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切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

<訃報> 歌舞伎俳優 中村歌江

2016-03-27 23:59:59 | かぶき讃(トピックス)
最近まで舞台に立っていた印象だったので、突然の訃報に驚きました。六代目歌右衛門の弟子のなかでも、師匠の持つ古風な雰囲気を感じさせる貴重な女形でしたね。ご冥福をお祈りいたします。

歌舞伎俳優の中村歌江さんが死去 83歳

歌舞伎役者の声マネを得意芸としていて、その巧さを六代目歌右衛門から「あそこまでいくと芸ですよ」といわせたひとでした。歌舞伎チャンネルのインタビュー番組「芸に生きる」の出演回2回は貴重な映像になってしまいましたね。(そういえば、歌右衛門の死化粧はこの人がご指名でやったんでしたね。)

湯島天神下の酒屋の息子だったというだけあって、女形としては少し大柄というか、肩幅があって、猫背気味の姿勢と、独特の台詞の調子が、横溝正史の世界に出てくる老嬢みたいな古風な雰囲気のひとでしたが、こういうタイプの女形さんは今後なかなか出てこないんじゃないのかな。市井の女にせよ、御殿の女中頭にせよ、古い桐箪笥の匂いがしてきそうな独特の芸風でしたものね。

しかし、六代目歌右衛門、七代目芝翫の女形「女系」大一家・成駒屋も、弟子筋から世代交代になっていくのかしら?福助の延び延びになっている七代目歌右衛門襲名と、秋にある橋之助の八代目芝翫襲名で様変わりっぽくなるのかな・・・。

あと、たまたま歌舞伎座の雀右衛門襲名興行で、見るからに体調の悪そうな片岡我當の口上を観て、時代は変わっていくなあ~という感じもしましたね。我當丈81歳、歌江丈享年83歳ですか・・・。縁起でもない言い方で申し訳ないんだけど・・・。

ということで、最近は訃報を聞くたびに自分も年を取ってきたことを実感してしまいます。

PS:歌江丈に関しては、関容子さんの本が詳しいです。

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