12月19日(土) 明治大学リバティアカデミー オープン講座「バンジョーの響き-その誕生から現在まで」を受講してきました。
フレイリング・スリーフィンガー・フラットピッキング----それぞれの奏法の第一人者の素晴らしい演奏を楽しみながら、興味深いお話をいろいろうかがうことが出来ました。
司会・進行とフレイリング奏者として演奏してくださったのは石川修次先生。6本のバンジョーを持参されて、お話をいろいろ織り交ぜながら演奏を聴かせてくださいました。用意された資料は写真がたくさん載っていてとてもわかりやすかったです。また、大西洋を中心とした地図はアイルランドとアメリカが海をはさんで向かいあっており、こんなに近いんだと実感することが出来ました。
続いてはスリーフィンガー奏者の原さとしさんとフラットピッキング奏者の青木研さん。
違う奏法のお二人がぴったり息のあった“Dueling Banjos” を弾いて会場後方から登場されました。
原さんは「黒船ペリーのミンストレル・ショー」の再現をライフワークにされているそう。文献として残っている公演のプログラムと同じ日に同じ曲を演奏するというこだわりようです。曲の演奏だけでなく、プログラムにあるお芝居まで再現したら・・・いつかNHKのBSあたりで番組になるかもしれませんね。
すみません、青木さんのソロのお写真はぽやけてしまったので御紹介できません。。。m(__)m
フラットピッキングを使って4弦バンジョーで弾いた“アルハンブラ宮殿の思い出”はお見事でした。
最後は講師3名揃っての演奏 “箱根の山は天下の険” 。
奴隷貿易が盛んだった17世紀、奴隷船に乗って渡ってきた西アフリカの民族楽器「アコンティング」をルーツとするのでは・・・というところから始まって
1830年代、ミンストレル・ショーの流行と、南北戦争で北軍勝利の後のミンストレル・ショーの衰退。
1920年代になってディキシーランドジャズが流行るとテナーバンジョーが登場し、1940年代 スクラッグスがスリーフィンガーでブルーグラススタイルのバンジョーを弾き始めます。
そんなバンジョーの歴史をざっくりとたどりながら、オールドタイムやブルーグラス、そしてジャンルを超えた素晴らしい演奏を生でたっぷり楽しめるという
とても中味の濃い充実した2時間半でした。参加して良かったです。全体をコーディネイトして演奏もしてくださった石川先生、そして原さん、青木さん、どうもありがとうございました。
ガーゴイルやライオン頭部の装飾やネックのほぼ全域に施されたインレイは楽器というより芸術工芸品ですね。興味深いお話、面白かったです。
こちらこそありがとうございました。