切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

モリッシー、イタリア、アンナ・マニャーニ!

2006-04-29 22:49:49 | アメリカの夜(映画日記)
わたしがモリッシーというミュージシャンを偏愛していることは、何度か書いてるのでご存知の方も多いでしょうが、モリッシーのニューアルバム『リングリーダー・オブ・ザ・トーメンターズ』からのファーストシングル『You have killed me』には映画オタクの彼らしいイタリア映画ネタがちりばめられていて、嬉しくなってくる。パゾリーニにアッカトーネ、ヴィスコンティにアンナ・マニャーニ!しかし、アンナ・マニャーニですよ、さすがというか、渋いところついてくる。おまけに、今ではローマに住んでいるという話で、イタリア好きのわたしとしても、「やっぱり、モリッシーとは何かが通じている」って気がしてきたナア~。

アンナ・マニャーニといえば、映画オタク以外には馴染みのない名前かもしれないけれど、少なくともヨーロッパではイングリッド・バーグマンあたりより断然尊敬されている大女優。

知らない人のために、誤解を恐れずイメージで伝えておくと、日本で言えば倍賞美津子(千恵子じゃないよ!)みたいなタイプの演技派で、<イタリアの芯の強い女性>というイメージそのもののひと。

かつて、『映画千夜一夜』という本で、淀川長治が「ぼくの好きな女優」として大絶賛していたけれど、わたしが「このひと、凄い!」と思ったのは、ロベルト・ロッセリーニ監督の『アモーレ』という映画で、とにかくこの映画の彼女は凄かった!

『アモーレ』という作品は二篇からなるオムニバス映画で、そのうちの「人間の声」(ジャン・コクトー脚本)に彼女は出てるんだけど、電話片手に延々と一人芝居をするという、ちょっと退屈しそうな設定ながら、彼女の迫力ある演技に引き込まれて、あれよあれよという間に終わってしまう感じ。二話目は後の映画監督フェリーニが役者として出演していてご愛嬌なんだけど、一話目の圧巻ぶりに比して、何だか影の薄い印象を持ってしまうほど。わたしは某映画館のスクリーンでこの映画を観たのですが、強烈なインパクトで二話目が始まってからも、ボーっとしてました。

他の出演作では、有名な『無防備都市』やヴィスコンティの初期の作品『ベリッシマ』、そしてフランスの巨匠ジャン・ルノワール監督の『黄金の馬車』なんかも忘れがたい。

"Visconti is me.Magnani you'll never be"(ヴィスコンティはぼく。きみはマニャーニにはなれないよ[お富訳])と歌ったモリッシー。アルバムの裏ジャケではバイクに跨り、ローライフレックス(?)の二眼レフを手にしている彼だけど、ローマの新居ではエスプレッソ片手に読書していることでしょう。イタリアのコーヒーはおいしいから、なんとも羨ましいんだけど、とりあえず、モリッシーの再来日に期待したいところだな~。

というわけで、モリッシー・ファンはヴィスコンティの『ベリッシマ』と、できればロッセリーニの『アモーレ』、パゾリーニの『アッカトーネ』は必見なんじゃないかな!(もちろん、モリッシーファン以外の方も観て損はありません!)

モリッシー、ニュー・アルバムの詳細を発表(過去のわたしの記事)

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