやすい方に入ると思いますが
観終わった後も色々考えさせられることも多くて
それを毎回、繰り出してくる脚本力には脱帽です。


あらすじ

ジャーナリストの寺泊 満(安井順平)は、菜食の人気料理家、橋本和夫(浜田信也)に取材を申し込む。
きっかけは妻の優子(太田緑ロランス)だった。
寺泊は難病を抱えており、優子は彼の為に橋本が提唱する食餌療法を学んでいた。

当の寺泊は健康志向とは真逆の人間だが、
薬害や健康食品詐欺、疑似科学や偽医療の取材経験も多く興味があった。
優子がのめり込む橋本を調べていく内に、
戦前に食餌療法を提唱していた長谷川卯太郎(松澤 傑)という医師を知る。

寺泊は長谷川と橋本の容姿がよく似ていたことに興味を持ち、ある仮説を立てて取材に望んだ。
寺泊は、プロフィールに謎の多い橋本は長谷川卯太郎の孫で、菜食のルーツはそこにあると考えた。
橋本はそれを聞いて否定した。
実は橋本は偽名で、自分は長谷川卯太郎本人だと言う。


今回は伊勢さんと岩本さんという2人の女性劇団員が退団して一発目の舞台で
イキウメのテイストが多少薄まるんじゃないかなぁ、と不安感もありましたが
全くの杞憂に終わりました。
おそらく両名が在籍していたら、太田さんの役を伊勢さん、
村岡さんの役を岩本さんが演じていたと思うんですが
お二人ともしっかりなじんでいて、
違和感を感じることはありませんでした。

ヒロイン役の小野ゆり子さんもイキウメの雰囲気に合っていました。
清楚なんだけど狂気的な部分も持ち合わせていて
こういう配役のうまさも作品の質を保つ秘訣なんでしょう。

また今回も御他聞に洩れずとても面白く興味深い内容でした。
あらすじを読んだときは、長谷川が宇宙人とか未知の食物を発見した、
とかそういう話かと思っていましたが
その上を行く展開でした。
自分が長谷川と同じ立場だったらどうするか、考えてみました。
今のある程度健康の状態だったら絶対飲まないと言いますが
例えば末期のがんに侵された状態ならば
おそらく手を出すんじゃないか、と思ってしまいます。

別に長生きをしたいわけではありませんが
死がより現実的に目の前に迫ってきたら
おそらく生き延びたい、と願ってしまうそんな弱い人間なのです。
本当人間って不思議なもので、日曜の夜はいつまでも起きていたいと思うものなのに
月曜の朝にはいつまでも寝ていたと思ってしまう困ったものです。

現代の科学で自分のクローンをつくって不老不死のようなことをしている人たちがいて
馬鹿々々しいと思っているわけですが
もし自分にそうするチャンスがあったら
絶対しないかと言われればそれを100%否定することはできないものです。
死後の世界なんて信じていないですけど
生まれてきた以上、例外なく間違いなく死ぬというのは
残酷なものですね。

第6回ブス会「お母さんが一緒」

2015年11月29日 22時04分15秒 | 演劇
個人的にはここのお芝居を観て
笑えない人、不快に感じる人とは
仲良くなれないような気がする位、
ハズレのないユニットのブス会。
再演だった前回の第5回を除く
他の全ての公演に行っています。

最初は指定席にするつもりでしたが
ずるずる先延ばしにしてしまい
昨日ヤフオクで買うことになり
ブスシートという前方自由席になってしまいました。
1,2列目とステージ近くなのはいいのですが
背もたれの椅子に横幅も限りなく狭いので
デブな人が隣に座ってくると嫌なので
開場からちょっと遅らせていったら
もう1席しか残っていなくて
選ぶ余地はありませんでした。
しかし残りものに福があるのか
両隣女性だったので助かりました。

母親の誕生日を祝う為に温泉旅行にきた家族のお話で
3姉妹のやり取りがメインになります。
(父親は亡くなっているようで、母親は役としては登場しません)
この3姉妹を演じるのが岩本 えり、内田 慈、望月 綾乃のブス会常連組で、
この3人ならまぁ面白くなるだろう、と
安心できるキャスティングで
実際、面白さから言ったら、今年1でした。

ブス会の公演では、女性同士の言い合いが見どころなんですが
(第4回を除く)今回もそれに漏れず
しかも姉妹という設定なので
いつもより本音を爆発させるのに時間が掛かりませんでした。
こういう女性同士の本音の応酬が好きなんですが
それは多分自分が異性で
ある種、他人事感がより強いからだと思います。

同じ女性同士の対立を描くことの多い「月刊、根本宗子」で
自分はとても可笑しい部分を
「あそこは泣けるシーンで、笑えるなんて信じられない」みたいな感想を
あるブログで見た時に、
物語に対する切迫度が違うなぁと感じたことがあって
でも感じ方は人それぞれなんだから
笑ったっていいじゃんって。

家族のことが大好き、って本当にそう思っている人もいるだろうけど
実際はそんなに多くない、と思っていて
それは近しい間柄ほど相性が相当良くないと好きでいられない
と考えるからです。
例えば、単なる同級生や職場の同僚位の関係で上手くいっていても
その人が親族になった時に上手くいくかと言ったら
そうはいかない人がほとんどでしょう。
自分も家族のことは好きではありませんが
もしも、職場の同僚という関係性ならば
むしろ好感をもつかもしれません。

人と人の間には相性の度合があって
それが50の人は同級生としてならいいけど
夫婦では上手くいかないとか
じゃなきゃ3割近くの夫婦が離婚するわけがありません。
多くの離婚原因である「性格の不一致」ですが
それよりも「生来の相性の悪さ」の方がしっくりきます。

この3姉妹はそれぞれ両親のようにはなりたくないと思っていて
自分自身ではそう思っていますが
外からみると似ている部分があって
そこを指摘されると即座に否定します。
自分でも認めたくないところですが
少なからず似ているところがあります。
しかもそれが長所というよりかは
むしろ短所と思えるようなところが似てくるのが我慢なりません。

劇中では相当の喧嘩をして取り返しのつかないようなことも言い合って
しかし一晩経つと関係は見かけ上は修復しますが
現実の家族だったらあんなに丸く収まらないだろうなぁと、
少なくても家だったら崩壊して、一生元に戻ることはないのは確実です。

劇団四季「アラジン」

2015年10月11日 23時30分32秒 | 演劇
5月に開幕したばかりなので最安のC席は中々予約できなくて
昨日はJCBカード所有者専用のJCBチケット貸し切り公演で
そこでやっと入手できました。
C席は後方2列のみで座席数も少なく
その前のB席の半額なので
今まで劇団四季の公演ではこの席しか買ったことがありません。

ステージの観辛さよりも、席の幅が狭くて窮屈なのが
気になります。
お客さんの8割が女性客なので
そちらに合わせたサイズ感のようです。

今まで観た劇団四季の中でも
一番コメディ寄りでした。
魔法のランプの魔人、ジーニーは出てくる度に笑いを起こして
最初は面食らってついていけませんでした。
それから間もなく休憩に入って
そこで一息つけたので
後半は楽しめました。

これは毎度思うことですが
出演者の方々の歌唱力の高さです。
普通のアーティストの人と比べて
どのレベルなんですかね。
こちらの方がすごく上手く聴こえます。

今回はイリュージョン的な仕掛けが数多くあって
そこは専用劇場を持っているからできるのだと思います。
最大の見どころは魔法のじゅうたんで空中浮遊する場面で
どうせピアノ線とかで吊っているのが見えちゃうんだろう、
とたかをくくっていていましたが
これが全く見えなくて、今でもどうやって
じゅうたんを飛ばしていたのか解りません。
一度目は夜空のシーンでそれで見えないだけだと思っていましたが
二度目の明るい中でも分からなかったので
あの演出はとにかくすごいです。

その代わり話自体はちょっと弱い部分があって
主役のアラジンが、理由はあるにせよ
窃盗、身分詐称(王子に扮して王女に近づく)で
結局大騒動になったのも洞窟内で
ランプ以外に触るな、という注意を無視したせいで
あまり味方したくない人物なのがちょっとマイナスでした。
でもそれを上回る勢いがあり
今までの劇団四季ベスト3は
リトルマーメイド、キャッツ、オペラ座の怪人でしたけど
キャッツと並ぶ位の満足感がありました。

舞台「転校生」

2015年08月30日 16時21分22秒 | 演劇
出演者の一人、清水葉月さんという女優さんに注目していて
観に行きたいなぁとは思っていたんですけど
6000円っていうのはちょっと高いなぁと見送る方向でしたが
オークションで半額の3000円で出品されていて
結局3500円にも届かない値段で落札できましたので
昨日行ってきました。

会場のブルーシアター六本木は過去3回ほど訪れていますが
いつでも撤去できるような仮設劇場のようなところがあり
劇場までの道のりが殺風景なこともあり
駅からの道中でのワクワク感があまりありません。
そのせいか今までこの劇場での公演で満足した覚えがありません。
席は16列だったのでだいぶ後ろの方かなぁと思っていたら
10列目までステージが張り出していて
実質6列目で、しかも通路横だったのでまぁまぁいい席でした。

出演者21名全員オーディション選ばれたとのことで
これだけでも相当選ばれた人たちには違いなく
でも朝ドラに出演する、っていったら
この中から更にふるい落とされていくわけですよね、
モデル上がりの大して演技がうまくない人が
知名度だけでドラマとか映画とかの主役をはっているのとか
本音ではどう思っているんですかね、
そういう話の舞台だったら絶対観に行くのに。

本題に戻ると、教室内だけで進むお話で内容的には難しくないんですが
2、3グループ同時で会話がされるので
聖徳太子でもない限り、どっちの会話も聞き取れず
それを補う為に、スクリーンに台本が映されて
そこでセリフを確認することになります。
スクリーンはステージ上方に設置されているので
自ずとそちらに目線を移すと、演技しているところには目がいかなくなります。

たしかに通常の学校の教室では至る所で様々な会話が成されています。
それは自然なことでそういうことを表現しているのかもしれませんが
自分は演劇にはそういうことを求めているわけではないので
現実的には不自然に感じることでも
例えば、一人が話しているときには、みんな話さないようにしてもらいたかったです。
映画の字幕よりもはるかに苦痛だったので
それか事前に台本を渡してもらって
あらかじめセリフを読めるようにしてほしかった位です。

たぶんセリフを言うタイミングとか普通のお芝居より難しいと思うんですが
そういう努力がこちらに伝わってくるものにプラスになっているとは限らず
観ているこちらとしては正直そんなことはどうでもよく
楽しませてくれたり考えさせてくれたりそこが重要なわけで、
どうも制作者側だけの満足が上回ってしまったなぁという印象です。

それにしてもやっぱり定価の6000円は高いなぁと思いました。
上演時間は80分で、ステージセットも場面転換がないので
それほどお金が掛かっているとも思えず
土曜日なのにかなり空席が目立っていました。
チケットの売り上げへのテコ入れか
ももクロのアフタートークを後から告知して
その日だけは完売するという
商売だからしょうがないけど何かモヤモヤするようなことが行われて。

ステージ上でお芝居している彼女たちも
今日はももクロ出るから客席埋まっているなぁ、って絶対思いますよね、
そういう現実を目の当たりにさせるのも
目的なのかはしらないけれど
演劇好きとしては何か切ないです。
ももクロの5人より絶対に演技上手いのにねぇ。
あとこれで例えば広瀬すずあたりがキャスティングされていたら
これもチケット完売したりするんで
人気稼業っていうのは大変だなぁって思います。

でお目当ての清水さんはさすがに出演者が多くて
見せ場はあまり多くなかったですけど
ラストでは「転校生」との2人だけのシーンが長かったから
まぁ良かったかなぁ。
また劇中でピアノ演奏していて
これを生かして朝ドラにキャスティングされないか、と思うんですが
難しいんでしょうか。

[歌謡ファンク喜劇]「いやおうなしに」

2015年01月11日 00時43分19秒 | 演劇
キャストを聞いたときから観に行きたいなぁと思ってましたけど
チケット代9500円というのはさすがに荷が重く
そうこうしている内にパルコ劇場はソールドアウトしてしまい
これゃ今回は見送りかなぁって半ば諦めていた所、
今週ぴあのサイトを何気に覗いたら
「立ち見見切れ席」なるチケットが販売されているのを見つけました。

劇場はパルコ劇場ではなく、神奈川芸術劇場で
座席は3階バルコニー席の2列目で
注意書きに「舞台は半分ほどご覧いただけません」との表記が。
半分って言ったらほとんど見えないじゃん、と失笑しながらも
値段が2500円というS席の3分の1の値段で
思わず池袋パルコのぴあ店舗で(ネットで買うと手数料で200円余計に掛かる)
買ってしまいました。

買ったはいいのですが、外は寒くて風は強くて
劇場までは電車で1時間掛かるしで
出掛けるまではちょっと面倒いなぁっていう気分もありました。
正直、キョンキョンと高畑充希の歌声だけでも
聴ければいいなぁ、というテンションで臨みました。

最寄駅の関内駅に降りるのは久しぶりで
4年前のいきものがかりの横浜スタジアムライブ以来でした。
せっかく来たんだから中華街や山下公園をぶらりすればいいんですが
例のごとく、開場ギリギリに出発したもので
真っ直ぐ会場に向いました。

心配していた席ですが、
立ち見と言ってもきちんと椅子はあり、
3階なのでさすがにステージまで近いとは言えませんが
普段ライブなんかで観る席よりは断然近いし
見切れもほとんどありませんでした。
1列目の人が乗り出して観ているとそこが邪魔になったり
角度が悪いと手すりが目に入るところもあるんですけど
そのときは立ってしまえばそれも解消できるし
これで2500円というのはかなりのお買い得でした。
しかも自分の横には誰もいなかったので
相当自由に動けてむしろ居心地のいい場所でした。


あらすじ

舞台は神奈川県海老名市(らしき町)で、
国道246号沿いでオープン初日を迎えたもつ煮込み専門店「ららホルモン」。
店主の真壁太一と奈美子夫妻がオープン準備をしている。
二人の娘の芳奈は可愛く二人にエールを送り、
太一は奈美子に「愛してる」と語りかけるという、
再起にかける幸せな家族の風景。
そこに一人目の客がやってくる。
やってきたのは太一の高校時代の野球部のキャプテン藤岡だった。
藤岡は高校時代に太一の起こした事件で甲子園出場が取り消しにされ、
太一を恨んでいた。
太一の再出発を邪魔しようと嫌がらせを始める藤岡。
奈美子はうんざりするが、太一は藤岡を受け入れる…太一を中心に、
個性豊かすぎるダメな男と女をO.L.H.の楽曲がいやおうなしに絡めとり、
ばかばかしく紡いでいく極上の歌謡ファンク喜劇だ。


結論からすると、ものすごく面白かったです。
ミュージカルみたいにセリフまで歌うわけではなくて
お芝居の間に歌が入ってくる形で
この歌唱シーンがとても良かったです。
全曲、面影ラッキーホールというバンドの楽曲を使用していて
このグループのことは、一青さんや映画評論家の町山さんがファンということで
存在は知っていましたが
曲を聴くのははじめてでした。

メロディも中々いいんですが、やはり特筆すべきはその歌詞で
どれもドラマ性が高くて、しかも卑猥で不謹慎な内容に
笑ってしまいます。
「生死をかけて」という文章が、嫌らしい意味をもつ(ひらがなにすると分かりやすいです)
ものだと、この歳ではじめて気づきました。
他にも「好きな男の名前 腕にコンパスの針でかいた」
「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・・夏」など
曲名だけでも何事かと思われます。

基本的にこの歌の歌詞になぞって
物語の筋も構成されていて
BGM替わりのただのイメージソングになっているわけではないので
流れがいいんですよね。
出演者の人たちがこの楽曲を歌うんですが
これがみなさんお上手でこれもちょっとびっくりしました。
その中でも高畑充希は噂には聞いていましたが
マジで上手かったです。
普通にソロコンサートを開いても行きたくなるほどでした。
松たか子の系譜を継ぐのは彼女しかいません。

まぁ役柄的にきわどいセリフやシーンが多くて
「SEX」というセリフが何回もあったり
ダッチワイフに扮して踊らされるし
よくこのオフォーを受けたなぁって感心しました。
(エレキテル連合の朱美ちゃん効果かダッチワイフに対する
ハードルが下がってきているような気がします)
テレビドラマにも映画にも数多く出ているのに
この役もこなせるとなると
出演オファーは途切れないはずです。
今日の公演で一気に好感度が上がりました。

ともかく3時間弱の上映時間も全く長く感じられないほど
中だるみの時間もないし
最高のエンターテイメントショーでした。
今年初の演劇鑑賞でしたが
かなりの確率で早くも今年一番の舞台になりそうです。
できれば映像化してもらいたい所ですが
チケット販売の注意事項に、映像収録の断りがないので
残念ながらなさそうです。
まぁ放送するにしても地上波・民放BSでは放送できない内容で
WOWOWかDVDしか希望はもてないのですが。

イキウメ「新しい祝日」&キャラメルボックス「ブリザード・ミュージック」

2014年12月10日 20時06分44秒 | 演劇
二日連続で舞台を観に行きましたが
どちらも池袋だったのでまとめて書きます。
まず昨日のイキウメの「新しい祝日」から。
こちらは事前に予約しておいて
C列だったんで、てっきり3列目かと思っていたら
最前列でした。
劇場は東京芸術劇場 シアターイーストで
駅から地上に出ないでそのまま行けるので
雨の日とかは便利です。


あらすじ 

ある会社、働き盛りの男が一人で残業している。
男はふと不安に駆られる。
自分はなぜここにいるのだろうと、立ち止まる。
見慣れた社内を見渡していると、
いつの間にか道化のような奇妙な男がいることに気がついた。
道化のような男は、会社員の男に現実の見直しを迫る。
今見えてる現実は本物なのかと、その「現実」を壊し始めた。
男は道化に誘われるまま、立場も名前もない「世界」へ入っていく_。


イキウメは3度目ですが個人的には今一番面白い舞台を見せてくれる劇団だと思います。
しかし過去観た「獣の柱 まとめ*図書館人生㊦」「関数ドミノ」
に比べるとそこまでグッとはきませんでした。
途中のやり取りは面白くても
結局最後はこの男の中で完結してしまうので
こちらとしてはあまり得られるものがないというか
もっとバットエンディングだったらまた違う感じになったんじゃないかって感じました。

劇中でタナカという太った劣等生が
周囲の雰囲気で決まっていることに対して素朴な疑問を尋ねるシーンがあって
そこは大変興味深いものでした。
何かおかしいんだけど、暗黙の了解でそれは訊いちゃいけないみたいなことって
現実社会にもありますよね、
そこを訊いてくるので煙たがられて、最終的には自殺してしまう、
という結構ブラックなところです。

自分がタナカの立場だったら、何で殺人を犯した人が死刑にならないの、
っていうことを訊きたいですね。
被害者に非があるようなものではなくて
どうみても加害者が100%悪い殺人でも1人だけだったら死刑にならないですよね、
何も悪くない被害者が死んでいるのに
何で悪い方の加害者が死なないで済むのか、って
普通に考えたら絶対おかしくて
こんなこと、もし裁判官に尋ねたら絶対嫌がられますよね。

最前列だったんで役者さんの表情もいつもより良く見えたんですが
ヒロイン役の伊勢佳世さんは目茶目茶いいですね。
テレビとか映画とか映像方面であまり起用されないのは
理解できないですね。
本人がそういう活動を望んでいないのかなぁ、
もったいないかぎりです。

で明けて今日は、キャラメルボックスの「ブリザード・ミュージック」を
観てきました。
こちらは昨日シアター・イーストから帰ってきた後に
急遽思い立って行くことにしました。
当日朝から池袋パルコのちけっとぴあで
ハーフプライスチケットという半額販売があって
それを買って、上映時間まで時間があったので
新宿の献血に寄りました。

席は1階19列目の通路側で
13:30位に入場して席を探していると
そこの列だけびっしり埋まっていて
もちろんみんな半額券の席なんですけど
圧迫感が嫌で、2階に移動しました。
2階は自由席なんで前後左右人が座っていない中央寄りの席に座り
ステージも見やすくて、すごく快適でした。


あらすじ

「若人よ来たれ!君もクリスマスに芝居をやらないか!」
クリスマスの1週間前、新聞広告を見た5人の俳優たちが、池袋の劇場に集まってくる。
しかし、彼らの前に現れたのは、演劇経験の全くない、90歳のおじいちゃん。
元小学校教師の梅原清吉だった。
彼は、70年前に書いて、上演できなかった脚本を、
自らが主演して、上演したいと言う。
スタッフは清吉の家族たちで、もちろんみんな演劇未経験。
俳優たちは最初厳しく反発するが、清吉の情熱に打たれ、次第に本気になっていく。
本番はクリスマス。はたしてたったの1週間で、芝居は完成するのだろうか?


結果からすると「新しい祝日」よりも満足感がありました。
個人的に劇中劇というジャンルが好きみたいです。
泣きそうになったり感動するみたいなことはなかったんですけど
話の流れが停滞するところがなかったので
時間もあまり感じませんでした。
ヒロイン役の渡邊安理さんですか、
最近主要な役にキャスティングされていますよね、
彼女を女性陣の柱にしていこうとしているんですかね。

開演してから1時間を迎える辺りから
献血したせいか身体が冷えてしまって
脱いでいたコートを羽織ったんです。
そうしたらそれを見ていた係員の女性の方が
ブランケットを持ってきてくれて
すごく嬉しかったです。
ネームプレートの名前も見なかったんですけど
サンシャイン劇場のスタッフは素晴らしいです。

カーテンコールではスマホ・携帯での撮影がOKで
それ用にポーズまで取ってくれるサービスがあって
みんなバチャバチャ撮ってましたけど
オンボロガラケーで撮影に期待できないので止めました。
行けば楽しいんですが
それでもさすがに定価の7300円はちょっと出せないかなぁと、
劇団員も多いし、大所帯で
維持していく為の運営も大変なんでしょうね。
でもこれからもハーフプライスで申し訳ないです。

「じゃじゃ馬ならし」

2014年11月23日 22時14分31秒 | 演劇
今まで録画していた「リーガル・ハイ」を観ていました。
安定の面白さですね。
でも後半の見せ場の部分で地震速報が何回も出て
興ざめでした。
このテロップ出すの個々人の選択制にしてくれませんかね、
本当邪魔で仕方ありません。
これが流れていなくて結果逃げ遅れたことがあっても
このドラマみたいに絶対訴えたりしませんから
考えてくれないかなぁ。

それはさておき、「じゃじゃ馬ならし」という舞台を観に行ってきました。
劇場は「あうるすぽっと」という池袋にある劇場で
別名「豊島区立舞台芸術交流センター」というらしいです。
サンシャインからほど近くで、少し駅から歩きまして
はじめて訪れました。

座席の幅が狭く、椅子の座り心地も決してよくありません。
それにも増して傾斜が低いので
前の人の座高が多少高いとかなり視界を遮られます。
また口では説明しづらいのですが、
ステージに雰囲気が感じられなくて
舞台向きの施設には感じられませんでした。
駅近に東京芸術劇場という立派な劇場があるので
余計にここの存在価値がどこにあるのかよく分かりませんでした。

ストーリーは同名のシェークスピアの戯曲を下敷きにして
毛皮族の江本さんが演出しています。
様々な媒体で今回のお芝居について
インタビューされた記事があって
それを読んでいたもので多少ハードルを上げ気味での鑑賞でした。
そのハードルに足を引っ掛けて、
怪我してしまった、そんな感じです。

久しぶりに、早く終わらないかなぁ~って感じてしまうほど
つまらなかったです。
原題があるから仕方ないのか、それには関係なくつまらないのかは分かりませんが、
これはちょっとね。
話の筋が通っていないとか、登場人物に共感できないとか
そんなのはなくても構わないんだけど
心を揺さぶられるものがなくて
どうにものれませんでした。

主役は鳥居みゆきで期待していたんですが
彼女の良さが出ていたとも思えず
テレビで見る突飛な演技を求めていたわけではないんですが
登場人物中では一番まともな人物のように思えて
ここに配役する意味って果たしてあるのかなぁと。
佐久間さんの役と交換した方が合っていたと思いました。

後ろの方で結構長い間、軽いいびきをかいているオヤジがいて
普段だったらビンタしたくなるところですが
今日に限ってはそれも仕方ないかなぁと
怒りも大してわいてきませんでした。
これならストーリーが全く分からないようなハチャメチャな方が
後で色々考えられていいかもしれないと
そんなことすら考えさせる何とも言えない作品でした。

続・りんごりらっぱんつ at 浮間ベース

2014年11月13日 00時17分17秒 | 演劇
昨日、観に行ってかなり衝撃を受けて
思わず今日も観に行ってきました。
(ご近所割の500円というのが相当大きいんですが・・・)
昨日は物語の内容にはあまり触れていなかったので
そちらを中心に書きます。

2度目なので今日改めて気づいたことがあって
まず初っ端の冬美とお姉さんのやり取りは
ラストのシーンにつながっていたんだなぁって。
また内海の名前が「ハルキ、ハルオミ?」
でお母さんも含めて名前が春夏秋冬になっていることも
昨日は全く気付きませんでした。
あと内海は行定勲監督をイメージしていました。

座る場所によっては身体をひねったり
視角に収まりきれない場所があるので
そこらへんに注意して今日はベストポジションの席で観ることができました。
これは満足度に結構重要なところです。

お姉さんが車に撥ねられるシーンからの
オープニング映像の流れは分かっていても
ドキドキするし、鳥肌も立ちました。
とりあえずここだけでも500円の元は取れます。
ミュージシャンのライブでもこの演出使ったら
相当カッコいいんですけどね。

昨日はお客さんが20人ほどでしたが、
今日は30人以上いました。
どうも日によってだいぶ差があるようです。
2階に移ってからは女性専用の席が3席あって
そこはレストランのミーティングルームにあたる席で
キャストの人と横並びになる形になるんですけど
そこに座った人のリアクションが良くて
セリフをしゃべっている方向に首を左右に振るしぐさが可愛くて
お芝居に溶け込んでいました。

ススムとモモコの不倫シーンは
今日は笑い声が大きくてウケていました。
周りが笑ってくれるとこちら笑いやすいんですけどね、
そこらへんは空気読んじゃうのでダメですね。
モモコは妊娠したことでススムに別れを告げるわけですが
昨日はこれは別れる為の嘘なんじゃないの、って思っていましたけど
屋上のシーンで幼稚園の娘を迎えに行く、というセリフがあったので
本当だったんですね。
でも本当の父親はススムなんでしょうね、
それを匂わせるシーンはないですけど
そっちの方が想像は膨らみます。

冬美と別れた後のシンゴの相談シーンも結構好きです。
曲をつくるときのインスピレーションって大事らしく
ドラマや映画の主題歌の方がいい曲出来上がることって
結構ありますよね。
一から自分だけの想像力でつくるのは
限界があります。
相談役の田中亜紀さんの肩の力が抜けた演技は好きです。

冬美が勤めるレストランですか、あんないい職場、
実際は滅多にないですよね、
特にオーナーシェフであんないい人は絶対にいません(笑)
仕事で何人か会ったことがありますけど
笑顔でも目の奥は笑っていない人ばかりでした。
あんな職場で働けたら悩みなんかなくなりますよ、
あの店を畳むことが、このお話の中で
一番理解に苦しむ部分です。

競泳水着で現れるシーンが何度かあるんですが
あれは脚本が「劇団競泳水着」だからああいう演出になったんですかね、
それともその劇団ではこれが定番の演出なのか
どちらにしてもご苦労なことです。

全体的にHPに載っている顔写真よりも実物の方が数段魅力的なのは
やはりお芝居をしている勢いというか内面から出ているものが大きいと思うんですが
とはいってももうちょっとよく撮れないものですかね、
初見だと特にこの「ジャケ写」で見る見ないの判断すること多いんですよね。
また1階部分の時計は上映中は布で隠すなりした方がいいと思いました。
つい目に入っちゃうんですよね、今回は途中で移動するからいいんですけど
残り何分か~とか頭に浮かぶと興ざめしてしまうし。
あと上演後に出演者の方との面談っていうのがあるんですが
あれってやっぱり面識がある人でないとダメですよね、
ちょっと話してみたい気もするんですが、どうも勇気が出ません。

今日改めて目についたのが、冬美のお姉さん役の中村佳奈さんと
友人役の伊藤実希さんです。
中村さんは陰気な表情と陽気な表情のコントラストが素晴らしいですね。
顔のつくりから案外どちらかに傾いてしまうものですけど
そこの使い分けが上手いです。
伊藤さんは今回の女優さんの中で
間違いなく一番男好きする人ですね。
顔のつくりもくっきりしているので舞台映えしますし
これから様々な場所で活躍が期待されます。

で冬美役の慶雲さんですが、
昨日に引き続き、今日も素晴らしかったです。
セリフを読んでいるように見せない、
自然に話しているかのように見せる、そこがすごいし
主役をこなすには、演技の上手い下手じゃない
プラスアルファが必要で、それを持っているから
こんな素敵な作品として成立している、そんな気がします。

慶雲って何て読み方をするかも分からないし
どこの事務所に所属しているかも分からなくて
謎だらけの女優さんですが
今後も活躍してもらいたいです。
次回の浮間ベース公演もぜひ出演してほしいです。

りんごりらっぱんつ at 浮間ベース

2014年11月12日 00時33分51秒 | 演劇
演劇関連の情報を知りたいときに
コリッチとかカンフェティとかいうサイトをたまに覗いてたりするんですけど
そこで「浮間ベース」という存在を知って
家から自転車で5分と超近所にあるということで
とりあえず行かなきゃダメだろう、と観に行くことにしました。

この浮間ベースというところは

映像や演劇などの表現芸術を『創る』・『演る』・『観る』人たちの人生を
より豊かにする為に、この浮間舟渡という場所にこだわりをもって創った
『秘密基地』です。
建物は3階建てプラス屋上と特徴の異なる4つのフロアで構成され、
映像やスチールの撮影スタジオとして、演劇の公演から、稽古、リーディング、
アートイベント、会議、カルチャーワークショップなど、様々な使用法に応える
ポテンシャルを持っています。
緑化された屋上は、演劇・アートなど様々な表現
の公演が上演可能。水道も完備し大人数でのBBQなども開催されています。
そして何と使用時間には制限が無く24時間利用ができるため、滞在しながらの
創作活動が可能です。

説明しづらいので、HPのものをそのまま抜粋しました。
出演者の方、一人も知らなかったので
実験的な意味合いもあるようです。
さすがにどんな舞台か分からないのに3000円払う勇気はなかったのですが
なんと地元在住だと「ご近所割」で500円という
何か申し訳ない値段で入れました。

19時に家を出て、19時10分に入場すると
中には5人位しかいなくて、これだけだったらどうしよう、と心配になりました。
それからぞろぞろ入ってきて
それでも20人位のお客さんでした。
普通のお芝居のような客席とステージの境がひどく曖昧で
初っ端からキャストの人たちが
こちら側に話しかけたり(話す内容はセリフですが)するので
照れくさくなりました。

3部構成で、第1部は1階で上演されるのですが
劇場というより作業場に近いイメージで
窓も普通に開くので、室外の場面はそこから外に出て行うなど
今まで観たことのない演出でした。
一番驚いたのは、交通事故に遭うシーンで
本当にワゴン車がこちらのつっこんできて
そのシーンを再現したことで
これはかなりリアルでした。
プロジェクションマッピングも用いて
革新的な試み満載でした。

第2部は2階に移動し、主人公の部屋と勤め先のカフェの店内を
併設したようなセットでしたが
1部にも増して客席とステージ(もはやステージでもない)の境が曖昧で、
お客さんもエキストラみたいな感覚になれます。
途中で軽いラブシーンがあるのですが
そこをお客さんが取り囲んでいる形になり
AVの撮影会みたいで笑いそうになりました。

第3部は屋上で、屋根もないのでもちろん空調もないので
かなり寒いです。
しかし雨が降っていなくて本当に良かったです。
ところどころで音楽も流して近所からクレームが入らないのか
心配になりましたが、住居ってあまりなかったかなぁ。
向かいのビルにプロジェクションマッピングしたのには
ちょっとびっくりしました。

話は競泳水着という劇団が過去に公演した戯曲らしいんですが
これまでお話したように普通の舞台とは変わっているので
色々考えるというよりは体感する感覚に近く
何か変な気持ちになります。
普通の舞台が他人の出来事だとすると
今回は身内の出来事のような感覚になるのです。

主演の冬美を演じたのが慶雲さんという女優さんなんですが
この方が蒼井優と大島優子を足して2で割ったような感じで
とても魅力的でした。
ググっても彼女に引っかからないので
どこかの劇団に入っているようではないんですが
間違いなく有名になる人だと感じました。
つかこうへい劇団にいた小西真奈美や黒木メイサもこんな感じで
世に出て行ったのだと想像します。
あと冬美の幼少時代を演じていた
北村桃子さんの出番がもっと多くしてほしかったかなぁ。

とにかく新感覚の体験で
毛皮族をはじめて見たとき以来の衝撃がありました。
他のお芝居を観に行ったときも宣伝用チラシが入っていないし
おそらく認知度は相当低いと思いますけど
舞台が好きな人ほど楽しめるんじゃないかなぁ、
でもあまり知られたくないようなそんな気持ちです。

舞台「水の戯れ」

2014年11月08日 21時18分12秒 | 演劇
当初の予定では今日はPUFFYのライブを観に行く予定でした。
しかしヤフオクで3000円辺りで中々落札できず、
昨日までに結局用意できませんでした。
さてどうしたものかと適当にうろついていると
この舞台のチケットが1円スタートで出品されていて
入札されていませんでした。

軽い気持ちで2000円で入札しておいた所、
800円で落札できました。
かんたん決済、発券手数料含めても1000円ちょっとしか掛からず
定価だと6500円なのでかなりのディスカウントオフです。
久しぶりにオークションで得したなぁ、と思える取引ができました。
場所は本多劇場で、しかも前から2列目、通路側と
すごいいい席で、何がなんやらという気分です。


あらすじ

家業を継ぎ、仕立屋をしている男(春樹)。
長らく、死んだ弟の細君(明子)にひそかに思いをよせている。
実弟の妻だったことはむろんだが、
生来のまじめな性格のため、告白できない。
男の気持ちに薄々気づいている女も、
思いを同じくしているようだが、亡夫のことがあるのか、
はっきりとは気持ちを表してはいない。
そんな折り、海外に 仕事の場をもっている、
無頼な兄(大造)が若い中国人の恋人(林鈴)を連れて帰ってくる。
2人の親密なけんかを見るにつけ、男は40を過ぎ、
いよいよと決心を固めつつあるが、
懸念が先だって行動に移すことができない。
ハッキリしない2人の態度と、周囲の勘違いと思いこみも合いまって、
事態は次第に緊迫感を増し、ゆっくりと狂い始めていく。


結論からすると、とても面白かったです。。
岩松さん脚本の舞台はこれまで何作か観てますけど
内容的には今までで一番分かりやすいものでした。
しかし一人一人が何を考えているかとか
何でそんな態度、行動をとったりするかは
いつも通り、あまり理解できませんでした。
チケット代が浮いたので、償い半分でパンフレットを購入し
そこにも書いてありましたが
「わからない女」にあえてしているようです。

春樹の義理の妹にあたる明子は
はじめは見た目からして常識人のように見えるのですが
物語が進むにつれて
一番おかしい人に見えてくるのが興味深いところです。
幸せになるのを自ら拒否してしまう性向があるようで
計算で男を誑かすのではなく
本能的にそういう態度を取ってしまう、
劇中だけでも、4人の男性から好意を抱かれます。(自殺した元旦那を含む)

この明子を演じた菊池亜希子さんっていうのが
その設定に説得力をもたらします。
一発目で登場してきた刹那、
思わず釘づけになりました。
チラシとかHPの写真では何とも感じなかったんですけど
まだこんな魅力的な女優さんがいたとは
世の中は広いものです。

例えば杉本彩みたいな人が魔性の女だったら
記号的すぎて意外性もないし怖くないんですけど
菊池さんみたいな人がそうだとすると
見た目とのギャップでより狂気が際立つというか
男たちが翻弄されるのも頷かされます。
翻弄されるのは男性だけでなく
菜摘という明子を執拗に付けまわす若い女性も登場しますが
彼女も惹きつけられた人物です。

第1幕であんなに春樹は彼女を好きで好きでしょうがなかったのに
春樹と明子は結婚して第2幕が始まるやいなや
もう二人は険悪なムードを漂わせています。
春樹の嫉妬がそうさせるのですが
彼の度量の狭さが目に付きました。
見ている分にはどうしようもない男だなぁと感じるのですが
たぶん自分にもそういう部分があって
それが余計にそう感じさせるのだと思います。

春樹の兄の中国人の恋人・林鈴を演じたのが瑛蓮さんという方なんですが
本当に中国の方かと勘違いする位、違和感がありませんでした。
途中からは彼女がしゃべるだけで笑ってしまう展開でした。
今回の登場人物でダントツで好感度が高く
明子に翻弄されなかった唯一の人物です。
彼女みたいにはっきりとものを言う人が
一番幸せになれるのかもしれません。

張ち切れパンダ「夜食の時間」

2014年11月03日 20時26分16秒 | 演劇
ちょっと前に観た舞台に出ていた天乃舞衣子さんという女優さんが
出演するというので、気にはなっていましたが
いかんせん観たことがない劇団だったので、躊躇していました。
そんな気持ちで昨日劇団のHPを覗いた所、
トラブルがあったみたいで2日の公演が中止となったとのこと。
そうなると逆に行きたくなるあまのじゃくな性格で
いきおいで本日昼間の公演のチケットを予約しました。

場所は「SPACE 雑遊」という新宿にある多目的ホールで
雑居ビルの地下にあります。
前に原宿にあったリトルモア地下を一回り大きくしたようなイメージでした。
そういえば14:00頃、歌舞伎町でビル火災があったみたいですけど
全然気づきませんでした。

あまり早く行って隣に太った人とか体臭がひどい人が隣に座られたりしたら嫌なので
開場してから15分後に中に入ったら
すでにほぼ満席で、一番前と一番後ろしか空いていない状態でした。
最前列は背もたれがなかったので最後列の席にしました。
ラッキーなことに右隣が空席だったので
暗転してから空席の座布団を背中に回して快適でした。

あらすじをネットから拾おうかと思ったらどこにも書いていないので
適当に書きます。(違っている所もあるかと思います。ネタばれもします)



尾上鉄也は実家が小料理屋で、父親が死んだのを契機に
脱サラして跡を引き継ぐ。
鉄也には浩二という弟がいて、一緒に働かないかと誘うが浩二は拒否する。
鉄也がサラリーマン時代に取引先のOLだった石田陽子と付き合っており
彼女は仕事が終わった後に店を手伝う。
サラリーマン時代の同僚だった坂本、その部下の阿久津が常連客となる。
尾上兄弟の幼馴染の奥村絢子は、子供の頃、鉄也のことが好きだった。
絢子の友人、平塚まりえ、藤木リナも常連客となり、
陽子が妊娠していることが発覚する。

上映時間は2時間弱でしたが、それを長いと感じさせないほど
面白いお話でした。
終盤以外はそこまで大きな事件は起きたりしませんが
登場人物の関係性が巧みに構築させており
間延びしないようにしてあります。
リナが絢子のことを好きで、でも絢子は同性愛者というわけではなくて
10歳の頃、鉄也に半ば乱暴されたことにより
男性恐怖症になり、消去法でリナの気持ちに応えていた、
という図式は上手かったです。

潤滑油的な配役として、まりえとバイト店員のマサの二人がいて
この二人が絡むと、基本お笑いのテイストに振っていました。
ただ弟の浩二が出てくるときは湿っぽいシーンが多く
正直いなくてもあまり支障がないのかなぁと感じました。
あと彼はセリフが聞き取れないほどではないんですが
声があまり通らず舞台では致命傷でした。

坂本は大口の契約を結びますが、その見積書の金額が一桁違いというミスが発覚し
その見積書を制作した阿久津を責めます。
さすがにこんなミスをしたことがありませんが
どちらの立場にも感情移入できます。
阿久津というのが所謂ゆとり世代で、仕事の責任感もあまりありません。
できない部下を面倒みる坂本は偉いです、
自分だったら最初から見放していると思います。
逆に阿久津からしたら、坂本というのは面倒くさい相手で
しかもミスを全部部下に押し付けます。
見積書には上長の認印も必要ですし、
大きな意味では坂本のミスでもあります。
阿久津が会社に戻りたくなくなる気持ちも分かります。

陽子は容姿に自信がなく、鉄也にいつ捨てられるか怯えている節があります。
妊娠していたこともまりえが当てずっぽうで言ったことから明かしたほどで、
それでも出産して結婚できるか確信が持てません。
しかし二人は新しい家族を築いていこうとしますが
絢子はそれが気に入らず、二人の前で鉄也との過去の告白します。
そして包丁を取り出し、陽子のお腹の子を刺そうとしますが躊躇い、
逆に陽子に刺されてしまいます。
陽子が動転して店を出て行った後に
絢子は「私が死んだら私を食べて」と言い残し、鉄也に絞殺されます。
最後に鉄也は「いただきます」と言いながら
絢子に近寄るシーンで幕を閉じます。

この最後のシーンを見て、鉄也が本当に愛していたのは
絢子だったんだなぁと思いました。
愛していなければ食べませんよ(愛していても食べないか)
陽子が「(これ位の容姿だったら)気兼ねなく付き合いやすいと思ったんでしょう」って
責める場面があったんですけど、
おそらくこれは図星だったんでしょう。

このエンディングがA案として、B案として自分が考えたのは
絢子を殺めた後に、鉄也は自首しようとするが
陽子にそれを止められて、お腹の子の為にも隠蔽(死体を処理)しようと提案する。
ここで暗転させて、リナとまりえ、坂本、阿久津の常連客が飲んでいるシーンに場面転換し、
サービスと称して彼らに小皿料理を提供する。
みんな「美味い、美味い」と絶賛し、
内臓みたいだけど食材は何か尋ねるが「企業秘密」だと言って教えてもらえず。
定番メニューにした方がいいと提案すると
「在庫があまりないからそんなに出せないな」と鉄也が話すと
まりえが「もしかして(行方不明の)絢子だったりして」と何の気なしに言うと
一瞬場が固まり、「そんなわけないよね」とみんなで笑って終わり、
というのが面白いと思ったんですけど、どうでしょうか。

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