切られお富!

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邦画活況と日本アカデミー賞…。

2007-02-21 01:39:10 | アメリカの夜(映画日記)
邦画の興行収入が洋画を上回り、邦画活況といわれるなか、日本アカデミー賞だけは旧態然だっていうのは、大手映画会社の姿勢が楽観的過ぎるって気も…。

日本でまあまあ権威のある映画の賞といえば、日本アカデミー賞毎日映画コンクール、キネ旬のランキング、映画芸術のランキングといったあたりか。(他にもいろいろあるけど、まあこの4つじゃないですか?)

昔ながらの映画ジャーナリズムって感じのキネ旬、映画オタク向けの映画芸術、玄人技術者筋に割合受けのいい毎日映画、そして、まさに映画業界の縮図って感じの日本アカデミー賞。

アカデミーの特徴といえば、大手映画会社社員を中心とした投票で選ぶのが建前で、ノミネート作品をみれば、綺麗に大手映画会社の作品が1~2本づつに、独立プロ系が1本という並びになる。

映画記者の投票になる毎日映画コンクールや、うるさ型評論家の投票によるキネ旬、映芸との違いは明白なんだけど、今年は独立プロ系で近年気を吐くシネカノンの『フラガール』が受賞した。

じつはこの映画わたしは観ていないんだけど、アカデミーまでの映画賞をほぼ総なめにしていることから、なんとなく布石が打たれて、本来独立系は縁遠いアカデミーも受賞ってことなんでしょうか?(でも、わたしの周りの観たひとたちも、たいがい褒めていたから、きっといい作品なんだろうね。)

なんとなく『赤目四十八瀧心中未遂』のときと似てる経緯なんだけど、この賞の本来の流れからいったら、山田洋次なんてことになりかねなかったわけで、おいおいって感じもしてしまうなあ~。

前述の4つの賞を考えてもわかるんだけど、邦画活況の現在問われているのは、普通の映画の観客の視点に立ったものが存在しないってことなんですよね。

だから、いくらテレビで日本アカデミー賞授賞式を立派なレセプション形式でやったとしても、「韓国の映画賞に集まる韓流ファン日本人の群れ」みたいな現象は起きそうにない。

「出席者が正装してるから権威ある賞」というイメージだけでは、もうどうしようもないと思っているのはわたしだけか?

邦画活況のうちに改革した方がいいんじゃないですかね?

・日本アカデミー賞(ウィキペディア)

PS:因みに、わたしは、むかし、思いっきり「映画芸術」派でした。今は・・・だけど。
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