映画二本鑑賞。
母のおもかげ(1959) 清水宏
「戦前戦後東京活写」特集の一本。
清水宏は子供を使うのが上手いそうだが、監督としては横暴だったとか。
小津安二郎の親友である。
笠智衆は、清水宏監督はもっと評価されるべきと著者に書いていた。
内容は、継母をなかなか「お母ちゃん」と呼べない子供の話。
鳩を逃がしちゃった継母の連れ子を、ボコボコに殴ったり噛みついたりするシーンは強烈だったが、なんか気持ちわかるわ~。
この時代、子供の気持ちなんか少しも考慮されず、全部大人の都合と勝手な思い込みだったね。
私が子供の頃でも、まだそういう部分はあった。
そういうのを我慢し続けて、ついに爆発しちゃったんだろうね。
淑女と髯(1931) 小津安二郎
坂本頼光さんの活弁、神崎えりさんのピアノ伴奏付。
配信でサイレントでは見たことがある。
完全にコメディであり、小津映画によくある、笑えるけどしんみりするところはあまりない。
頼光さんの説明がめちゃ面白かった。
途中とてーも気持ちよさそうに鼾かいて寝てる人が
(この鼾いつまで続くんかい)と内心ちょっとイラッとしていた。
それが就職面接のシーンだったのだが、そこで頼光さん、
「面接を前にして、鼾をかく人など1人もおりません!」と言ったもんだから場内大爆笑。
さすがに鼾の人も目覚めたようで、以後は鼾も聞こえてこなかった。
頼光さんホント素晴らしい
このところ毎年の行事となった、連休の神保町シアターの活弁。
次回が楽しみだ。