VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

首都圏不動産神話の崩壊

2007年01月22日 | 住宅業界
 と、題した講演を
日本政策投資銀行の藻谷浩介参事役が、日本不動産ジャナーリスト会議の研修会でお話下さった。

年間400回以上講演をこなしているという事で、不動産マスコミ業界のお歴々を前に自論を軽快に展開。
「本来はド田舎の町興しや観光振興に従事してます」と言うことであるが
“人口データと現状がどう違っているか”を、できる限り各論に近づけて解説して下さった。

首都圏実働年代の人口(20-59歳)は、95年(1759万人)がピークで減少している。
さらに2005年の1740万人が、2020年には1622万人と約120万人減少する事になる。
団塊世代のリタイアによる就労人口の激減が、企業の生産性を上げ好景気指標をもたらすものの
小売販売額などの消費指標が回復しない現状が続くようである。

気付きとしては、1945・46年生まれが人口の溝であり時系列で見るといびつな減少が現れる点。
そのタイミングで、経済指標が一瞬回復基調に入ったように見える事もあるのだ。
やはり、1947年6月が大量出生の始まりという事で、今年6月以降の団塊退職が需要縮小を明らかにしてくれるという。

興味深かったのは、2000年→05年人口動態の都市別にプロットされた図で
[自然減少(出生死亡)だが社会増加(人口流出入)]に我が逗子市もプロットされていた。
高齢者率は神奈川一なので、もっと人口減かと思ったら転入が少々多いようだ。
    
リゾート系を見ると、軽井沢・石垣島が増増。箱根・日光が減減だ。
団塊の世代リタイア前に、既に人の動きは都市に格差をもたらしているようだ。

ただ、消費額の指標からは東京・大阪が落ち込む中、以外に地方が持ちこたえている事を解説。
マスコミに地域格差・一極集中は面白く書かれるが、事実は違うと数値で解説。

あと住宅に関しては、団塊リタイアと共に地価下落は08年から一層拍車がかかるという事。
そんな中では、中低層で需要の変化に対応できる住宅か
コンバージョン可な中層オフィス、以外は市場価値があると思えないとう厳しいお言葉。

その外とても、気付きが多い講演だった。