切られお富!

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<訃報> 映画監督 長谷部安春

2009-06-21 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
60年代後半から日本のアクション映画に新風を吹き込んだ監督・長谷部安春が亡くなったそうですね。ご冥福をお祈りいたします。しかし、ニュースの「『相棒』の監督」って説明は「オイ、オイ」って思ったなあ~。映画に愛がないよ!

「あぶない刑事」「相棒」…長谷部安春監督が死去(スポーツニッポン) - goo ニュース

確かに「あぶない刑事」シリーズのテレビ&映画とか『相棒』というのはこの監督の後半キャリアとしては重要だと思うけど、作家性みたいな視点でいうなら、断然60年代後半のデビューから70年代中盤くらいの作品群でしょ、やっぱり!

監督デビュー作の『俺にさわると危ないぜ』は、小林旭主演作ながら、それまでの「渡り鳥シリーズ」みたいな牧歌的な小林旭のイメージとは一線を画す、スピーディーで洒落っ気の利いた作品。感じでいうと、アニメの「ルパン三世」的な感じだけど、たぶん影響を受けているのはモンキー・パンチの方でしょう。

そして、やっぱり『野良猫ロック』シリーズ!和田アキ子主演『女番長・野良猫ロック』と梶芽衣子の帽子姿が滅茶苦茶カッコイイ『野良猫ロック セックスハンター』!特に作品的には後者がオススメだけど、梶芽衣子がらみでいえば、東映の伊藤俊也監督の名物シリーズ「女囚さそり」の最後の一本もこのひとが監督をやっているんですよね~。

また、ロマンポルノでも異色の作品を撮っているんだけど、『暴行切り裂きジャック』は桂千穂の脚本も含めて異色の実験的な作品なんじゃないですか?

とはいいながら、この監督の作品全般にいえるのは、スピーディーでカラッとした明るさがある作風だってこと。残虐な場面が出てきたりもするけれど、不思議とねちねち感はないんですよね。(このあたりが伊藤俊也の「情念」とは違う。)

というわけで、今更ながら再評価、再ブームが起きることを期待しています!最近の映画には刺激がないとお嘆きの方は是非!!

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