切られお富!

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坂田藤十郎、1300回目の曽根崎心中・お初を観た!

2009-04-24 23:59:59 | かぶき讃(トピックス)
金曜日、1300回目の藤十郎のお初を観てました。藤十郎もちょっと感極まっていたなあ~。というか、涙もろくなったのでは?というわけで、簡単に感想っ。

金曜日は、仕事を午後から休んで歌舞伎座夜の部を観ておりました。

藤十郎の曽根崎心中・お初1300回は、本当のことをいうと、歌舞伎座に着いてから知りました。(画像は歌舞伎座の張り紙。)

でも、縁があるというか、中村鴈治郎の名前での最後の「河庄」も、わたし観ているんですよ。(このときは仕事を早く切り上げて、幕見で観た!)

あの時も幕切れ後の感動的な挨拶がありましたが、それでも楽天的というか、明るい挨拶だったと記憶しています。

が、しかし、今回はしみじみとした挨拶という感じがしましたね~。

「一生青春」と言ってのける藤十郎も、さすがに自らを振り返る時機に来ているってことなんでしょうかね~。

とはいえ、舞台での藤十郎は若々しい身のこなしで、同じ人間国宝でも最近の雀右衛門の動きの不自由さに比べれば、まだまだ元気、元気。

個人的には、お初みたいな若い娘役より合邦の玉手御前なんかが観たいのですけど、上方版「仮名手本忠臣蔵」も再演して欲しいなあ~。

でも、藤十郎の芝居の基本はお初という役なんだということは、いつも思います。

藤十郎の「娘道成寺」花子は、「お初が花子になったら」という情念を思わせるものだし、「先代萩」の政岡ですらお初の情念の化身のような情愛が感じられる。(別に玉三郎を批判しているわけではないんだけど・・・。)

舞台上では1300回死んだことになる藤十郎のお初だけど、何度死んでも何度でも生まれ変わり、情念をたぎらせる藤十郎のお初は、まるで岡本かの子の小説のヒロインのようにこれからも百花繚乱の生命力に溢れることでしょう。

今後の活躍にも期待!
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