アラン『定義集』7 「寓話 Fable」(人の心を傷つけないで、ちょっと厳しい真理を理解させようとする、素朴な形式の説話)
アラン『定義集』 P、81 82より抜粋
寓話 Fable
これは人の心を傷つけないで、ちょっと厳しい真理を理解させようとする、素朴な形式の説話である。
動物が話すというフィクションは、礼儀の属するもので、誰も欺くものではない。
例えば「獅子の分け前」ということ、これがある王様について言われたのならば、戦慄するであろう。
人はそれを信じない理由を探しさえもするだろう。
それに対して獅子の爪は、そういう恐れは全くない。
アラン『定義集』
モーリス・サヴァン刊行
神谷幹夫 翻訳
岩波文庫
青656-4
訳者 神谷幹夫
北星学園大学・文学部・教授