オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

マスコミ報道を考える

2011年03月26日 | Weblog

東日本大地震でマスコミの大暴走

 与えられた情報源から情報を得て、この情報に基づいて部外から評論家を招いて無責任な評論を繰り返す。マスコミ自体は素人を装った第3者(視聴者の代表)を気取って番組を展開する。事実は事実であるが真実を追究することなく視聴者の興味をそそるような内容の記事で騒ぎ立てる。そして、同じ様な内容を繰り返し重複を無視して垂れ流している。このような報道は害を及ぼすばかりである。もっと冷静で、報道内容に責任をもてる、重要度に応じた、視聴者の側に立った、真実を追究する報道に徹してもらいたいと思う。視聴者が本当に欲しているのは興味をそそる内容やデマではなく、真実が何なのかである。事実は事実としてその先にある真実を究明する事である。真実を知るための事実でもある。

1%の事実があっても、あとの99%を語るものではない。

 1%の事実をもって99%の真実を無視するものでもない。たとえ99%の真実が不明であっても、1%の事実でもって真実を語ることはできない。それなのに1%の事実が真実である事を一方的に信じて疑わず、1%の事実を真実として報じ続けるのは間違っている。その1%の事実が全体の中でどのような位置を占め、どのような重要性があるのかを判断して報じるのが「責任ある報道」である。その判断に責任を持つのがマスコミの使命であり役割である。政府の機関が、関係機関が記者会見して情報を提供したからと言って、これを分析も評価もせず、ただ単に受け売りで報道し、これに対する評論を部外の評論家に任せてしまうのは責任回避の何者でもない。しかもその評論の結果がどのような影響力を持つのかの判断さえ皆無である。少なくともマスコミの報道姿勢くらいはしっかりと保持して報道してもらいたい。

例えば、ある食品に100匹の大腸菌が発見された時、

 「100匹の大腸菌が発見されました。」と大々的に報道されれば、誰もこの食品を食べようとはしない。ところが、現実は大腸菌はそこらじゅううようよしているのである。確かに100匹の大腸菌が存在した事は事実だし、測定結果も権威ある機関で実施したのなら正しいのだろう。しかし、冷静に総合的に考えると身体に与える影響はほとんどない。体の中は大腸菌で満ち溢れている。大腸菌は他の細菌が混在する可能性の指標に過ぎない。不衛生な状況では大腸菌が混入する機会が多くなるし、不衛生な状況では他の有害な細菌も混入する可能性が大きくなる。大腸菌は大きいので発見が容易なため衛生状態の指標に使われる。ところが、「大腸菌」と聞くと一般の人は「気持ち悪い」と言って敬遠してしまう。そのような中にあって「100匹の大腸菌が発見されました。」と大々的に報道する必要があるのだろうか・・・。どう考えても必要ないし、風評被害を招くだけで、ただ単にこの不衛生な状態を少し改善すれば済む話である。

今回の原子力発電所災害の復旧作業で放射線熱傷があったと言う。

 マスコミの論調に、作業員の不注意だったと言う主旨の内容が見受けられたが、これは間違っている。作業員は危険を顧みず生命を賭して作業を実施しているものであり、放射性熱傷もある程度覚悟の上で作業を敢行しているのであろう。そういう意味で現場感覚に欠けた報道だと思う。火災現場で消火作業に当たっている消防士がやけどを負ったからといって大々的に報道されることはない。原子力災害だからこそ過激に反応しているのだろうが、放射線熱傷について冷静に判断してもらいたいし、新たな事実が発生すると何でもかんでも無思慮に大々的に報道するが、このことによってどれだけの人達の不安を増長し風評被害が拡大するかについても少しは考えてもらいたい。報道するなとは言わないし、事実を曲げろともとも言わない、重要度に応じた適切な報道をお願いするものである。

原子力発電所災害で最初の頃「メルトダウン」と早とちりした報道があった。

 「メルトダウン」という言葉は刺激的でインパクトがあるが、用語は適切に使わないととんでもない事になる。海外では一時「メルトダウン」と聞いてパニックに陥った。日本在留の外国人を海外に避難させる大騒動になった。「メルトダウン」とは核燃料棒が溶解して核燃料そのものがむき出しになった極めて危険な状態であるが、今回の事故では核燃料は自動的に格納され、新たな核反応は停止している状態で、反応の余熱による高熱を冷却する装置が作動していない状態であり、この高熱による新たな損傷が懸念されており、その対策を必死になってやっている状態である。発生する放射能も冷却のため循環していた水による間接的なもので、核燃料そのものからの直接の放射能ではないと理解している。確かに放射能が放出されたのは確かであり、周辺の測定値が高くなるのは当然であり、測定値は継続的に注視する必要はあるが、必要以上に騒ぎ立てる事はないと思う。放射能のレベルは少ないに越したことはないが、一時期だけであればあまり問題ない。これが放射能レベルが高いままで沈静化せず長期間にわたって継続すると問題になってくる。早く発生源が制御可能な正常な状態に復帰することを祈るのみである。


今回の東日本大地震で被災地にもかかわらず報道されない地域がある。

 中央に情報が伝わっていないし情報不足なのである。情報がなければ報道できないと思っているのだろうが、マスコミ自身で情報活動をしようとはしないのだろうか・・・。情報網や情報収集能力については政府よりも充実しているはずである。災害が発生した当初は困難であろうが、すでに2週間以上も経っているし、交通網もある程度回復している。情報を収集する事も災害復興の重要な要素である。これに貢献するのもマスコミの重要な役割だと思うし、被災地への情報発信の手段を確保するのもマスコミの役割だと思う。中央の政府機関の情報源に頼ってばかりで自ら情報活動を積極的にしないのには何かおかしいと思う。単なるスピーカーにならないで、またトピックスばかりを追いかけないで、被災地も含めた全国の視聴者に本当に必要な情報を求めて発信してもらいたい。


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