ネットでは随分盛り上がっていますね、この話。でも、どうも違和感が…。ちょっと、JASRACのときと似てませんかね?
①反対意見多数といっても、権利者の方が少数なんだし、この問題で単純にパブリック・コメント重視なんてそもそもおかしい。単なる多数決は馴染まない問題なのではないですか?
ネットを見ていると、プロであれ、自主制作であれ、本気でものづくりに関わったことのあるひとの意見とおぼしきものは少数派ですね。
それに、なんでも無料でいいみたいな意見って、モノを作るときの経費を考えているとは思えない。ユーザーのモラル低下をみるようで、情けない感じもします。
②文化庁ももっと明確にいうべきだと思うんだけど、新しい「罪」を作る以上、限定条件をハッキリさせるべきではないですか?この点で、疑念や混乱が生じているという印象です。
挙証責任などの裁判実務を考えれば、裁判乱発なんてあり得ないわけですが、この点での誤解コメントは多数あるようですね。
>「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」からのダウンロード」を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。
少しケースは違うけど、映画盗撮防止法のように、映画館で映画の録画をしている人を著作権法30条の「私的使用」から外すというような、具体的な除外法令であれば問題ないと思いますけどね。(実際、文化庁サイドとしては、違法サイトやファイル交換ソフト対策を想定しているのでしょうけれど。)
どうも、「ダウンロード違法化」という言葉が広い意味で受け取られ、独り歩きしている印象です。(よくわかりもしないのに、「日本のネットは終わった」という類のパブリックコメントは無視していいでしょう、はっきりいって。)
③違法化反対派の津田さんという方のご意見はなかなか冷静で賛成するところも多いですし、基本ラインとして「送信可能化権」で取り締まればOKというのも分からなくはないのですが、<COPY→孫COPY>が簡単になっている時代に拡散を防ぐという意味では、従来の「私的使用」の範囲にまで切り込むのは、予防策として意義のないことではないと思いますね。
④「『違法サイトと知らずにダウンロードしてしまった場合、無意識に法を犯してしまうのでは』などといった不安…」については、よく問題にされる刑法の心神耗弱が典型で、原則として故意が立証されなければ違法行為にはならないでしょう。(たとえば、常習性が認められるケースなど)
その点、文化庁の広報が行き届かないといけないとは思います。
⑤「違法サイトからのダウンロードによる経済的不利益は実証されていない」ということを声高にいうひとがいるようだけど、だからといって「実証されてないから違法サイトからのダウンロードはOK」にはならないでしょう。
前述の津田氏の場合は、制度の実効性の観点からこの点を指摘していますが、この話題に乗っただけのブログでは、「違法サイトからのダウンロード」肯定論としか思えないものが多数ありますね。(高いから買わないんだっていう類。)
こういうモラルハザード状態のパブリックコメントは、員数外とすべきではないでしょうか?
⑥再び前述の津田氏が主張されていることで、「クリエーターに不誠実だったのはレコード会社」という部分に関しては、深く同意します。
・レディオヘッドを聴けばわかる音楽業界・ダウンロード違法化論の不誠実
わたしの「JASRAC批判」批判も音楽出版権を問題にしてきましたし、クリーエーターにお金が還元されにくい映画界の仕組みも似た側面があります。
しかし、だからといって、レコード協会や映連が権利者を代表していないかというと無理がある。
なぜなら、業界団体に所属している企業とクリエーターは著作権についてちゃんと契約書を取り交わしており、権利を預かっていることには変わりがないからです。
ですから、「クリエーターに不誠実」だから権利者は無視していいというのは、クリエーターを無視していることと同じになるでしょう。(だって、クリエーターは自分の判子を押してるわけですからね。)
つまり、JASRACのときと同様で、「クリエーターに不誠実」だから消費者が勝手にしていいなんて話は詭弁なんですよ。
以上、とりあえず。
①反対意見多数といっても、権利者の方が少数なんだし、この問題で単純にパブリック・コメント重視なんてそもそもおかしい。単なる多数決は馴染まない問題なのではないですか?
ネットを見ていると、プロであれ、自主制作であれ、本気でものづくりに関わったことのあるひとの意見とおぼしきものは少数派ですね。
それに、なんでも無料でいいみたいな意見って、モノを作るときの経費を考えているとは思えない。ユーザーのモラル低下をみるようで、情けない感じもします。
②文化庁ももっと明確にいうべきだと思うんだけど、新しい「罪」を作る以上、限定条件をハッキリさせるべきではないですか?この点で、疑念や混乱が生じているという印象です。
挙証責任などの裁判実務を考えれば、裁判乱発なんてあり得ないわけですが、この点での誤解コメントは多数あるようですね。
>「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」からのダウンロード」を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。
少しケースは違うけど、映画盗撮防止法のように、映画館で映画の録画をしている人を著作権法30条の「私的使用」から外すというような、具体的な除外法令であれば問題ないと思いますけどね。(実際、文化庁サイドとしては、違法サイトやファイル交換ソフト対策を想定しているのでしょうけれど。)
どうも、「ダウンロード違法化」という言葉が広い意味で受け取られ、独り歩きしている印象です。(よくわかりもしないのに、「日本のネットは終わった」という類のパブリックコメントは無視していいでしょう、はっきりいって。)
③違法化反対派の津田さんという方のご意見はなかなか冷静で賛成するところも多いですし、基本ラインとして「送信可能化権」で取り締まればOKというのも分からなくはないのですが、<COPY→孫COPY>が簡単になっている時代に拡散を防ぐという意味では、従来の「私的使用」の範囲にまで切り込むのは、予防策として意義のないことではないと思いますね。
④「『違法サイトと知らずにダウンロードしてしまった場合、無意識に法を犯してしまうのでは』などといった不安…」については、よく問題にされる刑法の心神耗弱が典型で、原則として故意が立証されなければ違法行為にはならないでしょう。(たとえば、常習性が認められるケースなど)
その点、文化庁の広報が行き届かないといけないとは思います。
⑤「違法サイトからのダウンロードによる経済的不利益は実証されていない」ということを声高にいうひとがいるようだけど、だからといって「実証されてないから違法サイトからのダウンロードはOK」にはならないでしょう。
前述の津田氏の場合は、制度の実効性の観点からこの点を指摘していますが、この話題に乗っただけのブログでは、「違法サイトからのダウンロード」肯定論としか思えないものが多数ありますね。(高いから買わないんだっていう類。)
こういうモラルハザード状態のパブリックコメントは、員数外とすべきではないでしょうか?
⑥再び前述の津田氏が主張されていることで、「クリエーターに不誠実だったのはレコード会社」という部分に関しては、深く同意します。
・レディオヘッドを聴けばわかる音楽業界・ダウンロード違法化論の不誠実
わたしの「JASRAC批判」批判も音楽出版権を問題にしてきましたし、クリーエーターにお金が還元されにくい映画界の仕組みも似た側面があります。
しかし、だからといって、レコード協会や映連が権利者を代表していないかというと無理がある。
なぜなら、業界団体に所属している企業とクリエーターは著作権についてちゃんと契約書を取り交わしており、権利を預かっていることには変わりがないからです。
ですから、「クリエーターに不誠実」だから権利者は無視していいというのは、クリエーターを無視していることと同じになるでしょう。(だって、クリエーターは自分の判子を押してるわけですからね。)
つまり、JASRACのときと同様で、「クリエーターに不誠実」だから消費者が勝手にしていいなんて話は詭弁なんですよ。
以上、とりあえず。
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