大和浪漫

私、瓜亀仙人が奈良・大和路の社寺や自然、生活の様子などをお伝えしたいと思います。

馬魚

2009年07月08日 | 天理市
先日、ある人に「大切にしたい奈良県の野生動植物―奈良県版レッドデータブック[普及版]」を頂いた。
絶滅のおそれのある野生動植物をリストアップした『奈良県版レッドデータブック』は、平成18年に「脊椎動物編」、同20年に「植物・昆虫類編」が発刊されているが、今回より多くの人に現況を知ってもらうため、『同ブック』に掲載された1115種のうち150種を[普及版]として、コンパクトにまとめたものがこの本である。
ページを捲っていくと、「馬魚」の項目が目に飛び込んで きた。
以前、石上神宮にお参りしたとき、境内の鏡池の端にあった解説板でその魚の存在を知った。
あの日、私は池の縁に屈んで中を覗き込んだのだ。
しかし、池の水が濁っていたからか、天然記念物「馬魚」の姿を見ることができなかった。
「馬魚」は同じ市内の天理市朝和の永久寺から移植されたものだという。
永久寺は鳥羽天皇の勅願寺で12世紀の初めに建立された寺。
南北朝時代に後醍醐天皇が笠置の山を落ち延び、ここ永久寺に御座所を設けた。
北朝の追手が寄せて乱戦になった。天皇も自ら愛馬に乗り太刀をふるい、激しい戦いとなった。天皇は追手が優位とみるや、池の傍の木陰に難を逃れたが、この時、馬がいなないたため天皇は間髪を入れず馬首を切り落としてその危機を防いだという。紅に染まった愛馬の首は池に落ちると化して魚になったという。
「馬魚」は、和名を「ワタカ」といい琵琶湖原産の魚で、草を食うという日本原産種では珍しい食性を持つ。草を食うところから、あるいはこの魚の背中が出っ張っていて馬の背に似ているところからだとも言われている。
レッドデータブックには、会ってみたい動植物がいっぱい載っていた。
また「馬魚」を覗きに石上へ行こうかなぁ~
「写真;石上神宮の鏡池」


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