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切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『崖の上のポニョ』  宮崎駿 監督

2008-08-12 00:21:00 | アメリカの夜(映画日記)
先日、歌舞伎座の初日を見に行ったついでに、日比谷のスカラ座で見てきました。よくお客さんが入ってましたねぇ~。感想です。

・公式HP

場所柄、子供連れよりは若いカップル中心の客層でしたが、地方のシネコンあたりでは、また状況が違うのでしょう。見渡したところ、普段あんまり映画を見なさそうな若いカップルばかりで、宮崎作品のブランド力を再確認しましたね。

さて、映画ですが、人面魚(?)ポニョと少年・宗介の出会いを描いた作品ということで、いいですよね?

で、わたしの率直な感想は、「これは、映像と音楽の詩みたいな映画だな~」ということと、「宗介くんのお母さん・リサさんが男前でカッコイイ!」ということに尽きますね。

まず、崖の上の家がちょっと住んでみたくなるような、いい感じ。(宮崎作品の場所の描き方って、いつもそうですよね。)

そして、音楽ですが、割と本格的な管弦楽で、ポニョの本名が「ブリュンヒルデ」というだけあって、ポニョが波の上を走るくだりはワーグナーみたいな音楽なんですよ!

ワーグナーの「ニーベルングの指輪」では「ブリュンヒルデ」は火の海の中に突っ込んでいきますが、この映画では火が水に変わったって感じ。

それに、ほかの場面でもR・シュトラウスの音楽みたいな感じがあって、スカラ座のスピーカーがうるさいくらいでした。(ちょっと、ボリュームが大きすぎるんじゃないかな?)

次に、お母さんのリサさん。ケア・サービスの仕事をしているワーキング・ウーマンの設定で、車の運転の乱暴な感じや、さばさばした態度、子供に「リサ」と呼ばせているところや、船乗りの気弱そうな夫との関係。ちょっといいなあ~って思った女性も多いのでは!

設定でいうと、わたしは『歓喜の歌』という映画の安田成美を思い出しちゃったんだけど、声は山口智子なんですよね。

おそらく、映画を見ている子供たちはポニョや宗介に感情移入しているんだろうけど、大人の方はリサさんというキャラクターにシンクロしている率が高いんじゃないかしら?

こういうキャラの女性って、宮崎作品では新生面という感じもするし、リサさんの物語をもっと見たいという気にはなりましたね。(ただ、こういう世界は宮崎駿より高畑勲の方なのかもしれないけど・・・。)

というわけで、わたしは心地よく最後まで見ることができました。

ただ、映画が終わった後、「アレはどういう意味?」とか「よくわからない」とか言っているカップルが結構いたのには驚いた。野暮なオトナが多いんだなって気がしてねぇ~。

子供の頃に読んだ絵本に、意味とか理屈とか追求なんてしないでしょ!

だから、老境に至った巨匠監督の描く、一篇の詩とか絵本だと思って見れば、十分楽しめると思います。

黒澤明でいうと『夢』かな~。

というわけで、オススメ!

崖の上のポニョ―宮崎駿監督作品 (ジス・イズ・アニメーション)

小学館

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