久々のクラシック・ネタ。今年はモーツァルト生誕250年なんだそうで、モーツァルト関連のCDが売れてるみたいなんだけど、わたしは正直言ってそんなにモーツァルトは聴かない性質。(ごめんなさい、パパゲーノさん。) もっとも、クラシック・リスナー歴はこのブログの長さと同じくらいなんで、偉そうなことは言えないけれど、どっちかっていうとベートーヴェンの方が好きな曲は多いし、今年生誕100年のショスタコーヴィチの方が聴いた回数は多いと思う。とはいえ、好きな曲もいくつかあって、ピアノ・ソナタ17番なんか好きですね、あんまり有名じゃないらしいけど…。ただし、好きな理由は「なーんだ、そんな理由?」っていわれそうかな~。
ゴダールの映画で『ウィークエンド』っていうのがあって、これは陽気で破天荒で滅茶苦茶で、しかもやりたい放題で、最高の映画だった。わたしはご多分に漏れず渋谷のユーロスペースのスクリーンで観たんだけど、観ていて笑いっぱなし。この時期のゴダールにしては全然小難しくなかったし、楽天的でアナーキーなゴダールって印象でホント痛快だった。で、この映画に使われていたのが、モーツァルトのピアノ・ソナタ17番。だから好きってわけなんです。じつに単純でしょ!
他にもっとスマートでチャーミングなピアノ・ソナタもあるんだけど、この曲の出だしはちょっと不器用でつんのめるような感じ、単なる連想だけど、バスター・キートンの喜劇なんかを思い出す。個人的には、去年手に入れたリリー・クラウスの輸入EMI盤(韓国盤!)で聴いてます。
他にモーツァルトで好きな曲といえば、月並みだけど映画『勝手にしやがれ』にも出てくるクラリネット協奏曲(シフリンのか、ベーム&プリンツのやつ)とか交響曲ならプラハとジュピター、ピアノ協奏曲なら20番、そしてレクイエム(戦前のワルター、ベーム、バーンスタインとどれも好き。)というわけで、しかし平凡な選曲だなあ…。
ところで、先日チラっと見た石田衣良の本(『I LOVE モーツァルト』)によると、石田衣良はピアノ協奏曲20番ならミケランジェリって書いてるんだけど、今のわたしはまだまだ気が荒いせいか、ミケランジェリやグルダよりアルゲリッチの元気一杯で叩きつけるような20番がしっくりくるんですよね。(短調なのに!) もう少し枯れてきたら、前記の二人や内田光子が良くなってくるかも知れないれど…。
とりあえず、モーツァルトはまだまだ「未開の地」って感じで、聴いてない曲も多いので、今年はいろいろ聴いてみるつもり。でも、やっぱり今年中に一回くらいは実演に接したいところだなあ~。なかなか財布がもたないけれど…。
PS:あんまりモーツァルトを聴いてないから頭が悪いのかもしれない、なんてことも思ったんだけど、頭が良くなりたいからクラシックを聴くっていう姿勢もわたしには良くわからないんですよね。もっとも、「痴呆の芸術」なんて言われ方をされたこともある歌舞伎や文楽が好きだから、どうでもいいんですけど!
 | モーツァルト : ピアノ協奏曲第19番&20番アルゲリッチ(マルタ), パドバ管弦楽団, モーツァルト, ラビノビチ(アレクサンドル), ビュルテンブルグ室内管弦楽団, フェーバー(イエルク)ワーナーミュージック・ジャパンこのアイテムの詳細を見る |
私の名前がでたので早速、投稿します。
映画音楽に使われたモーツァルトというとスウェーデン映画「短くも美しく燃え」のP協奏曲21番K467やアニス・ヴァルダ女流監督「幸福」のクラリネット五重奏曲が美しい画面とモーツァルトの曲のイメージが合い、完全にバックグランド音楽として成功していました。
でも、人間の心をえぐるような場面で使われたのは
1.ロベール・ブレッソン監督「抵抗」のハ短調ミサK427
2.リリアーニ・カヴァーニ監督「愛の嵐」では「魔笛」
3.ヴィスコンティ監督「家族の肖像」のコンサート・アリア「神よ、あなたに明かしたい」K418等が忘れられません。
ピアノ協奏曲20番の演奏はハスキルが良いと思います。
ハスキルの20番は下記のHPから聞く事が出来ます。
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=127
内田光子はP協奏曲では22番の演奏が思い出に残っています。彼女の音の質に合っているように思いました。
それから、武智鉄二がギーゼキングのおかげで
モーツァルトが好きになったと書いておりました。
http://www.yung.jp/yungdb/artist.php?artist_id=16&art_c_id=4
ハスキルのP協20番聴いてみます。それと武智鉄二とギーゼングの話は面白いですね。
「幸福」と「抵抗」は好きな映画ですが、モーツァルトが使われていたんですね。意識してなかったなあ。
ほんとにいろいろ教えていただき、ありがとうございました。