VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

三井不の長期経営計画

2007年05月09日 | 住宅業界
三井不動産グループの長期経営計画「新チェレンジ・プラン2016」が
岩沙社長、曽田副社長らが出席して、日本橋のマンダリンオリエンタル東京で発表された。
  
03年~08年の「チャレンジ・プラン2008」における営業利益目標1600億を、2年前倒しで06年度達成したことによる
次期計画の発表ということで、かなり景気の良い話であった。

グループのコアビジネス「保有事業」「開発事業」「マネジメント事業」のバランスも目標としていたが
マネジメント事業(ファンド中心に)の急成長により、「保有事業:44%」「開発事業:28%」「マネジメント事業:28%」と
理想的なバランスで成長、岩沙社長は「非資本集約的な事業経営になった」と表現された。
  

新プランでは、10年後のあるべき姿を事業内容から数値にまで落として提示。
フリージャーナリストの仲間、阿部氏からの「これはゴーン式のコミットメント(達成しなければ辞める)か?」と
質問したくなるのも分かる高成長、イケイケの内容であった。ちなみに「達成しなかったら辞める訳ではない」と。

社会・経済の変化を‘成熟化’‘グローバル化’の観点から分析し、07-11年と12ー16年の2ステージに分けた計画。
前半5年では、3つのコアビジネスを強化し収益性に優れたモデルを構築し
後半5年で、グローバルな展開を本格化させるという。

住宅分譲事業では、7000戸/年の供給体制を早期に達成する為に、既に約25000戸の用地は取得済みで
昨年の製販一体体制への再編:三井不動産レジデンシャルの成果もあり、利益率10%を超えるレベルになるようだ。
今後、単身向け住宅・サービスやリゾートや海外物件にもバリエーションを広げていく勢い。

東京ミッドタウンOpenも華々しく飾り、営業利益でも三菱地所を抜く勢いの三井不動産。
グループの09年利益目標は、年11%成長の2200億円。賃料相場も同程度の成長を見込んでいるとのこと。

こんなに調子が良いと何か落とし穴がありゃしないかと不安になるくらいのお話だった・・・
岩沙社長も「税制等に大きな変化が無い前提の数字」とはおっしゃっていたが。
願わくは、収益重視のREITを中心に住宅において負の遺産だけは残して欲しくないものだ。