少し前になりますが、こういう虫を見かけました。
「ミノウスバ」です。透明な羽が美しいガです。このガを見つけたとき、「あ、今年もこの季節がやってきたんだな」と思いました。
この季節とは、
ミノウスバの産卵の季節です。
交尾するオスとメス。オスとメスでは触角の形がちがいます。交尾する場所はマユミの木。この2匹以外にもたくさんのミノウスバが集まっていました。
産卵。
わかりにくいですが、枝(ミノウスバの下)にびっしり卵が産みつけられています。卵の表面は毛でおおわれています。これは成虫の毛です。親ミノウスバが自分の毛を卵にくっつけるそうです。(ミノウスバの成虫には長めの毛が生えています。ふわふわします。先日指にとまってくれましたが、幸せでした…)
ミノウスバの交尾や産卵はマユミの葉に隠れてひっそりと行われるためあまり目立ちません。カウンターで質問を受けることもほとんどありません。しかし、毎年毎年行われています。
春に、
こんな幼虫を見たことはありませんか?
芽吹きはじめのマユミで見かけるイモムシの集団。
これがミノウスバの子供たちです。
最初は集団で生活しますが、ある時から自分の道を歩み始めます。
マユミの幹を下りるミノウスバ
糸を使ってマユミを下りるミノウスバ
こうやって木を下りたミノウスバは地面近くで蛹になり、夏を過ごします。
そしてみんなが(主に私が)忘れたころに交尾・産卵を行います。
そして親たちはひっそりと死に、その子供たちが来春マユミの枝で孵化をします…。
人間には注目されない、でも毎年続くミノウスバの生と死のサイクル。
もし来春、マユミの枝に集まるミノウスバの幼虫に会ったら、
この親たちを思い出してください。
ま