奥鬼怒4湯の中の一つ、「加仁湯」に行ってきました。
奥鬼怒4湯は、加仁湯、八丁の湯、日光澤温泉、手白澤温泉の4つで、泉質の異なるそれぞれの温泉に1軒ずつの宿があります。
その中の「加仁湯」はにごり湯など、泉質が異なる5本の自家源泉を所有していて、温泉が自慢の『秘湯の一軒宿』です。
奥鬼怒温泉郷は環境保全のためマイカーの乗り入れが禁止されています。
だから4軒の宿に行くためには約4.5kmの山道を歩いて行かなければなりません。
ところが加仁湯と八丁の湯は宿泊者のみ送迎バスがあるので、山歩きができない人も気軽に行くことができるのです。
女夫淵温泉駐車場からの送迎バスは8kmの林道を走って、玄関前に到着しました。
玄関の右側には誰でも自由に渓谷を眺めながら利用できる足湯がありました。
おなじみの提灯のぶら下がった玄関です。
玄関を入ると正面がフロント、その前にはソファーが置いてあるロビーと売店があり、左手には囲炉裏の部屋。
囲炉裏のある部屋はこの辺りに生息する動物の剥製がたくさん置いてありました。
山奥の宿なのですが、結構大きくて客室数は52室もあります。
建物も本館と積善館は鉄筋4階建て、あすなろ館は木造2階建てに分かれています。
渓流沿いに建っているため、玄関のある場所は本館の2階で、1階はお風呂や食事処になっています。
用意された部屋は本館2階でしたので、フロント後ろから両脇に部屋がある長い廊下を進みました。
廊下の一番奥、お風呂に近い部屋で、10畳に踏込みのある和室でした。
[部屋の窓から見える紅葉]
紅葉も最盛期だと言われましたが、残念ながら今年の紅葉はイマイチのようでした。
加仁湯のオーナーは「今年は寒暖差がなくて、赤い色が出ない」と嘆いていました。
それでも部屋から見える切り立った柱状節理に映える紅葉は素晴らしいものでした。
温泉のこと
加仁湯は温泉を楽しむ宿です。
5本もの源泉がありますから、お風呂の数も多くて温泉三昧です。
男女別に洗い場とシャワーのある内湯があり、その他はすべて露天風呂です。
その中で第一露天風呂だけが女性専用ですが、その他のお風呂は混浴です。
そして、露天風呂のすべてに洗い場やシャワーなどはありません。
[第一露天風呂・女性専用]
すぐに第一露天風呂へ。
まだ明るい内だったので、目の前の赤・黄の木々を眺めながら入りました。
ほのかに硫黄の匂いが香る白濁したとっても良いお湯でした。
宿泊者は同年代が多いようで、初めて会った人同士でも和気藹々と話しながらお長々と風呂を楽みました。
『第三露天風呂』
混浴の濁り湯です。
脱衣所は男女別になっているので、入り口は別々、お風呂は混浴です。
男性専用の露天風呂がないので、いつでも誰かが入っているようです。
でも、1人2枚のバスタオルが用意されていますので、バスタオルを巻いて入っても良いことになっています。
温泉三昧です。
次は『ロマンの湯』にも入りました。
[ロマンの湯の入り口にあった看板]
『ロマンの湯』には源泉の違う5つの小さな湯船があって、”利き湯”を楽しむようになっています。
4種類の泉質の温泉をそのまま小さな湯船に流し込んであります。
白濁した温泉、硫黄分を含まない透明な温泉など成分の違う温泉が4種類あります。
温度もそれぞれ違うので、入り比べるのも面白かったのですが、ここも混浴なのです。
だから、誰もいないのを見計らって入りました。
外は既に暗くなっていたので、星がとてもきれいに見えました。
星を眺めながら温泉に入りました。
このように板塀で囲まれた小さな湯船が5つ並んでいます。
2~3人しか入れないような小さな湯船です。
『内湯』
内湯は1階にあり、ここだけが洗い場やシャワーがあります。
この他にも渓流沿いに『第二露天風呂』、『かもしかの湯』、『貸切風呂』などがありますが、1泊ではとても回りきれませんでした。
食事のこと
食事は全員が一緒に、1階の広間でいただくようになっていました。
長テーブルがグループごとに区切られていました。
食事内容は山菜が中心で、あまり手作り感はなくて少し物足りなさがありましたが、温泉湯豆腐などそれなりの工夫はされているようでした。
山奥ということもありますので、仕方ないと思います。
加仁湯は温泉を楽しみに行くところです。
人里離れた秘境の温泉に入りたい人にはオススメの場所です。
山歩きすることもなく、誰でも気軽に行けますから。
冬も送迎バスが運行されていますので、雪見風呂も趣があっていいかもしれません。
翌朝、送迎バスを遅い時間にして、すぐ近くの八丁の湯まで散策しました。
昨日来たときよりも木々の紅葉が鮮やかになっているのが分かりました。
[加仁湯付近の紅葉]