切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『スパイダーマン2』

2004-08-18 15:58:29 | アメリカの夜(映画日記)
映画好きを自称してきた私としては、この「アメリカの夜~映画日記」の第一弾は、トリュフォーの映画について始めようと思っていましたが…、まあいいや、というわけで、先日友達と観に行った「スパイダーマン2」について語りましょう。

私自身、友人と一緒でなければ絶対に一人で見に行かないタイプの映画。(実は「スパイダーマン1」もこの友人と観に行った!)実際、一見映画にうるさい人には馬鹿にされそうな映画なのだが、違うんですよ、これが実によくできてる。

 第一にこの映画はスパイダーマンの正体である主人公の少年の成長物語といえます。さえない少年である自分と世間から誤解を受け続けるスパイダーマンという二つのペルソナをもつ主人公。その二つのペルソナを調和させてくれるのは、真の理解者なのに…、という映画。(といってしまっては半ばネタばれなのですが。)
「自分の真の顔は全知全能の神のような存在だ」というようなタイプの話は<変身モノ>子供向け番組の王道ですが、『ゼブラーマン』にも共通するように、屈託のないヒーローのストーリーは今や世界的に不可能なのかもしれません。(この点だけ日本もグローバルスタンダード?)
 第二に、この<現代のメルヘン>のような映画を妙にリアルにしているのが、キャスティングです。主人公の冴えなさに加えてちょっとダサい感じのヒロイン、敵役のタコ博士(英語ではドクター・オクトパスだから正しい翻訳でしょ。)役のおじさんのちょっと情けない感じなど、主人公(スパイダーマン)の学園生活の月並みさや個々人の欲望が小市民的な理解の範囲内にあり、妙にリアルなのです。
 個々人の欲望が超人的な能力によって増幅されていながら、最後に求められる答えが、列車のシーンとラストシーン。
 まあ、いい映画です。バカにできませんよ、これは。
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