アラン『定義集』5 「平等 égalité」(平等は一つの法的支配の状況であって、窃盗、権力の濫用、侮辱、そしてそのような常に力の不平等の結果であることを裁かなければならない時、力の比較を排除するもの)
アラン『定義集』 P.71より抜粋
平等 égalité
平等は一つの法的支配の状況であって、窃盗、権力の濫用、侮辱、そしてそのような常に力の不平等の結果であることを裁かなければならない時、力の比較を排除するものである。
たとえば、富者と貧者の間には、人の意見に働きかける手段において、一種の不平等がある。
強者と弱者の間には物をとったり守ったりする手段において一種の不平等がある。
詐欺師と被害者の間においての情報量において一種の不平等がある。
何れにしてももう的支配の状態は、これらの不平等をいっさい顧慮しない判決によって定義される。
例えば、買収されない、脅しに屈しない、決定する前に吟味する配慮によってである。
アラン『定義集』
モーリス・サヴァン刊行
神谷幹夫 翻訳
岩波文庫
青656-4
訳者 神谷幹夫
北星学園大学・文学部・教授