今月は国立フィルムセンターでも特集が組まれているし、NHK-BSでも毎日放送されている映画監督成瀬巳喜男の作品。わたしも一時は夢中になった監督なので、こうした大々的な取り上げられ方は嬉しいのだけど、どうも気になることが…。
それは、BSで放送されている作品のプリントの状態があまりに悪いということ。成瀬作品は都内の名画座でも忘れた頃に上映されてきたので、わたしもそれなりの本数をスクリーンで見てきたのだけど、今回のBSの特集をちょっと見た限り、「こんな画質だったっけ?」と思われる作品ばかりでちょっとがっかり。
そもそも、自社の旧作にどうも冷淡な印象の東宝だけど、いったいどういう原版管理をしているのか、また、まともなプリントを自社で持っているのか、特集を組むぐらいだからちゃんとニュープリントを焼いているのか、などはなはだ疑問に思う。
聞いた話では、某名画座で成瀬特集を組んだときも、東宝サイドがあまりに渋るので劇場持ちでニュープリントを何本か焼いたなんてこともあるそうだ。となると、まともなプリントは劇場だけが所有なんて作品もあるのかも?このあたりどうなんですかね、事情通の方々!
東宝という会社は日本の映画業界では一人勝ちといっていいほどの収益を上げている会社で、業界はほとんど寡占状態といって差し支えない。東宝の劇場ラインナップで作品を公開するには製作会社は大量の前売り券を割り当てられる仕組みで(といってもどこでもある程度はやっているけど)、こういうのは独占禁止法に違反するんじゃないかという気もするけど、なかなかメスが入りませんよね…。
そもそも、戦前から軍部と関係が深く、『ハワイマレー沖海戦』なんて作品を作っていた東宝だけど、戦後の東宝争議にはGHQも出てくるわで、権力とのつながりの強い微温的な会社というイメージは拭えない。(ところで、念のためにいっておきますが、東宝の松岡会長は松岡修造のオヤジです。知ってましたか?)
まあ、去年の『世界の中心で~』に続いて『NANA』も大ヒット。儲かってるんだから、黒澤ばかりでなく、成瀬、岡本、古沢憲吾なんてあたりの過去の功労者を大事にしてもいいんじゃないですかね?
<参考>
それは、BSで放送されている作品のプリントの状態があまりに悪いということ。成瀬作品は都内の名画座でも忘れた頃に上映されてきたので、わたしもそれなりの本数をスクリーンで見てきたのだけど、今回のBSの特集をちょっと見た限り、「こんな画質だったっけ?」と思われる作品ばかりでちょっとがっかり。
そもそも、自社の旧作にどうも冷淡な印象の東宝だけど、いったいどういう原版管理をしているのか、また、まともなプリントを自社で持っているのか、特集を組むぐらいだからちゃんとニュープリントを焼いているのか、などはなはだ疑問に思う。
聞いた話では、某名画座で成瀬特集を組んだときも、東宝サイドがあまりに渋るので劇場持ちでニュープリントを何本か焼いたなんてこともあるそうだ。となると、まともなプリントは劇場だけが所有なんて作品もあるのかも?このあたりどうなんですかね、事情通の方々!
東宝という会社は日本の映画業界では一人勝ちといっていいほどの収益を上げている会社で、業界はほとんど寡占状態といって差し支えない。東宝の劇場ラインナップで作品を公開するには製作会社は大量の前売り券を割り当てられる仕組みで(といってもどこでもある程度はやっているけど)、こういうのは独占禁止法に違反するんじゃないかという気もするけど、なかなかメスが入りませんよね…。
そもそも、戦前から軍部と関係が深く、『ハワイマレー沖海戦』なんて作品を作っていた東宝だけど、戦後の東宝争議にはGHQも出てくるわで、権力とのつながりの強い微温的な会社というイメージは拭えない。(ところで、念のためにいっておきますが、東宝の松岡会長は松岡修造のオヤジです。知ってましたか?)
まあ、去年の『世界の中心で~』に続いて『NANA』も大ヒット。儲かってるんだから、黒澤ばかりでなく、成瀬、岡本、古沢憲吾なんてあたりの過去の功労者を大事にしてもいいんじゃないですかね?
<参考>
![]() | ハワイ・マレー沖海戦東宝このアイテムの詳細を見る |
それに 成瀬作品は毎日続けて見るものじゃないですね・・・男としては。無気力でだらしの無い浮気男に泣かされて哀れな女のストーリーを続けざまに見せられるのは 三日でやめました。たとえ「芸術的価値」が高いもので有っても食傷気味でしたので。もっとも 今の男達はもっと無気力で覇気が無いかも知れませんが・・・