みおさんのブログで、
こんな話題が。
青森大学が、今年度から大学全体で、学生の代返防止に携帯電話を使って出欠を取るんですと。「何だそれは、ケータイ持ってないヤツはどうすんだこの野郎。電話嫌いだっているんだぞ。どうしても持たせるならテメーらで金払え、ぁあ!?」と因縁つけてもしょうがないのであるが、「そこまでやるかね」というのが正直な感想である。そこまでしないとまともな出席が望めない授業っていうのは、やっぱり教員の指導力に問題があるんじゃなかろうか。学生側の授業に対する意識の低さの問題も無視はできないが、やっぱり授業が面白ければみんな休まず出てくるものである。
私なんぞは「高い学費払ってんだから出なきゃもったいねぇー!」というケチかつ卑しい精神で4年間皆勤を通したが、面白くてわかりやすい授業なんてほんの一握りであり、大概の授業は「面白かったけど結局わからなかった」か「つまらなかった上にわからなかった」かのどちらかであった。ひどいのになると、教授が年のせいか発音が不明瞭で「何を言っているのかすらわからない」授業だってあったのだ。その教授は人間的には愛すべきキャラクターだったが、あれには参った。
まずは授業の工夫で学生を惹きつける努力をすべきだろう。機械的に出欠管理を強化したところで「内職」する学生が増えるのがオチであり、本質的な問題解決にはならないのだ。みおさん同様、「大学において教授と学生は、出席率よりもお互いの中身で勝負するもの」であろうと思う次第である。もっとも、実際そうなっていたらダメ学生だった私は卒業できていなかったかも知れないが(爆)。
少なくとも、私の恩師アオチュー教授の授業において、不マジメな輩はいなかった。教授の威厳も多少はあったろうが、それにもまして授業が面白かったからだ。教授は早稲田大学在学中、
小沢昭一らと共に
落語研究会を創始したほどのお方である。だから、しゃべりが抜群に上手い。聴衆をあっという間に「アオチューワールド」に引き込んでしまい、5分に1度は笑わせる。私は寄席で落語を聞いたことがないが、教授の授業は毎回独演会に行っているようなものであった。ただ面白いだけではなく、話の一つ一つが実に奥深い。今思うと、知識よりも人としての生き方について深く学んだように思う。今でも、私の尊敬する人物の一人である。
一度、「オレの授業に興味があるヤツがいるんなら、別に他の大学の学生でもいいから誰でも連れて来い」と言うので、他校どころか大学生でもなかった
風爺ぃ氏をゼミの授業に連れて行ったこともある。今考えたら「授業に部外者大歓迎」だなんて、学生課が聞いたら黙っちゃいないであろう非常識な話だが、教授は「教えることはオレの天職だ。学生かどうかなんてどうでもいい。学びたいヤツには誰にでも分け隔て無く教えてぇんだヨ」と笑っていた。大学を定年退職した今でも、いくつかのカルチャースクールで講師を務め、生徒を笑わせ続けているらしい。
アオチュー教授は尊敬しているが、かなりのオモシロ人間でもあった。今後、ちょくちょくアオチュー語録や珍談奇談をご披露させていただく予定である。
アオチュー語録その1
「人生困ったことがあったら、何でもオレに聞け。ただし、数学以外な」