世代によって、人によって、思うことはずいぶん違うでしょうが、わたしなりの感想・雑感を書かせていただきます。なお、『必殺仕事人』のことは出てきませんのあしからず。ということで、ご冥福をお祈りいたします。
(以下、括弧内は監督名)
①折鶴お千(溝口健二)
山田五十鈴の主演映画といえば、世界的に有名な溝口健二監督の2作品『浪華悲歌』と『祇園の姉妹』ということになりますが、個人的な偏愛でいえば、この作品に止めを刺す!手ぬぐいを被って、凛とした立ち姿の彼女!映画の冒頭でやられてしまいます!
②蛇姫様 総集編(衣笠貞之助)
なかなか観る機会のない映画は避けようと思ったのですが、コレだけは例外!扉から顔を出した山田五十鈴の美しさといったら!!わたしは京橋のフィルムセンターで観ましたが、まばゆいばかりの美しさでした。衣笠監督といえば、公私共に彼女のパートナーだった時代もあり、それゆえに美しく写っているんですかね~。なお、この映画では蛇姫様役は入江たか子です!
③鶴八鶴次郎(成瀬巳喜男)
成瀬作品では、通常『流れる』をあげると思うんだけど、わたしのセレクトは断然コレ!
某外国映画の焼き直しだろうがナンだろうが、これほどわたしの胸を打った恋愛映画はないですね。この映画の「青春の断念」という感覚って、オーソン・ウェルズの『偉大なるアンバーソン家の人々』と並ぶくらいの最高レベルの純度だと思う。それに、長谷川一夫と並んだ山田五十鈴ってやっぱり美しいですね!
④夜の流れ(川島雄三・成瀬巳喜男共同監督)
意外なセレクトだと思われるでしょうけど、この映画の彼女の年増役って、相当エグイです。戦後の彼女は年増役が増えるんだけど、黒澤明の『どん底』や『蜘蛛巣城』なんかだと全然色気がなくて、わたしにはもうひとつ面白くない。でも、この映画は女を描かせたら…といわれる巨匠二人の共作だけあって、ヘンに艶っぽくて、最後のカタストロフの迫力といったら!というわけで、もっと語られていい一本ですね。
⑤東京暮色(小津安二郎)
黒澤作品の彼女より、小津作品の彼女の方が意外にも色気があるというのは、映画史の謎のひとつかもしれない。有馬稲子との共演作で、小津作品では珍しく、悪天候のなかストーリーが続く不吉な作品(なお、小津映画の天気はたいてい晴れだと指摘したのは蓮実教授でしたね。)。
この映画の彼女は、「落ちぶれた」感と力の抜け方が半端ではなく、それでいて、そこはかとない色気がある。寂しさの名演といったところですかね~。
(番外篇)愛のお荷物(川島雄三)
山村聡演じる大臣が京都大学時代に付き合った芸子で、彼の子供をひそかに産み育てていた女性という、いわばチョイ役出演なんですが、貫禄がありました。でも、彼女の子供が三橋達也だというのは、④のことを考えると、ちょっと笑えます!
以上、フィルムセンターとか文芸坐で特集やって欲しいですね~。高峰秀子の訃報のときと並んで、あるいはそれ以上に深く取り上げてほしい。それが、映画業界に求められる見識だと思いますよ。それと、娘の嵯峨美智子の話はまた別の機会に。
(以下、括弧内は監督名)
①折鶴お千(溝口健二)
山田五十鈴の主演映画といえば、世界的に有名な溝口健二監督の2作品『浪華悲歌』と『祇園の姉妹』ということになりますが、個人的な偏愛でいえば、この作品に止めを刺す!手ぬぐいを被って、凛とした立ち姿の彼女!映画の冒頭でやられてしまいます!
②蛇姫様 総集編(衣笠貞之助)
なかなか観る機会のない映画は避けようと思ったのですが、コレだけは例外!扉から顔を出した山田五十鈴の美しさといったら!!わたしは京橋のフィルムセンターで観ましたが、まばゆいばかりの美しさでした。衣笠監督といえば、公私共に彼女のパートナーだった時代もあり、それゆえに美しく写っているんですかね~。なお、この映画では蛇姫様役は入江たか子です!
③鶴八鶴次郎(成瀬巳喜男)
成瀬作品では、通常『流れる』をあげると思うんだけど、わたしのセレクトは断然コレ!
某外国映画の焼き直しだろうがナンだろうが、これほどわたしの胸を打った恋愛映画はないですね。この映画の「青春の断念」という感覚って、オーソン・ウェルズの『偉大なるアンバーソン家の人々』と並ぶくらいの最高レベルの純度だと思う。それに、長谷川一夫と並んだ山田五十鈴ってやっぱり美しいですね!
④夜の流れ(川島雄三・成瀬巳喜男共同監督)
意外なセレクトだと思われるでしょうけど、この映画の彼女の年増役って、相当エグイです。戦後の彼女は年増役が増えるんだけど、黒澤明の『どん底』や『蜘蛛巣城』なんかだと全然色気がなくて、わたしにはもうひとつ面白くない。でも、この映画は女を描かせたら…といわれる巨匠二人の共作だけあって、ヘンに艶っぽくて、最後のカタストロフの迫力といったら!というわけで、もっと語られていい一本ですね。
⑤東京暮色(小津安二郎)
黒澤作品の彼女より、小津作品の彼女の方が意外にも色気があるというのは、映画史の謎のひとつかもしれない。有馬稲子との共演作で、小津作品では珍しく、悪天候のなかストーリーが続く不吉な作品(なお、小津映画の天気はたいてい晴れだと指摘したのは蓮実教授でしたね。)。
この映画の彼女は、「落ちぶれた」感と力の抜け方が半端ではなく、それでいて、そこはかとない色気がある。寂しさの名演といったところですかね~。
(番外篇)愛のお荷物(川島雄三)
山村聡演じる大臣が京都大学時代に付き合った芸子で、彼の子供をひそかに産み育てていた女性という、いわばチョイ役出演なんですが、貫禄がありました。でも、彼女の子供が三橋達也だというのは、④のことを考えると、ちょっと笑えます!
以上、フィルムセンターとか文芸坐で特集やって欲しいですね~。高峰秀子の訃報のときと並んで、あるいはそれ以上に深く取り上げてほしい。それが、映画業界に求められる見識だと思いますよ。それと、娘の嵯峨美智子の話はまた別の機会に。
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