ビジターセンターの扉を開けたらひんやりした空気が入ってきました。夕方の八島湿原です。
男女倉方面から重そうな雲が移動してきます。冷たい風が顔にあたります。
八島湿原は赤っぽい黄色をしています。渋い色です。夕方ということもあって、景色が青味がかっています。寒そう・・・ではなく寒いのです。手袋をしていないとかじかんでしまうくらい寒いのです。
前々回の記事で話題に挙げた、キアゲハの住んでいたシシウドですが、ごらんの通り。くしゃくしゃになってしまいました。キアゲハの影はありません。どこかでサナギになっていることを祈ります。このシシウドには毛虫が一匹ついていました。
もう少しすると八島湿原には虫の気配がなくなります。
どこに行ってしまったのかわからなくなります。
きっと見えていないだけですね。
個人的にずっと観察していたハバヤマボクチが「いなく」なりました。いくら見た目が怪物っぽいといっても、自分で茎を引きちぎって逃げるとは思えないです。怪物ではなく、やはり植物です。
在りし日のハバヤマボクチ。
キアゲハはキアゲハです。
ハバヤマボクチはハバヤマボクチです。
彼らとなんの接点もない人から見れば、前者はどこにでもいるただのキアゲハで、ただの虫です。後者もただのハバヤマボクチで、ただの植物です。
私もそう思っていました。でも彼らをずっと気にして観察しているうちに、それぞれに個性(?)があることに気がついたのです。。
みんな同じキアゲハに見えていても、みんな少しずつ違う。まったく同じハバヤマボクチなんありません。
そうやって周りを見渡してみると、、、
この世界を埋めつくしている多様なものに気づくはずです。