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切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日は、鈴木清順監督の誕生日!

2016-05-24 20:35:28 | アメリカの夜(映画日記)
~なんです。御年93歳。最後の巨匠、最後の異端って感じですね。もう、監督するのは難しいのかな・・・。

初期の作品なんかを観ると、、普通にテクニシャンでサスペンスものなんか巧いです。「影なき声」とか「その護送車を追え」あたり。サスペンスではないんだけど、不良少年の更生を扱った「踏み外した春」なんて作品も若き日の小林旭と左幸子がよかったし。

でも、太陽族映画っぽいノリの「すべては狂っている」なんかだと、中平康や蔵原惟繕、舛田利雄の作品みたいな等身大の皮膚感覚で作られた青春映画にならなくて、どうもぎこちない感じがしなくもない。この辺りを考えると、のちに異才、鬼才と讃えられた清順監督も、底の底では松竹大船調が残っているんだろうな~という気がするんですが、どうなんですかね?

で、本人もノっていないであろう「無鉄砲大将」、二谷英明の「散弾銃の男」あたりのあと、本人がどういおうと「野獣の青春」以降くらいから、ドラッグ的な映像感覚の清順美学が花開く、と思うんですよ(ただし、「野獣の青春」の美術は盟友木村威夫氏でないことに注意!)。

なので、1963年公開の「野獣の青春」から日活をクビになる原因となった「殺しの烙印」(1967年)までの4年間の作品13本(!)は、日本映画の産んだ最も冒険的なフィルモグラフィーだと思います。

時代に寄り添った中平康、人間に寄り添った今村昌平、スターに寄り添った舛田利雄と斎藤武市、メロドラマにに寄り添った西河克己に対して、映像に寄り添った清順監督が今なお古びなかったというのは、あまりにも、あまりにも映画的!

で、個人的に好きな作品は、天真爛漫な「河内カルメン」、冒頭の人力車の場面がジョン・フォードの「騎兵隊」に勝っている「花と怒涛」、そして、やっぱり外せない!めくるめく色彩の氾濫!「東京流れ者」ですかね。

もちろん、日活退社後の「悲愁物語」、「ツィゴイネルワイゼン」、「陽炎座」、玉三郎も出ている「夢二」も好きですが、やっぱり、1963年から1967年公開の映画がマストですね~。

で、できたら、もう一本撮って頂きたい!大正三部作みたいな文芸ものでなく、アクション映画を!もちろん、これはファンの見果てぬ夢ですね・・・。いつまでもお元気で!


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