宇ゐの里山徒然記

町屋暮らしの後、2013年10月北山杉の里、右京区京北町に移り住みました。
周辺の紹介と暮らしの事など綴ります。

紅葉の退蔵院へ

2005年11月30日 | 京都風景
妙心寺の中にあるお寺の一つに『水琴窟』で有名な『退蔵院』がある。
今日はウィークデーのせいかそれほどの人出でもなかったので
チャンスとばかりに400円を払って入る。
さぞかし立派なしつらえのなかにその蹲(つくばい)はあるのかと思ったら
意外にも庭園への道の脇から少し入ったところにこじんまりとあった。

水をひしゃくですくってたらすと澄んだ水音が甕に響く。
お堂での読経をBGMになんともささやかながら上品な音色であった。

枯山水庭園も狩野元信の作とのこと。
さすが画家の作だけあって構図が美しかった。
下の写真は地下水を循環させて小さな滝もある「余香苑」という庭園。
春には大きなしだれ桜から藤棚へとみごとな花景色が楽しめるそうだ。


私のほかには二組しかいないひっそりとした院内であったが
ふと思い出して庭の掃除をしていたおじさんに話しかけた。
我が家の庭に生えている苔を踏まずにどうやって落ち葉をとったり雑草を抜いたり
できるのか、庭の掃除をしていた時にぶつかった疑問であった。

さしずめ奥に生える雑草を前にして
プラスチックケースのふたを被せているバナナを取りたいサルの心境だったのである・・

それがおじさんのレクチャーで一挙解決
苔の間の雑草は左手で苔を押さえてピンセット!で抜くそうである。
基本的に苔は単に踏んだぐらいでは死なないので
夏場以外は苔を踏んで奥へいくそうだ。
夏は苔も乾燥しているので踏むと折れて枯れてしまう。
その場合は朝か夕方に水を充分まいて湿らせてからなら大丈夫とのこと。
なるほど~~~ 

問題は落ち葉である。
我が家のような所は手で拾いに踏み込む事ができるが、おじさんの仕事のように枯山水の筋がつけられているような庭は踏んで入っていくことができない。
さて どうするのか・・・

必殺技があった。
これまた気の遠くなるような作業だが長い棒の先に釘のような尖った針がつけられているもので
葉っぱを一枚一枚突いて串刺しにするらしい。
ただし丸い形の葉っぱは比較的楽だそうだがタイヘンなのは楓や紅葉のチリチリとした葉っぱである。
・・・・確かに・・・・
でもおじさんは心よく実演してくれた

   ↑ この棒の先に長い釘がテープでとめてある。

これで庭の問題も解決できて意義ある散策となった。

妙心寺は紅葉の名所としてはマイナーな方かもしれないが
それでも各お寺(妙心寺の中に47院ある)の入り口や庭にはほとんど全部といっていいほど紅葉が見れるのだ。
東福寺などの全山真っ赤な紅葉というのもいいが
私はどちらかというと 緑の中にひっそり色づいている紅葉の方が風情があると
思っている。


  妙心寺内『桂春院』




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3 コメント

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sleepy-y@mbox.kyoto-inet.or.jp (うみうま)
2005-12-01 10:39:39
すっご~い おじさん、わざですね 町家住人に、なんか、小冊子にして配りたいような… 
返信する
Unknown (ラブコさん)
2005-12-02 13:32:18
キレイですね~。紅葉!

やはり風情があってイイですね。

オジさんの地道な作業はやはり何100年も続いてきたのでしょうか?
返信する
シンプルな方が^^ (宇ゐ)
2005-12-02 22:47:37
妙心寺の中の道に落ちている落ち葉を敷地があまりに広いので掃除機の親分みたいなもので掃除していましたが、時代の流れでしょうか・・・文明の利器というものなのでしょうか・・・でもやっぱりおじさんのように丁寧に落ち葉を取る方法は昔からやっていたんでしょうね。枯山水の筋の入れ直しは1週間に一度されるそうですがお客さん多い時に落ち葉を1週間放置できませんものねぇ。 
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