切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

花柳流裁判をめぐって。

2016-05-25 23:59:59 | TVピープル
2008年に三代目花柳寿輔の訃報を受けた遺産相続問題の記事を書いているんですが、その後の泥沼の争いと裁判にまで発展する展開って、さすがに想像していませんでした。もろもろ雑感を書き残しておきます。

・花柳流で後継争い(過去に書いた記事)

①今回の裁判で勝訴した花柳貴彦氏を「後継指名」したとされる三代目寿輔って、花柳幻舟が刺したひとなんですよね。この辺の経緯は彼女の著書『修羅 家元制度打倒』が詳しいです。わたしが面白いと思ったのは、家元制度というのは、流派に法人格がなくて、お金が家元の個人財産になるという仕組み。だから、遺産相続とか後継問題が大問題になるんだなと。前にも書いたけど、法人格を持たない一部の宗教団体に似た制度なんじゃないかと思います。

②で、訴えられている四代目寿輔の四代目襲名の経緯をきくと、「伽羅先代萩」のモデルになった伊達騒動みたいだなと。あれは分家が企んでってことですから、『樅の木は残った』を髣髴とさせるというか・・・。

③また、四代目が孫に五代目を譲るという件、「寿應、寿輔の襲名を祝う会」の発起人として自身の名前が勝手に使われたと、尾上松緑(藤間勘右衛門)が自身のブログで不快感を表明していました。四代目はだいぶ問題ありそうなひとだな~と、他所ごとながら思いましたが・・・。

④というようなわけで、わたしは日舞の世界に縁もゆかりもない身なんで、何がどうなろうとどうでもよいんですが、伝統芸能における家元制度については時代に合った近代的整備が必要なんじゃないかって、おぼろげながら思います。歌舞伎の世界だと、故永山会長とか、松竹の発言権のある人が仲介したりするんでしょうけれど。

以上、余計なことでした。

修羅―家元制度打倒 (1981年)
クリエーター情報なし
三一書房
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