宇ゐの里山徒然記

町屋暮らしの後、2013年10月北山杉の里、右京区京北町に移り住みました。
周辺の紹介と暮らしの事など綴ります。

お能を楽しむ入口

2015年08月18日 | 京都の文化・工芸のこと
(タイトル)・・・を探していた。

着物に関することを仕事にしている為
何かと伝統芸能の世界の人とは関わり合いがある。

京都へ来てからかなりの年数が経っているが
お能の舞台を鑑賞したのはわずかに数回。
それも何を観たのか記憶に薄いほど。

でも、ひそかにいつか楽しみ方を知りたいと思い続けていた。


今回、仕事からのご縁で能楽師の宇高竜成氏のお稽古場を訪ねることが出来た。

目的は、着物好きの方たちへのワークショップや食事会などを企画するためと
こっちが本流だが、自分がお能を楽しむ“つかみ”を探しに(; ̄ー ̄A

年齢的にも、京都という街の概要がつかめている時期としても
いいタイミングの気がした。


同行者を伴って伺ったが
宇高氏もほぼノープランで私達が知りたいことに答えてくれるという状態からのスタート。

能楽の位置づけや、能面の話、そして能衣装の話。
歌舞伎や狂言との違い、女性も能楽師になれ、舞台にも上がるという背景なども。




能楽についての知識や情報はたくさんのサイトで紹介してある。
それらを読んで、演目の背景やストーリーも知った上で鑑賞に行くことが望ましいが
それでも自分の興味の矛先が定まらなくては
どこで何が変化したのか、終わりがどこなのか、
ぢーっとたたずむ動き(?)が何を表現しているのかなど
やはり意識の置きどころが困ることになる。

今回はやはり衣装を拝見するところで話は佳境にはいった。
唐織の織物の衣装は見事で間近に見ると圧巻。



柄は秋草と扇に流水。
演目の情景とを合わせながら着用するとのこと。
能装束も舞台上の謡や動き、面と同様重要な役割。


能のストーリーはそもそもオチはない。
あくまで情景を楽しむのだということが今回のことでわかった。
その時代、その場所の情景を観て聞いて感じる場である。
いろんなファクターで理解をするというよりも
もう少し深いところで情景を身体全体で感じる芸能なのだと思い始めたら
にわかにいろいろな演目を観たくなってきた。


最後に宇高氏が
猩々(しょうじょう)』の一部を舞ってくださった。
とてもよく通る心地よい声と、静かな動きだ。







能楽鑑賞の醍醐味を少しずつでもわかっていくのには時間はかかるが
恐らくこれからいろんな機会を作って追いかけていくことになるだろう。

まずは舞台の予定に入っている演目と能楽鑑賞の為のワークショップを
企画させていただけると嬉しい。

目標は来年3月の宇高竜成氏主宰の会。
そしてそれまででも折に触れ公演へ行けたらと思う。

謡を聞き慣れること。仕舞の情景を知っておくことなども必要かな。


最後ですが宇高竜成さんに貴重なお時間をいただき
楽しいお話し、舞、能面・能装束を拝見できましたこと
すべてに感謝いたします。


宇高竜成氏ウェブサイト
TED×Kyotoの宇高竜成氏のプレゼンテーション

能楽関連参考サイト

◆『The能.com

◆『金剛能楽堂


最後に能面写真をば。

         


コメント
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