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切られお富!

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『シアトリカル』 大島新 監督

2010-08-17 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
唐十郎を追ったドキュメンタリー映画。監督は大島渚の息子の大島新(あらた)。唐十郎&大島渚というと、映画ファンなら『新宿泥棒日記』を思い出すはずだけど、そんなこと、二人とも気にしてないだろうなあ~。というわけで、これは傑作!新しいドキュメンタリー監督の出現です!必見!

大島新監督の過去の仕事が、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」やTBSの「情熱大陸」だといえば、なんとなくこの映画のイメージが涌くのではないでしょうか?

基本的にはわかりやすく、穏健な雰囲気、でしゃばらない演出…。

このあたりがおそらくこの監督の特徴なんでしょうが、相手が悪かったというか、あの唐十郎ですからね…。

芝居に興味のない人には唐十郎というと大鶴義丹の父親くらいのイメージかもしれませんが、テレビ『北の国から』の内田有紀の父親役がわりとこの映像の唐十郎に近いかもしれない!

居酒屋から突然服を着たままシャワー室に入り、劇団員に向かって「これが役者だよ」と言い出す冒頭から、芝居と映画における役者の位置に関する論争(?)!画面に引っ張り出される監督…。(この監督、額から目元が父親似なんですよね~。)

で、考えてみれば、演劇界における唐十郎や落語界の立川談志みたいな「強面文化人」キャラが希少価値になっている今、絶滅しかかっているタイプの「巨人」とそのフォロワーの記録という感じがしなくもなかったですね。

これからも新たな演出家は生まれるでしょうが、こういう人間関係を形成するものなのかどうか?わたしにはおおいに疑問。野田秀樹とか宮藤官九郎とその周囲は、こんなに求道的な感じにはならないんじゃないかな?このあたり、世代論が関係してくるんでしょうね。

さて、わたしがこの映画で感動したのは最後の最後のテロップでした。「やられた~」という感じ…。ここがまさに唐十郎の演技論なんだと思いました。特典映像も合わせてご覧ください!

というわけで、オススメ!

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(参考)
唐十郎 (KAWADE道の手帖)

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