切られお富!

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裕次郎の夢 『黒部の太陽』上映会に行ってきた!(なかのZEROホール)

2012-12-27 22:49:00 | アメリカの夜(映画日記)
話題になっていた全国縦断『黒部の太陽』上映会の最終上映に行ってきました。場所は「なかのZEROホール」。日刊スポーツ映画賞の前夜祭で、司会の露木茂に、日刊スポーツ会長、チャンネル銀河社長、石原まき子さんに、残間里江子さんも登壇して挨拶。来場者全員にお土産がつくし、なんだか得した気分になりました。簡単なレポートです。

日刊スポーツでやっている石原裕次郎賞とも連動してるんでしょう。しかし、今年の裕次郎賞は誰なんですかね?

会場に着くと、まずお土産を渡されるんですが、中身は4,700円くらいの裕次郎写真集に「黒部の太陽」カレンダー、裕次郎のブロマイド、ファミリーマートのお菓子にリゲイン一本!チケットが2000円くらいだったことを考えると、大盤振る舞いのうえに、入場料は震災の募金になるんだとか!上映技師のギャラなどの経費はファミリーマートが持ったというし、凄い収支の会だなあ~と正直思ってしまいましたね~。

さて、映画『黒部の太陽』の方。

以前、NHKで初めてのテレビ放送がありましたが、あれは2時間の短縮版で、今回は3時間以上もある完全版。

わたしの周囲には、古い映画、珍しい映画を観ている人が少なくないんですが、この映画の完全版だけは観たという人は一人だけ!それで、どうしても観たかったんですよね~、熊井啓監督は苦手にもかかわらず!

さて、率直な感想ですが、短縮版よりはやはりよいんだけど、それほど受けた感想は変わりませんでした。いかにも熊井啓作品だなあ~と(よいときの熊井啓の社会派リアリズムって、モブシーンの躍動感にあるんで、あざとく「死」とか「悪」を象徴させる回想シーンの処理じゃないんですよ。)。

ただ、短縮版では企業PR映画みたいなダム建設映像で終わりだったんだけど、完全版はそこが違うんですね。短縮版の最後の後に、辰巳柳太郎演じる裕次郎の父親がうなされて死ぬシーンが入って、最後に肉親を亡くした三人、裕次郎、三船敏郎、宇野重吉が完成した黒部ダムに集まってくる。

新潮文庫になった監督の本にも書いてあったけど、音の処理が面白くて、特に滝沢修演じる関電社長が建設会社社長を説得くだりが凄かった!滝沢修の演技といい、蝉の効果音の使い方といい!それと、辰巳柳太郎は川島雄三監督の映画『わが町』の演技を思い出しましたね~。ある種ワンパターンなんですが、味があるというか…。

で、わかっていても、トンネル開通時の三船敏郎の演説が泣かせる~。

ということで、プリントの状態はそんなによくないし、映画用のホールじゃないので音響もモワっと広がってイマイチながら、シネスコ作品のフィルム上映を満喫できた上映会ではありました。しかし、水力発電の今後はどうなんですかね~、関電さん!

ま、大傑作とまでは思わないけど、五社協定の枠を超えて裕次郎と三船がタッグを組み、監督熊井啓の日活クビ問題にまで発展した問題企画でありながら、その年の興行ランキングナンバー1に輝いたという伝説的な映画で、最後の大型未DVD作品!石原まき子さんの元気そうでチャーミングな姿を拝めただけでも良い会だったと思います!そういえば、来年が石原プロ創立50周年なんでしたよね!明日の日刊スポーツの一面が楽しみ!

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PS:石原まき子さん=北原三枝さんといえば、川島雄三監督の『愛のお荷物』が個人的は忘れられないです!

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