「荒川の佐吉」は千穐楽に観たい芝居でしょ!というわけで、観てきました。よかったです。新しい世代のこの芝居が誕生したなと。しかし、18世勘三郎に当代仁左衛門の名舞台の後、まさか猿之助がここまでやるとは!ということで、簡単な印象のみ。
前夜、勘九郎時代の勘三郎の初演で島田正吾と共演した「荒川の佐吉」の映像を見直したんだけど、今日の猿之助の佐吉は勘三郎のものとも仁左衛門の爽やかでセンチメンタルなものとも違う、グっと無骨な佐吉で、その名調子に酔いました。ちなみに先代の猿之助のこの芝居は1995年7月の歌舞伎座が最後らしいんだけど、わたしは残念ながら観ていません。
海老蔵の成川はちょっと歌うような調子で、実録調を想像したわたしには意外でしたけど、海老蔵なりの真山青果調ということなんでしょう。已之助の大工辰五郎ににらみを利かす場面の怖さとか、人を斬って花道に行くくだりの凄味なんかはさすがでした。
中車の政五郎は、観る前「ちょっと若いかな」と思ったんですが、台詞の説得力が強いですね。本来、島田正吾みたいな老練な役者の役だと思うんだけど、充分貫禄があって、猿之助、海老蔵を向こうに回して、大した迫力でした。演目にもよるけど、もう、この人、歌舞伎の舞台に自信を持って望んでいるんじゃないでしょうか。
あと、已之助の大工辰五郎は、浅草歌舞伎の「上州土産百両首」を思い出す好演。子役の卯之吉を演じた市川猿(さる)って子は猿之助の部屋子なんですかね。線は細いけどなかなかでした。あと、幼すぎるという声もある米吉の八重は、わたしは好きですけどね。門之助の清五郎と絡むくだりなんか繊細でよかったですよ。それに笑也のお新がクールな笑也にしては激情って感じでした。
次が、歌舞伎十八番の鎌髭と景清。鎌髭は鷹之資が口跡も姿も富十郎に似てきたな~と思ったのと、右近が楽しかった。萬次郎も存在感ありましたけどね。
景清は笑三郎の阿古屋、猿之助の重忠、猿弥の岩永はそれぞれ立派なんだけど、なんだか企画倒れというか、生かされてなかったな~。
で、どちらの海老蔵もさすがに立派で迫力があった。ゆえに、もうちょっと、直球勝負みたいな演出はなかったかなという気がしました。やはり、古典としての「暫(しばらく)」のビジュアルとか演出はたいしたものだと、新演出の荒事を観るたびに思いますね。
というわけで、気が向いたら、もうちょっと詳しく書きます。もっとも、なかなか書かないんですけどね…。
前夜、勘九郎時代の勘三郎の初演で島田正吾と共演した「荒川の佐吉」の映像を見直したんだけど、今日の猿之助の佐吉は勘三郎のものとも仁左衛門の爽やかでセンチメンタルなものとも違う、グっと無骨な佐吉で、その名調子に酔いました。ちなみに先代の猿之助のこの芝居は1995年7月の歌舞伎座が最後らしいんだけど、わたしは残念ながら観ていません。
海老蔵の成川はちょっと歌うような調子で、実録調を想像したわたしには意外でしたけど、海老蔵なりの真山青果調ということなんでしょう。已之助の大工辰五郎ににらみを利かす場面の怖さとか、人を斬って花道に行くくだりの凄味なんかはさすがでした。
中車の政五郎は、観る前「ちょっと若いかな」と思ったんですが、台詞の説得力が強いですね。本来、島田正吾みたいな老練な役者の役だと思うんだけど、充分貫禄があって、猿之助、海老蔵を向こうに回して、大した迫力でした。演目にもよるけど、もう、この人、歌舞伎の舞台に自信を持って望んでいるんじゃないでしょうか。
あと、已之助の大工辰五郎は、浅草歌舞伎の「上州土産百両首」を思い出す好演。子役の卯之吉を演じた市川猿(さる)って子は猿之助の部屋子なんですかね。線は細いけどなかなかでした。あと、幼すぎるという声もある米吉の八重は、わたしは好きですけどね。門之助の清五郎と絡むくだりなんか繊細でよかったですよ。それに笑也のお新がクールな笑也にしては激情って感じでした。
次が、歌舞伎十八番の鎌髭と景清。鎌髭は鷹之資が口跡も姿も富十郎に似てきたな~と思ったのと、右近が楽しかった。萬次郎も存在感ありましたけどね。
景清は笑三郎の阿古屋、猿之助の重忠、猿弥の岩永はそれぞれ立派なんだけど、なんだか企画倒れというか、生かされてなかったな~。
で、どちらの海老蔵もさすがに立派で迫力があった。ゆえに、もうちょっと、直球勝負みたいな演出はなかったかなという気がしました。やはり、古典としての「暫(しばらく)」のビジュアルとか演出はたいしたものだと、新演出の荒事を観るたびに思いますね。
というわけで、気が向いたら、もうちょっと詳しく書きます。もっとも、なかなか書かないんですけどね…。
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