2日目は朝からシーギリヤから車で1時間ほど北西方向にあるダンブッラに向かった。
ダンブッラには岩山の頂上に「黄金寺院」がある。
このお寺は石窟寺院となっていて岩をくり抜いた天然の洞窟に仏像や極彩色の壁画がある。
そして、ここはスリランカ国内で最も保存状態が良い石窟寺院と知られていて、世界遺産にも登録されている。
車で走行中、前方に建物の上に大きな黄金の仏像が見えてきた。
この建物は博物館で、その上に仏像が乗っていた。
この博物館の右手にある入場券売り場で入場券を買ってから、左手にある長くてきつい階段を登っていったところに「ダンブッラの黄金寺院」があった。
この周辺には80以上もの洞窟があるらしい。
そしてそれぞれに仏像や絵画が描かれているとのことだった。
見学できるメインの洞窟は第1から第5までの洞窟に分かれていた。
中に入るときは土足厳禁で、裸足になって入らなければならなかった。
ここだけでなく、これ以降ずっとすべての寺院見学は裸足だった。
入り口から遠いところにお寺がある時などは小石のゴロゴロしている道を裸足で歩かなければならない場所もあった。
「黄金寺院」はこのように大きな岩を繰り抜き、建物が造られていた。
中に入ったときは女子学生の一団と一緒だった。
入ってすぐの右手、第1窟は「聖王の石窟」。
高さ14mの釈迦の涅槃(ねはん)像が安置されていた。
涅槃像とはお釈迦様の入滅(亡くなった)姿だとの事で、それが分かるのが左右の足の裏が微妙にずれているからだとか。
建国の王様ウィジャヤの手が真っ赤だったことにちなんで、この涅槃仏の手のひらと足の裏は真っ赤になっているらしい。
第2窟「マハラジャの石窟」。
黄金寺院で最大規模の石窟で、16体の釈迦の立像と40の釈迦の座像、涅槃像が安置されている。
壁や天井に描かれているのは、仏陀の生涯や戦争といった、スリランカの歴史をモチーフとしたフレスコ画。
この第2窟の中に天井から湧き水がしみ出て、ポタポタと滴り落ちている場所があった。
この水は聖なる水らしく、病気を治す効力があると信じられているらしい。
また、儀式を行う際に、僧がこの水を飲むと数日間飲食しなくともは過ごせるとのこと。
5ヶ所の洞窟に入ってみたが、大きさが違うだけで同じような仏像と壁画ばかりだったので、宗教心のない自分には区別がつかなかった。
正直同じような物が続いて最後の方はちょっと飽きてきた。
写真もどの洞窟のものなのかも分からなくなってしまった。
洞窟内の写真撮影は許可されていたが、仏像と一緒に撮影したり、仏像に背を向けて撮影するのは禁止だった。
洞窟の前の池に咲いていたスイレン。
鋸葉になっているので「熱帯性スイレン」だと思う。
仏像よりもこういったものの方が目に付いた。
午前中に「黄金寺院」の見学を終え、午後からはアヌラーダプラへ向かった。
約2時間かかった。
聖地アヌラーダプラは紀元前5世紀から紀元11世紀にかけて、スリランカの民族であるシンハラ人の王朝として繁栄した古都で、現在では「聖地アヌラーダプラ」として世界遺産に登録されている。
アヌラーダプラに入ってから最初に寄った場所が「イスルムニヤ精舎」。
ここはアヌラーダプラの中でも古い仏教寺院で、本堂は大きな岩を彫って造られており、通称「ロック・テンプル」と言われている。
[仏像が納められている本堂]
本堂の中には涅槃仏があり、これは日本の浅草寺が援助して色の塗り替えをしたらしい。
本堂の後ろには大きな岩と最近建立されたダーガバ(仏舎利塔)があった。
そして手前には大きな池があり、この池は沐浴場となっていた。
本堂脇の岩には沐浴するゾウが掘られていた。
街を走っているといくつかのストゥーパ(半球状の仏塔)が見えてきた。
大きなものも小さなものもあった。
でも、このストゥーパは後回しにして先に「スリー・マハー菩提樹」に向かった。
スリー・マハー菩提樹は仏陀がその下で悟りを開いたといわれているブッダガヤの菩提樹を分けたもので、現存する最古の菩提樹らしい。
菩提樹は鉄柵で囲まれていて、ただ「大きな菩提樹」とは分かってもあまり神聖さは感じられなかった。
ここに来るまでの道には猿がたくさんいた。
塀や屋根の上、あらゆるところを走り回っていた。
トクモンキー、ハイイロオナガザルと教わったが両方とも尾の長いサルだったので、区別はつかなかった。
この後は先程見かけた「ルワンウェリ・サーヤ大塔」へ。
このストゥーパは大きくてこの街のシンボルになっているようだった。
大勢の信者たちが参拝していた。
やはりここもずっと手前から裸足になって歩いた。
高さは55mあり、紀元前2世紀に建設されたとのことだった。
巨大な仏塔の下には取り囲むように黒い象の彫刻があり、仏塔を守っているようだった。
大きなストゥーパと比べて小さいものもあった。
次に行ったのがやはり白い仏塔である「トゥーパーラーマ・ダーガバ」。
先に見たルワンウェリ・サーヤ大塔と比べるとかなり小さめだが、アヌラーダプラ最古の仏塔で、仏陀の右鎖骨が収められているという由緒ある仏塔らしい。
参拝客もあまり見かけなかったためか、こちらの仏塔の方が良かった。
[トゥーパーラーマ・ダーガバ]
こうしてアヌラーダプラの観光も終わり、再びシーギリヤのホテルに戻った。