『通し狂言 姫路城音菊礎石』 並木五瓶=作 『袖簿播州廻』より 尾上菊五郎=監修 原作『袖簿(にっき)播州廻』 (三幕目以降を見る。)
法隆寺の追儺式から帰宅後、雑用をこなす。
一通りの用が済んだ夜の十時頃にテレビをつけると、歌舞伎『通し狂言 姫路城音菊礎石』の三幕目が始まった。
この芝居は初めてであり、あまりにも面白かったので、大詰めまで見た。
口惜しいことに、『通し狂言 姫路城音菊礎石』はその名の通り、通し狂言。
一幕目とに幕目を見逃し、心残りである。
歌舞伎色の強い『通し狂言 姫路城音菊礎石』は、どこかしこの歌舞伎の演目から切り取られたような場面が多々ありほくそ笑む。
力のある役者さんたちが舞台に上がられ、関西でも上演していただけないかと痛感した。
国立劇場 大劇場
並木五瓶=作 『袖簿播州廻』より
並木 五瓶(なみき ごへい)は、歌舞伎狂言作者の名跡。
初代 並木五瓶
並木正三の門下、1747–1808。実家は大坂道修町和泉屋。
大坂で実績を積んだのち、寛政6年(1794年)三代目澤村宗十郎の推挙で江戸に下り、時代物や世話物に優れた作品を残す。
単に「並木五瓶」と言うと、通常はこの初代並木五瓶のことをさす。
並木吾八(五八、呉八)→ 並木五兵衛 → 初代並木五瓶
代表作:『五大力恋緘』(五大力)、 『富岡恋山開』(二人新兵衛)、 『隅田春妓女容性』(梅の由兵衛)、 『傾城黄金鯱』(こがねのしゃちほこ)、 『楼門五三桐』(山門)
二代目 並木五瓶
初代の門人、1768–1819。実家は武家。
初代篠田金治 → 二代目並木五瓶
代表作:長唄『遅桜手爾葉七字』(橋弁慶)
三代目 並木五瓶
二代目の門人、1789–1855。
篠田惣六 → 二代目篠田金次 → 三代目並木五瓶
代表作:『勧進帳』
安政3年7月14日に没す。享年76歳。深川霊岸寺中正覚院に葬る。法名は得法直覚信士。
四代目 並木五瓶
三代目の子、1829–1901。芝居台帳の蒐集家として知られる。
篠田全治 → 三代目篠田金治 → 並木五柳 → 四代目並木五瓶
(立作者にならなかった) (Wikipedia引用)
尾上菊五郎=監修
国立劇場文芸研究会=補綴
通し狂言 姫路城音菊礎石(ひめじじょうおとにきくそのいしずえ) 五幕九場
国立劇場美術係=美術
序 幕 曽根天満宮境内の場
二幕目 姫路城内奥殿の場
同 城外の場
三幕目 古姫路城天守の場
四幕目 舞子の浜の場
百姓平作住居の場
尾上神社鐘楼の場
大 詰 印南邸奥座敷の場
播磨潟浜辺の場
(主な配役)
印南内膳 尾 上 菊 五 郎
古佐壁主水/百姓平作実ハ与九郎狐 尾 上 松 緑
主水女房お辰/小女郎狐 尾 上 菊 之 助
碪の前 中 村 時 蔵
ほか
日本初の世界文化遺産の一つに指定された国宝〈姫(ひめ)路(じ)城(じょう)〉。
その天守に十二単衣(ひとえ)と緋の袴を着た鬼女「刑部(おさかべ)(小坂部)姫(ひめ)」が現れるという伝説が、古来語り継がれ、歌舞伎でも様々な作品の中で取り入れられました。
今回上演の原作『袖(そで)簿(にっき)播(ばん)州(しゅう)廻(めぐり)』は、その伝説に、恩義のある武家に忠義を尽くす夫婦狐の報恩譚を加え、播(はり)磨(ま)国(現在の兵庫県)のお家騒動を描いた作品です。題名に「播州廻」とあるように、播磨国の様々な名所を場面に使用している点も特色です。
作者は、十八世紀後半から十九世紀初頭にかけて東西の劇界で活躍した並(なみ)木(き)五(ご)瓶(へい)です。
安永八年(一七七九)三月の初演の時は、登場人物の設定の面白さ等が評判となり、約三ヶ月にわたる上演でした。
再演の機会に恵まれませんでしたが、平成三年三月当劇場で初演以来二百十二年ぶりの復活が実現し、話題を呼びました。
今回は、原作の特色を活かしながら新たに台本を補綴し、『姫(ひめ)路(じ)城(じょう)音菊(おとにきく)礎石(そのいしずえ)』と題して上演します。 (公式HP引用)
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