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<訃報> 映画監督 瀬川昌治

2016-06-20 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
御著書二冊にサインを頂いたり、個人的におそばを御馳走になったりして、ささやかながら交流があった映画人でした。ご冥福をお祈りいたします。

フランキー堺や渥美清主演の喜劇映画を数多く監督した名匠ですが、シネフィルにとっては金井美恵子が激賞した映画『瀬戸はよいとこ 花嫁観光船』の監督として記憶されているんじゃないですかね。でも、肝心のこの映画って、DVDになっていないはずなんで、早くパッケージ化してくださいよ、松竹さん!

学習院時代は文芸部の先輩が三島由紀夫、東大時代は野球部で活躍と、三島なんかよりもずっと文武両道の人ですけど、わたしが会った印象では、とぼけているようで、ご高齢ながらやはり頭の回転が速かった。喜劇映画の監督って、数学的というか頭脳明晰じゃないとダメなんでしょうね、きっと。

新東宝から東映、松竹と渡り歩く一方、脚本家としても活躍。会社にばれないようにペンネームを使って日活にシナリオを出すなど(蔵原惟繕監督の『ある脅迫』)、根っからの活動屋という人なんだと思います。ま、監督兼脚本家で喜劇作家というスタンスは、ご本人が私淑していたビリー・ワイルダーの影響ということもあるんでしょうね、きっと。

で、わたしの一本なんですが、監督唯一のロマンポルノ作品で、奈美悦子主演の『トルコ行進曲 夢の城』です。これはDVDになっていないみたいですが、大傑作です!ご本人にもお伝えしたら、随分喜んでいらっしゃった記憶があります。ま、ラストが秀逸なんですよ!

また、一般作では、谷啓の『図々しい奴』、渥美清の『喜劇急行列車』(両作品とも佐久間良子共演で、この頃の彼女はよいんですよね。)、意外なサスペンス作『密告』が個人的にはよかったなあ~。

おそばを御馳走になった時は、「君は若いのに随分古い映画を観てるんだね」と褒めて頂いたんですが、もっといろいろ聞いておけばよかったなと、今になって思います。

お似合いのベースボールキャップと共に旅立たれたんだろうなあ~。

ということで、合掌・・・。


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