南会津の『湯ノ花温泉』へ行ってきました。
女性4人で集まった時、突然思い立ったように話が決まりました。
何も計画を立てずに宿だけを決め、ただ温泉と美味しい食べ物が目的で、宿は「古民家の宿 山楽」に決めました。
この宿は数ある予約サイトでは扱いがなく、観光協会のホームページから探しました。
最近ではこのように宿直接に予約することが多くなりました。
予約サイトはとても便利なのですが、宿直接だとメールや電話でその宿の雰囲気が分かりますから・・・
湯ノ花温泉に入ってから少し走り、集落の中心から少し離れたところに宿の看板が見えました。
それを目安に行くと、普通の家のような外観の「山楽」がありました。
池のある広い庭と縁側にはたくさんの赤いカボチャが並べて干してあり、昔懐かしい、ほっこりとした感じでした。
「山楽」は古民家の宿とうたっているように、 築130年の曲り家になっています。
(宿の全景など、写真を撮るのを忘れました(^^;))
「曲家(まがりや)」はL字型の形をした茅葺屋根の家です。
雪深い会津では冬の間、馬の世話をするのにわざわざ外の馬屋まで行かずに家の中で世話ができるように、家の中に馬屋があったのです。
「山楽」は田舎の家に来たように、玄関に入るとすぐに広い土間、奥には居間と台所が見えました。
声をかけたら調理中だったらしい、奥様が手を拭きながら出てこられ、すぐに部屋へ案内してくれました。
1階は家族の居住スペース、食堂などがあって、通された部屋は2階の12畳もある大きな部屋でした。
この日は他にはお客様がいなかったようで、広い部屋を用意してくださったようです。
2階に上る階段が急でしたが、広かったし手すりはちゃんと付いていましたので大丈夫でした。
ただ、トイレと洗面所が1階にしかないため、これはちょっと年寄りには不便だったのです。
部屋の中にはお茶セットが用意されていて、お茶をいただきながら、奥様から外湯の説明がありました。
今はこの宿のお風呂は使用しておらず、外湯を利用することになっているそうなのです。
湯ノ花温泉には共同湯の外湯が4ヶ所あります。
当日1日のチケットが300円、これでどの共同湯でも、何回でも入ることができるのです。
一休みしてから共同浴場をのぞいてみることにしました。
宿の玄関には共同浴場に持っていくためのお風呂セットがいくつか置かれていたので、そのカゴをぶら下げて川沿いの道を歩いて行きました。
宿のすぐ前、橋を渡ったところには大きな「湯端の湯」がありましたが、近いからここは最後に入ろうと決めました。
他のお風呂を探しながら歩いていると珍しい物を見つけました。
大きな木の中に彫られた天女でしょうか?
さて、一番近い「天神湯」に入ってみました。
3~4人でいっぱいになってしまうくらいの大きさでした。
少し熱めのお湯だったけれど、気持ちよく入っていたところへ、突然男性が声をかけて入ってきたのです。
ここは混浴だったのです、知らなかった(≧◇≦)
ところが、男性の方が遠慮してくれました(何しろこちらは大昔のお嬢さん4人でしたので・・・)
また誰か来るかもしれないからと、この「天神湯」は早々に引き上げました。
その次のお風呂は道路を挟んだ向こう側のお風呂でした。
そこは大きな「弘法の湯」、男女別で左側が女性用でした。
大きな浴槽で、お湯はオーバーフロー状態でした。
前に入った「天神湯」ほど熱くなく、先客もいなかったので、今度こそはゆっくりと入ることができました。
お風呂から上がったら雨が落ちてきたので、最後に入ろうと思った「湯端の湯」は諦めて宿に戻りました。
4ヶ所のお風呂をはしごするつもりが2ヶ所だけで終わりになってしまいました。
宿に一番近い「湯端の湯」、もしも次があったら絶対に入ると決めました。
外も暗くなり、6時になったので夕食の時間です。
食堂に降りて行くと既に、奥様手作りの料理が並んでいて、囲炉裏ではご主人が「イワナ」を焼いてくれていました。
最初にテーブルに並べられていた料理。
イワナの塩焼き---宿のある舘岩地区は渓流釣りの里、イワナの里です。
イワナの卵、奥はアケビの皮の田楽。
イワナのお刺身と宿の畑で採れた野菜の天ぷら。
すべての料理が美味しく、更に十割の裁ちそばも、これまたコシがあって、とにかくすべてが美味しかったのでした。
朝はキノコのおこわを炊いてくれました。
ご夫婦が私たちと同年代らしく、話も弾み楽しい時を過ごすことができました。
茅葺屋根の「山楽」は田舎に帰ってきたようで、とても居心地の良い宿でした。
古い家ですが、きれいに改装されています。
トイレが1階にしかないのが不便でしたが、それ以外は何不自由なく過ごすことができました。
食事ももちろん美味しく、珍しい物も食べることができました。
何よりもご気さくなご夫婦がとっても良かったと思っています。