切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

私も貴方もみんなビョーキ?― 『変?』(中村うさぎ著 角川文庫)をめぐって。

2005-01-09 01:42:03 | 超読書日記
去年読んだ本でかなりいい線いっていた本のひとつがこれ。

正直言って、中村うさぎについて誤解していた。テレビで自分の整形箇所を解説していたり、ブランド物を買い漁っていたりと、ほとんどキワモノ的なイメージし持っていなかったのだけど、スイマセン。私が間違っていました。この人は凄い!

この本は、「買い物依存症」の中村うさぎと精神科医や他の依存症をもつ著名人との対談を集めたものなのだけど、まずは、まえがきでノックアウトを喰らった。

「ねぇ、みなさん。苦悩も悦楽も恐怖も快感も、そのすべてが『生きてる実感』なら、私は貪欲に味わうわ。(中略)その経過をつぶさに皆さんに報告し続けるわ。私は人生のどこかで「神」を見失った人間だ。でも絶対に、新しい「神」を見つけてみせる。」

いやあ、カッコいい!この人全然バカじゃない、確信犯だ!

本文中もアンダーライン引きたくなる箇所満載なのだけど、個人的に面白かったのは、松本侑子(女装者愛好癖)と原田宗典(鬱病)と本橋信宏(薬物依存症)の三人。

思えば私の周りも、鬱病、不眠症、拒食症、自律神経失調症から、宗教や自己啓発セミナーに行っちゃった奴、「兄貴が引きこもり」の女の子(引きこもりって長男が多いんだってね。)に至るまで千差万別。私自身もかつては不眠症の気があったし、ちょっと躁鬱はいってる感じ。

個人的には鬱病っていうのが一番厄介なんじゃないかと思っているのだけど(経験的に)、以前人から聞いた話で、アフリカのサバンナに住んでる人の鬱病治療法はリズムを取れるようにすることなんだそうだ。要は規則的に体を動かすことで前向きな心を取り戻せるということらしい。

結局、現代を前向きに生きるには何かに依存するか、体を動かすってことなのかな?私の場合は歌舞伎に依存してて、プールにたまに泳ぎに行ってるけど。あと、最近はブログにも依存してるかな…。
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