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韓国映画にしてはめずらしい淡々さと黙々さがあった『野球少女』

2021年03月10日 21時09分40秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:24/43
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】
韓国映画
ヒューマンドラマ
スポーツ
野球

【あらすじ】
青春の日々をすべて野球に捧げ、
〈天才野球少女〉と称えられてきたチュ・スイン(イ・ジュヨン)。
高校卒業を控えたスインは、
プロ野球選手になる夢を叶えようとするが、
〈女子〉という理由でテストさえ受けさせてもらえない。

母や友だち、野球部の監督からも、
夢をあきらめて現実を見るようにと忠告されてしまう。

「私にもわからないらない私の未来が、なぜ他人にわかるのか」。

自分を信じて突き進むスインの姿に、
新しく就任したコーチ、チェ・ジンテ(イ・ジュニョク)が心を動かされる。

同じくプロになる夢に破れたジンテは、
スインをスカウトの目に留まらせるための作戦を練り、
特訓を開始する。

次々と立ちふさがる壁を乗り越えたスインは、
遂にテストを受けるチャンスを掴むのだが──。

【感想】
日本でも大人気の『梨泰院クラス』(僕はまだ観てないけどw)のイ・ジュヨン主演で、
実在した韓国の女性野球選手をモデルにした映画。
これは僕がこれまで観てきた韓国映画において、
2つの点でめずらしいなと思ったよ。

まず、スポーツモノってところ。
日本で公開される韓国映画の多くは、
アクションかラブストーリー。
そこでまさかの野球っていう。

もうひとつ、これは大きいのだけど、
メッチャ淡々としてるなって。
アクション映画のように派手なバトルも、
恋愛映画のように振り切ったキャラクターもいない。
ただひたすら、野球のトレーニングを日々積み重ねているのだ。

逆にそこが、個人的にはハマるところだった。
野球が題材となってはいるけど、
よくあるような仲間との協調性やチームプレーの大切さなんて一切ないから。

あくまでも、スインがプロになるまでの過程で感じた
悔しさ、理不尽さに苛まれながらも、
やれることをひたすらやるという、
その一点のみ。
そこが、野球という集団競技の中で"個を描く"という
新しい切り口につながっているなーって感じた。

むしろ、陸上や水泳などの個人競技を経験した人の方が、
この黙々とやる感じは共感しやすいかもしれない。

話としてはね、「努力は必ず報われる」という方向性ではあるんだ。
けれど、綺麗にトントン拍子に進んでいくのではなく、
逆に「これ、夢破れる話なのかな。。。」
って思うぐらいに辛く厳しい現実を突きつけられる。
だからこそ、決してあきらめずに
ただ前だけを見つめて進んでいくスインの姿に引き込まれる。

野球をやっている人からしたら、
男子と女子が同じ土俵で戦うこと自体に
現実離れしていると感じるかもしれないけど、
主人公が黙々とやれることをやり続けるというのが、
これまで観てきた韓国映画とはずいぶん違う雰囲気で面白かった。

ちなみに、主人公のモデル自体は実在しているけれど、
その人は自身の実力が認められる形で、
男子と共に公式戦に出たわけではなく、
大人の事情で出ただけとのこと。

映画『野球少女』公式サイト

「梨泰院クラス」イ・ジュヨン主演最新作。プロになる夢をあきらめない〈天才野球少女〉一人のコーチと出会い、彼女は突き進む────。わたしの未来...

映画『野球少女』公式サイト