草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

ヒヨドリ姉妹

2023-03-09 08:16:58 | 草むしりの得意料理

ヒヨドリ姉妹

 庭に咲く満開の椿もいいのだが、山の中にひっそりと咲く藪椿の花には風情がある。

 子どもの頃、藪椿の赤い花を口にくわえて蜜を吸っている私と姉を見て、父は「頭の黒いヒヨドリたち」と呼んだ。

 まったく子煩悩な人であった。

 さてヒヨドリたちも大きくなり歳を取ってしまった。今では椿の蜜は吸わなくなったが、ヒヨドリ根性そのままに野菜をよく食べる。

 ほうれん草はとっくに食べつくし、小松菜や水菜や白菜はとうが立ってしまった。食べられる野菜はないかと畑の中を捜しまわり、ヒヨドリみたいだと苦笑いする。椿の蜜を吸う可愛いヒヨドリは、同時に野菜や果物を食い荒らす困りものだ。

 さてこの時期、ヒヨドリ姉妹の食卓に頻繁に登場するのは、畑の隅に植わっている「のらぼう菜」である。おもに東京都の西多摩地方や埼玉県飯能市周辺で栽培されており、アブラナ科アブラナ属の野菜である。

 ブログの相互フォローをしている「たけじいの気まぐれグログ」にも、時々登場する。

 茎の部分が甘くておいしくい。さっと湯がいて細かく切り、そのまま何もつけずに食べるのが、ヒヨドリ姉妹の食べ方である。


私を決心させたひと言

2023-03-07 16:25:33 | 健康管理

私を決心させたひと言

 何気なく言った言葉が相手を傷つけたり、怒らせてしまったことはないだろうか。しかし今回私は、自分が言った言葉に、自分が傷ついてしまった。

 ある日長女がスナック菓子をむしゃむしゃ食べていた。ほんの一口のつもりが後を引いたのだろうか。第二子を出産したばかりなので、ストレスも溜まっているのだろ。

 もうやめさせたいのだが、なんと言ったらいいのか。言葉を選ばなければ、産後のナイーブな心を傷つけたら大変だ。

「いいの?私みたいになっちゃうよ」

 考えに考えた末に言った。

 娘はそれを聞くなり即座に菓子を食べるのをやめた。以来娘がスナック菓子を食べているのを見たことがない。

 なんと説得力のある言葉だ。しかしそんなに私みたいになりたくないのか……。

 私がダイエットを決心したひと言である。


まずその前に

2023-03-07 07:08:46 | 草むしりの幼年時代

まずその前に

 麹も大豆も用意できた。明日は味噌をつくる。でもまずその前に、甘酒を仕込まなければ。

 牛乳、豆乳、甘酒。昔から色の白い飲み物が好きだった。とりわけ甘酒は大好物で、子供の頃は母によく作ってもらった。

 さて私の母の実家は、農家の傍ら酒の小売店もやっており、店番は祖母の仕事だった。祖母はどっしりと太った人で、愛想はあまりよくなかった。

 ある時なぜか祖母と私が、店にいたことがあった。その時ちょうど酒屋から配達あり、一升瓶が木箱に入れられて配達された。その中に白い色をしたお酒があった。例えて言うならポカリスエットみたいな色をしていた。

 もちろん当時はポカリスなんてなかったので、なんだか色の薄い甘酒みたいなものだと思った。見るほどに甘酒のように見えて、これはきっと甘くておいしいものだと思った。飲んでみたい。という願望にかられ、祖母に謎をかけてみた。

「祖母ちゃんこれ何?おいしいんかい?」

「これはどぶろくちゅうて、貧乏人が飲む酒じゃ。うまいことも何もありゃせん」

 祖母は怒ったような口調で言った。

「どぶろくか。飲ましてくれそうにないなぁ。大人になったら絶対あれを飲んでやる」

 私は子供心に決心をした。だが未だにどぶろくは飲んだことはない。


次回はいつのことやら

2023-03-06 06:55:33 | 草むしりの得意料理

次回はいつのことやら

 もったいないと思うからだろうか、それとも趣味なのだろうか。姉はなんでも冷凍する人である。時々は私がチェックして、古いものは捨てたりする。

 今回は冷凍庫の隅でカボチャ見つけた。ちゃんときりそろえて、皮もきれいにむいている。ポタージュスープにして、早いところ食べてしまおうということになった。

 果たして翌朝、変な色のポタージュスープが出来てきた。冷凍していたのはカボチャではなく柿だったというのだ。冷凍した本人もカボチャだと思い、玉ねぎと一緒にバターで炒めてしまった後に気づいたそうだ。

 「普通、柿は冷凍するか?」と思ったものの、昨年の柿の大豊作を思い出すと、それもあるかなと思った。どこの家の柿も鈴なりで、自身がつけた実の重さで枝が折れそうだった。それで食べきれずに冷凍したわけか。

 さて肝心のスープのお味であるが、意外とおいしかった。また飲んでもいいかな……。

 しかし昨年のような大豊作でなければ、柿の冷凍など思いつかなはずだ。あんな年は十年か二十年に一度くらいしかない。するとこんど柿のポタージュを飲めるのは、十年か二十年後になるかもしれない。

長生きしなければ。

 


「椎茸終い」

2023-03-05 08:37:47 | 草むしりの得意料理

「椎茸終い」

 当地は昔から椎茸の原木栽培が盛んな地域である。我が家でも昔から自分の家で食べるくらいの椎茸は、栽培していた。

 秋にクヌギの木を切り倒してそのままに放置しておき、翌年の二月から三月にかけて、120センチくらいの長さに切りそろえて植菌する。

 当地では植菌のことを「駒うち」と呼ぶ。ドリルで穴をあけて種駒を金槌で打ちこむ。コンコンと駒を打ち込む音が、山々にこだまする。

 駒打ちが終わると、次に「伏せこみ」という作業を行う。植菌した原木をひと所に寄せ集めて寝かせておくのだ。適度に隙間を空けて木を斜めに組み合わせ、上は原木に使った残りの小枝をかぶせて二夏(ふたなつ)過ごさせる。

 それから稲刈りが終わったあとに取り出して、杉山などの少し湿気た場所に並べる。そこでやっと椎茸が芽を出すのだ。

 けっこう時間と手間のかかる仕事だし、力もつかえば、原木伐採の時には危険も伴う。後継者不足のために辞めてしまう農家も多い。

 我が家でも、今回の仕事を最後とした。「椎茸じまい」である。

 ただクヌギの切り株からはわき芽が出てくる。そのまま放置しておけば、数年後には大木になってしまう。隣合わせに住宅があり、台風で倒れでもしたら、すみませんではすまなくなくなる。

 今後二・三年は芽を全部摘み取って、最終的にクヌギを全部根絶やしする仕事が残っている。辞めるにしても始めるにしても、手間のかかることだ。

それでも椎茸はおいしい。揚げと一緒に炊きこんだ「椎茸飯」は末娘の大好物でもある。