SNSの失言で炎上するのは政治家や有名人だけと思っていませんか?
無名の一般女性の人種差別的ツイートが、
史上最悪の大炎上に発展した「ジャスティン・サッコ事件」。
この事件はなぜ起きたのでしょう。
目下話題の新刊
『アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略』
(飛鳥新社)のベン・パー氏が真相に迫ります。
●なぜフォロワー数200人のツイートが、史上最悪規模で炎上したのか
ジャスティン・サッコは、歳は30代なかば、
数々のオンラインサービスを傘下に置く
IAC/インタラクティブ・コープ社の広報部長として手腕を発揮していた。
だが、広報のプロとしての経験も、
ツイッターの世界の容赦ない攻撃から彼女を救ってはくれなかった。
2013年12月の金曜日、午前10時19分。
南アフリカにいる家族を訪ねるため、
ロンドン発ケープタウン行きの飛行機(フライト時間は11時間)
に搭乗する直前、サッコはこうツイートした。
アフリカに行くところ。エイズにならないといいけど。
なんてね、冗談よ。私は白人だもの!
サッコのこの悪趣味なジョークはあるブロガーの注意を惹き、
そのブロガーはサッコのツイートについてひと言投稿した。
サッコのフォロワーは当時200人程度だったが、
フォロワー数が少ないからといって
ツイートが拡散しないとはかぎらない。
互いにフォローし合っていることが多い
有名ジャーナリストたちが、サッコのツイートに注目し、
不信感を投稿しはじめた。
そして各ジャーナリストのフォロワーが
サッコとその不適切なツイートについて
ツイートしだすのに時間はかからなかった。
何分後かには、サッコを解雇せよという声が吹き荒れはじめた。
「ジャスティン・サッコはクビだ。エイズになっちまえ」。
あるツイッター・ユーザーは過激につぶやいた。
〈バズフィード〉のようなニュースサイトも、
問題のツイートが急速に広がる状況を記事にした。
●炎上に気づかず、会社をクビに……
こうしたことすべてが起きているあいだ、
本人のツイートは消されず残っていた。
彼女は飛行機のなかにいて、
自分を取り巻く大嵐に気づくことなく、
のんびりとすごしていた。
サッコのツイートから7時間がたったころ、
ハッシュタグ#HasJusineLandedYet
(ジャスティンはまだ着陸していないのか)
が急速に伸び、
またたく間に国際的なトレンドトピックとなった。
勢いづいたツイッター・ユーザーは
サッコの乗った便と着陸予定時刻のわかるサイトをツイートした。
1、2時間のうちに、女優のケリー・ワシントンから、
機内インターネットサービス
〈ゴーゴー・インフライト・インターネット〉、
慈善団体エイド・フォー・アフリカまで、
膨大な数の人が#HasJusineLandedYetをつけてツイートした。
この慈善団体は抜け目なくJustineSacco.comを登録し、
アクセスしてきた人を団体の資金集めページに誘導した。
みんなが知りたくてうずうずしていたのはただひとつ、
「着陸したらサッコはどうする?」だった。
その期待感は後戻りできないレベルまで高まった。
ジャスティン・サッコが着陸する時点で、
ダメージはすでに回復不可能だった。
本人がツイートを削除したところで、
なんの解決にもならない。
あるツイッター・ユーザーは、
空港でサッコを探し出し、彼女の写真だけでなく、
父親から叱責されている様子をツイートした。
#HasJusineLandedYetのついたツイートは24時間で10万を超えた。
サッコの勤め先であるIACは、
サッコを無神経さと良識の欠如を理由にただちに解雇した。
翌日、彼女はABCニュースに謝罪声明を出した。
ここ(南アフリカ)は父の出身国で、私もここで生まれました。
南アフリカとのつながりを大切に思い、何度も訪問してきました。
私の発信で多くのかたがたに――南アフリカの皆さん、
私の家族、友だちに――痛みを与えたと知り、
本当に申しわけなく、後悔にさいなまれています。
不快な思いをされた皆さまに心からお詫びいたします。
#HasJusineLandedYetにまつわる物語は、
巻きこまれた人全員にとって不幸だった。
サッコのツイートはたしかに悪趣味だったが、
だからといって彼女が「殺すぞ」とか
「レイプしてやる」という脅迫にさらされていいわけはない。
●なぜ、もっと知名度のあるセレブの人種差別ツイートは炎上しなかったのか
人種差別のジョークをツイートした人はほかにも大勢いる。
実際、サッコの騒動のさなかに、
大御所コメディアンのスティーブ・マーティンは
フォロワーから「ラゾニア(lasonia)」の綴りを訊かれ、
こうツイートしている。
状況によるね。きみはいまアフリカ系アメリカ人の地域にいる?※
それとも、イタリアンレストラン?※
アフリカ系の女性の名前には
「ラゾニア」のような響きのものがよくある
なぜ、ジャスティン・サッコはあれほどの大炎上になり、
もっと知名度の高いスティーブ・マーティンはそうならなかったのか。
答えは簡単。
マーティンはサスペンスが生まれる余地を与えなかったからだ。
数分以内にツイートを削除し、謝罪を投稿した。
彼の物語は、騒ぎに便乗したがる者の目にとまらないうちに、
始まって終わったのだ。
だがジャスティン・サッコは?
人々が飛びつき、予測し、期待する時間がたっぷりあった。
インターネットにアクセスできない空の上では、
元広報部長の手腕をもってしても、
ダメージをコントロールすることはできなかった。
そのため、サッコがどう反応し、
どんな言いわけをするのかというサスペンスが増大しつづけ、
何千というツイッター・ユーザーが、
着陸したサッコの決定的瞬間を目撃しようと
寝ずに待っていたのだ。
●大衆が求めるのは
「サスペンスが盛りあがる、フレッシュなネタ」
サスペンスとは、
解決されていない謎に直面したときに感じる
興奮や不安や緊張の状態を指す。
不安を作り、解決を期待させて、
人の心をつかむサスペンスを生み出すことができる。
ミステリー作家は実際にそうしている。
作中に手がかりをひそませ、
最終的な結末は不確実にしたままでプロットを進めていく。
ジャスティン・サッコのケースでは、
彼女が空を飛んでいるあいだに、
新しい情報が明らかになり、
サスペンスがさらに盛り上がった。
たとえば、あるツイッター・ユーザーは
サッコの過去のツイートから不穏当なものを探し出し、
別のユーザーはサッコの搭乗便とその着陸予定時刻を突き止めた。
こうした積み重ねで、
物語はツイッターの世界で新鮮に保たれたのだ。
-後略-
-cakes 3月31日(木)18時0分配信-
昨日の私の日記
『「花見の場所取り」で
建設大手・日揮に苦情 広場の大半を5日間にわたり占拠
批判受けて謝罪・撤退へ』
に引き続き、
ネット拡散のもたらす社会的影響力の怖さについて
取り上げたい。
『保育園落ちた。日本死ね!』
のブログが国会論議の場にまで登場し
政府の政策に大きな影響をもたらした現象は
未だに尾を引いている。
これらの社会現象には
ひとつの共通した要因を見つけることができる。
それは読む者の『感情に訴える』土壌が
そこにあると云う事だ。
度を越えた花見の場所取りを批判するツイートも
保育園落ちたも、読んだ人に怒りを伝播させるような
強い力を感じる。
社会一般の共通認識(良識)に対し、
暗に共感を求める意図をその怒りの中に感じる。
ブログやツイートではないが
今日のニュースネタを探していたら
気になるこんな話題がピックアップされていた。
≪「精神鑑定受けた方が」札幌自民市議がヤジ≫
≪「1回戦負けしろ」滋賀県議が釈明会見、
謝罪の言葉なく辞職も否定≫
≪保育園落ちたブログ
山田宏・元次世代の党幹事長
「生んだのはあなた。育児は親の責任」と発言≫
いずれも社会正義に訴える記事であり
怒りの感情を掻き立てるものだ。
実際私も今日まで自分の日記の中で
そうした感情に訴える記事にまんまと乗っかり
感想や意見を述べてきた。
しかし絶えずそうしてネットという公の場に
自分の意見をぶつけるような内容の話題をアップすることに
私なりの緊張とプレッシャー、不安を抱えてきた。
誰しも自分の吐いた発言が炎上するのは恐い。
しかし自分の意見に対し、
絶えず緊張感と責任感をもって臨めば
例え炎上したとしても後悔はない。
餌食になったのは常に
無責任な発言を吐いた人たちや
怒りを駆り立てる行為を行った人や組織だ。
人にはそれぞれ立場や考え方の違いがある。
それらを尊重したとしても看過できない意見や行為は、
社会正義という怒りの感情が大きなうねりとなり、
炎上という現象を引き起こすことを
常に念頭におくべきだ。
私も怒りの感情から
つい行き過ぎた発言をしてしまったと後悔することが
何度もあった。
しかしそれらの発言についても
表現に対する程度の問題であり、
本質そのものを後悔したことは無い。
今日のニュースを取り上げたことを機に
これからも自分の意見に自覚と責任をもった日記を
アップしていきたいと改めて思った。
日記に取り組んでいるとき以外は
いつも下世話なことしか頭にないオヤジが一句。
炎上を 体験したい 気もするし
(嘘~!!やっぱり嫌だ~!)
お粗末。
無名の一般女性の人種差別的ツイートが、
史上最悪の大炎上に発展した「ジャスティン・サッコ事件」。
この事件はなぜ起きたのでしょう。
目下話題の新刊
『アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略』
(飛鳥新社)のベン・パー氏が真相に迫ります。
●なぜフォロワー数200人のツイートが、史上最悪規模で炎上したのか
ジャスティン・サッコは、歳は30代なかば、
数々のオンラインサービスを傘下に置く
IAC/インタラクティブ・コープ社の広報部長として手腕を発揮していた。
だが、広報のプロとしての経験も、
ツイッターの世界の容赦ない攻撃から彼女を救ってはくれなかった。
2013年12月の金曜日、午前10時19分。
南アフリカにいる家族を訪ねるため、
ロンドン発ケープタウン行きの飛行機(フライト時間は11時間)
に搭乗する直前、サッコはこうツイートした。
アフリカに行くところ。エイズにならないといいけど。
なんてね、冗談よ。私は白人だもの!
サッコのこの悪趣味なジョークはあるブロガーの注意を惹き、
そのブロガーはサッコのツイートについてひと言投稿した。
サッコのフォロワーは当時200人程度だったが、
フォロワー数が少ないからといって
ツイートが拡散しないとはかぎらない。
互いにフォローし合っていることが多い
有名ジャーナリストたちが、サッコのツイートに注目し、
不信感を投稿しはじめた。
そして各ジャーナリストのフォロワーが
サッコとその不適切なツイートについて
ツイートしだすのに時間はかからなかった。
何分後かには、サッコを解雇せよという声が吹き荒れはじめた。
「ジャスティン・サッコはクビだ。エイズになっちまえ」。
あるツイッター・ユーザーは過激につぶやいた。
〈バズフィード〉のようなニュースサイトも、
問題のツイートが急速に広がる状況を記事にした。
●炎上に気づかず、会社をクビに……
こうしたことすべてが起きているあいだ、
本人のツイートは消されず残っていた。
彼女は飛行機のなかにいて、
自分を取り巻く大嵐に気づくことなく、
のんびりとすごしていた。
サッコのツイートから7時間がたったころ、
ハッシュタグ#HasJusineLandedYet
(ジャスティンはまだ着陸していないのか)
が急速に伸び、
またたく間に国際的なトレンドトピックとなった。
勢いづいたツイッター・ユーザーは
サッコの乗った便と着陸予定時刻のわかるサイトをツイートした。
1、2時間のうちに、女優のケリー・ワシントンから、
機内インターネットサービス
〈ゴーゴー・インフライト・インターネット〉、
慈善団体エイド・フォー・アフリカまで、
膨大な数の人が#HasJusineLandedYetをつけてツイートした。
この慈善団体は抜け目なくJustineSacco.comを登録し、
アクセスしてきた人を団体の資金集めページに誘導した。
みんなが知りたくてうずうずしていたのはただひとつ、
「着陸したらサッコはどうする?」だった。
その期待感は後戻りできないレベルまで高まった。
ジャスティン・サッコが着陸する時点で、
ダメージはすでに回復不可能だった。
本人がツイートを削除したところで、
なんの解決にもならない。
あるツイッター・ユーザーは、
空港でサッコを探し出し、彼女の写真だけでなく、
父親から叱責されている様子をツイートした。
#HasJusineLandedYetのついたツイートは24時間で10万を超えた。
サッコの勤め先であるIACは、
サッコを無神経さと良識の欠如を理由にただちに解雇した。
翌日、彼女はABCニュースに謝罪声明を出した。
ここ(南アフリカ)は父の出身国で、私もここで生まれました。
南アフリカとのつながりを大切に思い、何度も訪問してきました。
私の発信で多くのかたがたに――南アフリカの皆さん、
私の家族、友だちに――痛みを与えたと知り、
本当に申しわけなく、後悔にさいなまれています。
不快な思いをされた皆さまに心からお詫びいたします。
#HasJusineLandedYetにまつわる物語は、
巻きこまれた人全員にとって不幸だった。
サッコのツイートはたしかに悪趣味だったが、
だからといって彼女が「殺すぞ」とか
「レイプしてやる」という脅迫にさらされていいわけはない。
●なぜ、もっと知名度のあるセレブの人種差別ツイートは炎上しなかったのか
人種差別のジョークをツイートした人はほかにも大勢いる。
実際、サッコの騒動のさなかに、
大御所コメディアンのスティーブ・マーティンは
フォロワーから「ラゾニア(lasonia)」の綴りを訊かれ、
こうツイートしている。
状況によるね。きみはいまアフリカ系アメリカ人の地域にいる?※
それとも、イタリアンレストラン?※
アフリカ系の女性の名前には
「ラゾニア」のような響きのものがよくある
なぜ、ジャスティン・サッコはあれほどの大炎上になり、
もっと知名度の高いスティーブ・マーティンはそうならなかったのか。
答えは簡単。
マーティンはサスペンスが生まれる余地を与えなかったからだ。
数分以内にツイートを削除し、謝罪を投稿した。
彼の物語は、騒ぎに便乗したがる者の目にとまらないうちに、
始まって終わったのだ。
だがジャスティン・サッコは?
人々が飛びつき、予測し、期待する時間がたっぷりあった。
インターネットにアクセスできない空の上では、
元広報部長の手腕をもってしても、
ダメージをコントロールすることはできなかった。
そのため、サッコがどう反応し、
どんな言いわけをするのかというサスペンスが増大しつづけ、
何千というツイッター・ユーザーが、
着陸したサッコの決定的瞬間を目撃しようと
寝ずに待っていたのだ。
●大衆が求めるのは
「サスペンスが盛りあがる、フレッシュなネタ」
サスペンスとは、
解決されていない謎に直面したときに感じる
興奮や不安や緊張の状態を指す。
不安を作り、解決を期待させて、
人の心をつかむサスペンスを生み出すことができる。
ミステリー作家は実際にそうしている。
作中に手がかりをひそませ、
最終的な結末は不確実にしたままでプロットを進めていく。
ジャスティン・サッコのケースでは、
彼女が空を飛んでいるあいだに、
新しい情報が明らかになり、
サスペンスがさらに盛り上がった。
たとえば、あるツイッター・ユーザーは
サッコの過去のツイートから不穏当なものを探し出し、
別のユーザーはサッコの搭乗便とその着陸予定時刻を突き止めた。
こうした積み重ねで、
物語はツイッターの世界で新鮮に保たれたのだ。
-後略-
-cakes 3月31日(木)18時0分配信-
昨日の私の日記
『「花見の場所取り」で
建設大手・日揮に苦情 広場の大半を5日間にわたり占拠
批判受けて謝罪・撤退へ』
に引き続き、
ネット拡散のもたらす社会的影響力の怖さについて
取り上げたい。
『保育園落ちた。日本死ね!』
のブログが国会論議の場にまで登場し
政府の政策に大きな影響をもたらした現象は
未だに尾を引いている。
これらの社会現象には
ひとつの共通した要因を見つけることができる。
それは読む者の『感情に訴える』土壌が
そこにあると云う事だ。
度を越えた花見の場所取りを批判するツイートも
保育園落ちたも、読んだ人に怒りを伝播させるような
強い力を感じる。
社会一般の共通認識(良識)に対し、
暗に共感を求める意図をその怒りの中に感じる。
ブログやツイートではないが
今日のニュースネタを探していたら
気になるこんな話題がピックアップされていた。
≪「精神鑑定受けた方が」札幌自民市議がヤジ≫
≪「1回戦負けしろ」滋賀県議が釈明会見、
謝罪の言葉なく辞職も否定≫
≪保育園落ちたブログ
山田宏・元次世代の党幹事長
「生んだのはあなた。育児は親の責任」と発言≫
いずれも社会正義に訴える記事であり
怒りの感情を掻き立てるものだ。
実際私も今日まで自分の日記の中で
そうした感情に訴える記事にまんまと乗っかり
感想や意見を述べてきた。
しかし絶えずそうしてネットという公の場に
自分の意見をぶつけるような内容の話題をアップすることに
私なりの緊張とプレッシャー、不安を抱えてきた。
誰しも自分の吐いた発言が炎上するのは恐い。
しかし自分の意見に対し、
絶えず緊張感と責任感をもって臨めば
例え炎上したとしても後悔はない。
餌食になったのは常に
無責任な発言を吐いた人たちや
怒りを駆り立てる行為を行った人や組織だ。
人にはそれぞれ立場や考え方の違いがある。
それらを尊重したとしても看過できない意見や行為は、
社会正義という怒りの感情が大きなうねりとなり、
炎上という現象を引き起こすことを
常に念頭におくべきだ。
私も怒りの感情から
つい行き過ぎた発言をしてしまったと後悔することが
何度もあった。
しかしそれらの発言についても
表現に対する程度の問題であり、
本質そのものを後悔したことは無い。
今日のニュースを取り上げたことを機に
これからも自分の意見に自覚と責任をもった日記を
アップしていきたいと改めて思った。
日記に取り組んでいるとき以外は
いつも下世話なことしか頭にないオヤジが一句。
炎上を 体験したい 気もするし
(嘘~!!やっぱり嫌だ~!)
お粗末。