私は学生時代に山小屋で働きたかった。
春に山用品のお店に行くと色々な山小屋のアルバイト募集のパンフが置いてあった。
山小屋で疲れた登山者に「お疲れ様ぁ!」って声を掛けて迎えたい。
せっせとご飯やお弁当を作りたい。
周りの登山道や階段の補修も手伝いたい。
お休みの日には山歩きしたい。
夢に描いていた。
登山者や山の為に一生懸命働きたい。
ご飯さえ食べさせてくれたら無給でもいいとさえ思って夢見ていた。
でも昔は女の子が家を離れて泊まり込みのアルバイトなんてなかなか許してもらえなかった。
そんなこと我が家ではとんでもない話で、両親に頼んでもみなかった
横岳から硫黄岳に向かっていると
若い男性が作業されていた。
硫黄岳山荘のスタッフだった。
霧雨の降る中、登山道を示すロープを張る作業をされていた。
硫黄岳山荘に着いたら若い女性がボンベを担いで下山するところだった。
私「えぇ~このボンベを担いで山を下るの
」
女性「中は空のボンベですから、見た目ほど重くないんですよ」
ウヒィィ(;゚;Д;゚;)ィィイィ!!
ショイコだけでも3キロほどある。
軽くても20キロはあるだろう。
すごい!!
私はこの後下りながら彼女のことを何度も思い出した。
彼女はボンベを担いでここも下ったのだろう、
ここも歩いただろう・・・、何度も思い出した。
すっごいなぁ!!
私が若くてもそこまでは出来たかどうかわからない。
でも若いうちにしかできないことってある。
筋力や体力のある若い時に山小屋の仕事がしたかった。
これは私の大きな後悔なのだ。