前日のホテルがある五所川原から五能線、奥羽本線を乗り継いで鷹ノ巣駅まで来た。
ここから角館まで秋田内陸縦貫鉄道の旅が始まった。
秋田内陸縦貫鉄道はその名前の通り、秋田県を縦断するローカル線で、沿線は「田んぼアート」や「マタギ文化」がある場所としても有名になっている。
角館と鷹巣間の95kmほどの距離を約2時間半くらいかけて走っている。
何度か経営難で話題に上ったりしたが、女性車掌や運転手を登用したりして工夫し、今でも頑張っている。
「鷹ノ巣駅」はJR奥羽本線の駅名、「鷹巣」は縦貫鉄道の駅。
読み方は一緒でも「ノ」が入っているか入っていないかで違っていて紛らわしい。
改札は別だったがホームは一緒になっていた。
鷹巣駅から乗り、しばらくの間窓の外は住宅街だったが、だんだんと山の中に入って行った。
最初の見どころの「大又川(おおまたがわ)橋梁」が見えてきた。
笑内(おかしない)駅」と「萱草(かやくさ)駅」の間にあるこの橋は、人気のスポットになっていて、ポスターなどにもよく使われている。
ここではスピードを緩めてくれた。
[車内からの大又川橋梁]
[線路に並走している国道]
列車の中ではアテンダントの女性が停まる各駅のことを説明してくれていた。
例えば「阿仁マタギ駅(あにまたぎ)」周辺にはまだ現役のマタギが住んでいるとか、「笑内駅(おかしない)」のお菓子屋さんのチーズ饅頭が美味しいとか、「上桧木内駅(かみひのきない)」は毎年2月に紙風船上げが行われているなどと、沿線の情報をおもしろおかしく案内してくれながら、車内販売で名物の「もちもち三角バター餅」を売るのも忘れていなかった。
そしてほとんどが無人駅だったが、駅舎にはその駅での名所や行われている行事などの看板が掲げられていた。
マタギの里として知られている。
また、この駅から山奥に入ると日本の滝100選で2位に選ばれた、素晴らしい「安の滝(やすのたき)」があるが冬場は閉鎖されているので、今回は行けなかった。
でも、この駅の近くには「打当温泉(うっとうおんせん)」があるので寄ってみることにした。
無人駅を降りたところには張り紙があり、「電話すれば迎えの車が来る」となっていたが、歩いてみようと思い、周りは雪の壁になっている道路を2kmほどを歩いて行った。
後から聞いた話だと、クマが出没することがあるから、歩きはオススメしないとのことだった(@@;)
「打当温泉 マタギの湯」は大きな公共の宿のような造りの宿泊施設で、立ち寄り湯も可能だった。
館内に入ると「マタギ資料館」があり、マタギの狩猟道具や装束など、たくさんのものが展示されていた。
お風呂は大きな内湯と隣接して石造りの広めの半露天風呂があり、下には打当川が流れていた。
お風呂は少し赤茶けた色で、鉄と硫黄臭がほんのりとあった。
面白かったのが湯口がクマの頭になっていたこと。
この宿ではマタギの話を聞いたり、「安の滝」までマタギと一緒に歩いたり、「かんじき」歩き体験をするなど、季節ごとに様々な企画を用意してあるらしい。
帰りは車で駅まで送ってもらい、再び秋田縦貫鉄道の旅を続けた。
角館まではずっと雪の中を走っていた。
そして、この日は角館の「花葉館」に泊まった。
角館の過去記事 → 「角館」