シーギリヤのホテルからキャンディまでは約4時間かかった。
スリランカは小さな島国だが古代遺跡や8ヶ所もの世界遺産が点在している。
シンハラ王朝最後の都、キャンディも「聖地キャンディ」として世界遺産に登録されている。
王朝の象徴であった仏歯(釈迦の左の犬歯)は遷都のたびに運ばれ、現在ではキャンディの「仏歯寺」に安置されている。
この歯は王位継承の印とされていた。
スリランカにとって仏歯はなくてはならない国の宝の1つになっていて、歯が安置されている「仏歯寺」は仏教徒の聖地になっている。
キャンディに着いて最初に行ったのがマーケットの見学だった。
マーケットは地元の人と観光客で賑わっていた。
中庭はきれいに手入れされていて、1階には食料品、2階には衣類やお土産物などのお店が並んでいたが、お世辞にもきれいとは言えず、やはり他の東南アジアの国と同じように、臭いがきつかった。
ここのイチオシはスパイスだとか。
定番の物から珍しい物まで種類も豊富で値段も安かった。
買い物を終えてから仏歯寺に向かった時は夕方になっていた。
周りは薄暗くなっていたが、車窓から仏歯寺の南に広がるキャンディ湖はよく見えた。
この湖はキャンディのシンボルで、王朝最後の王であったスリー・ウィクラマ・ラジャシンハによってられた人造湖。
かつては湖に浮かぶ島には王のハーレムがあったと伝えられている。
[キャンディ湖]
[仏歯寺]
仏歯寺は真っ白な八角形をしたシンハラ建築の建物だった。
プージャと呼ばれる礼拝の時間が1日に3回あり、その時にのみ仏歯の祀られている部屋が開放されるらしい。
ガイドさんは夕方6時半の礼拝の時間に合わせてこのお寺に連れてきてくれたようだ。
でも、実際見ることができるのは仏歯が祀られている入れ物だけで、仏歯自体は見ることができない。
それなのにどの時間帯も仏歯を一目見ようとたくさんの人が訪れるということだった。
セキュリティチェックを受けて敷地内へ入った。
本堂の脇で靴を脱ぎ、堀を渡って中へ入ると、ゾウが通れる大きさになっているというアーチ型天井の通路があり、「ペラヘラ祭り」の様子が描かれた壁画がたくさんあった。
「ペラヘラ祭り」はアジア三大祭りのひとつとされていて、7~8月ごろ、およそ1週間にわたって仏歯を納めた容器を背に乗せ、電飾で飾られたゾウを先頭に音楽隊やダンサーなどの一団が街中を歩いてパレードするお祭り。
現在では仏歯に敬意を払うことの他に、仏歯は恵みの雨をもたらすと言われているため雨乞いの儀式を合わせているらしい。
「ペラヘラ」とは行列を意味する言葉だとか。
壁画の通路から先へ進むと、仏歯寺の中で一番古い2階建てのお堂があった。
そのお堂の2階に仏歯が祀られているので、階段を上って2階に向かうのだが、とにかく人が多い。
周りには素晴らしい彫刻や絵があるのだが、ただ押し流されているだけで、全く見ている暇もなかった。
1階に太鼓を持った人が2人現われ、太鼓とラッパの演奏が鳴り響きてプージャの時間になった。
この時、2階ではいつもは閉じられている祭壇の扉が開いた。
仏歯の入った金色の入れ物は全員がゾロゾロと歩きながらチラ見するだけだった。
一応は見たけれど、何だかなぁといった感じだった。
もしここで見られなくとも、1階の祭壇の脇に設置されたモニターでその映像を鑑賞することも可能だったらしい。
こっちの方がはっきりとしていたかも。
仏歯寺を出てからは近くの劇場に行き、「キャンディアンダンス」の鑑賞もした。
キャンディアンダンスは、数分程度の演目がいくつか組まれ、それぞが違った演出になっていたので、結構面白かった。
スピード感あるダンスや曲芸、アクロバットのようなもの、最後はファイヤーダンスで燃える火の上を裸足で歩くといったような演目あった。
[キャンディアンダンス]
キャンディアンダンスの鑑賞後はすぐ近くにある「クイーンズホテル」に向かった。
このホテルで2泊することになっていた。
仏歯寺の真正面にある立派なホテルで、コロニアル調の歴史あるホテルらしく、キャンディでは有名なホテルのようだった。
明日はヌワラエリヤに行き、再びキャンディに戻ってくる予定。