切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

やる夫のバイアス

2007-12-28 01:50:36 | 日日雑記
「やる夫で学ぶ著作権」という記事を読んでみたんだけど、随分バイアスかかってますね。これをそのまんま受け取るのはちょっと危険なんじゃないかな?でも、ああいう「2ちゃん風」会話体の記事を、簡単に「役に立つ」って盲信してしまう読み手の問題も、大きいとおもいますよ、わたしは。

わたしの印象では、この書き手って、少なくとも実務家ではないなって感じ。(さもなければ、経験の浅い実務家?)

特に「ひこにゃん」ネタについては、クリエーターは金が目当てだって決めつけていて、わたしは問題があると思いました。(まあ、固有名詞を変えているのは、そういう一種の<配慮>なんでしょうが…。)

だいたい、モノを作っている人って、作家なら「てにをは」のひとつ、絵を書く人なら筆使いにいたるまで、実にこだわりがあるもので、機嫌を損ねると大変なことになったりする。

だから、単純に金の問題だとは言い切れないんじゃないでしょうか。それに、公募されていたわけだから、一応どういう使用のされ方をするのかはわかっていたはずだし、普通は公募の段階で募集要項に著作権に関する記述があるわけですよね。

もっとも、今回の問題が明らかにしたように、彦根市側の文書センス、契約書作成能力はかなり杜撰なようなので、当てにならない面もあるとは思いますが。

わたしがこの件のポイントだと思うのは、著作者→所属デザイン会社→実行委員会(実態は彦根市)の間の契約書。

特に、<所属デザイン会社→実行委員会>間の契約が素人レベルだったことに問題があったんだと思いますね。

そもそも、著作権の「譲渡」だったのか「許諾」だったのかもよくわからないのですが、公募ということを考えると「譲渡」なのでしょう。

しかし、著作権の譲渡契約をするのなら、「著作権法27条(翻案権)、28条(二次的著作物の原著作者の権利)を含む」という条項を盛り込まなければ、その後の利用に支障が出るというのは常識(著作権法61条)だし、「著作者人格権の不行使」、「権利の譲渡に関する規定」、「契約期間」が不明確な契約を結んでいたなんて、ちょっと信じられない。

おまけに、特許庁のHPで「ひこにゃん」の商標を調べたら、権利者はデザイン会社のままなんですよね。市で使いたかったら、名義変更くらいするものだと思いますけれど。

というわけで、わたしの結論は、著作者人格権は表向きの争点で、正しい権利処理のできなかったバカなお役所の問題なんじゃないかってあたりですかね。

しかし、デザイン会社も普通、仕様書についての説明くらいはするものなんだけど、さて、どっちがわるいのやら?

まあ、とりあえず、こんなところで・・・。
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