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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

ここでもエジソンは嫌なやつだった『テスラ エジソンが恐れた天才』

2021年03月28日 19時26分42秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:50/58
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
伝記映画
電流戦争
発明家
トーマス・エジソン
二コラ・テスラ

【あらすじ】
1884年、移民としてニューヨークへやってきて、
憧れのエジソン(カイル・マクラクラン)のもとで働き始めたテスラ(イーサン・ホーク)。
しかし、直流か交流かで対立し、訣別してしまう。

独立したテスラは、
実業家ウェスティングハウス(ジム・ガフィガン)と手を組み、
シカゴ万国博覧会でエジソンに勝利する。

時代の寵児となったテスラは、
大財閥J・P・モルガン(ドニー・ケシュウォーズ)の娘アン(イヴ・ヒューソン)と交流し、
モルガンから莫大な資金を得て、
「無線」の実現に挑戦する。

だが、研究一筋の繊細な心が、
実業界や社交界と不協和音を立て始める──。

【感想】
エジソンほど有名ではないけれど、
現代の電力技術を語る上でなくてはならないのが、
この二コラ・テスラ。
彼のおかげで、
我々は電気を使うことができていると言っても
過言ではないかもしれない。

そんなテスラの半生を綴った伝記映画ではあるのだけど、
正直面白いとは言えないものだった。
これ、監督が脚本を書き上げたの1980年代初頭らしいんだけど、、、
書き直した方がよかったのでは(笑)

単純にわかりづらい、内容が。
これは、テスラについてある程度知っておかないと、
この映画だけですべて理解するのは難しいだろうな。

結局、何が成功で何が失敗だったのか、
その区切りが明確でないまま、
どんどん次の話に進むから、
観ている方としては置いてけぼりを食らう感じ。

何かひとつのことを突き詰めていく中で、
挫折や対立があり、
最後に大成功したっていう話なら、
もっと理解しやすいんだろう。

ところが、本作はエジソンとの確執からウェスティングハウスとの提携、
J・P・モルガンからの出資に至るまで、
いろんなエピソードが淡々と進んでいく上に、
理科の講義のような話もあるので、
わかりづらい上に退屈だったりする。
まあ、史実なので仕方ないのだけれど。

その中で、唯一特徴的なところがこの映画にはあって。
それは、時折アンがファシリテーターみたいな役割を果たしているところ。
彼女が第四の壁を破るかのごとく、
観客に向かって、
登場人物の生い立ちや当時の社会情勢を補足してくれるんだよね。

ただ、登場人物に対する理解は深まっても、
ストーリー自体がわかりやすくなるわけではないんだけど(笑)

あと、この映画は昨年やった『エジソンズ・ゲーム』とほぼ話が同じで。
あっちはエジソンに焦点を当てて、
こっちはテスラに焦点を当てているだけの違い。
しかも、そっちの映画も単にエジソンの悪あがきが過ぎるっていうだけで、
あんまり面白くなかったな。。。

でも、いずれの映画でもエジソンが
けっこう嫌なやつで描かれているのはちょっと笑ってしまう。
小学校の頃の伝記漫画とか読むと、
エジソンってとにかくいろいろ発明したすごい人
っていうことだけしか書かれてないけど、
人柄としてはかなりのアスペ&サイコな気がしてる(笑)

テスラなー、
扱う人物としては非常に興味深いだけに、
ちょっと残念な映画だった。

彼が現代を生きていたらっていう
ファンタジー設定の話の方が個人的には楽しめそうかな(笑)
タイムスリップして過去に戻って偉人と会うっていう話はあるけど、
過去の偉人が現代にいたらっていうのは、
直近では『帰ってきたヒトラー』および『帰ってきたムッソリーニ』ぐらいしかないから。

映画『テスラ エジソンが恐れた天才』| 公式ページ | CineRack(シネラック)

彼がいなければ世界は100年遅れていた。電流戦争でエジソンに勝利した〈天才発明家ニコラ・テスラ〉の謎に満ちた半生を、イーサン・ホーク主演で描...

CineRack(シネラック)

 

いろんな解釈が生まれそうな『水を抱く女』

2021年03月28日 19時07分29秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:42/57
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
ミステリー
精霊

ヒロインの失踪

【あらすじ】
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ(パウラ・ベーア)。
彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、
博物館でガイドとして働いている。

恋人のヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)が別の女性に心移りし、
悲嘆にくれていたウンディーネの前に、
愛情深い潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)が現れる。
数奇な運命に導かれるように、
惹かれ合う2人だったが、
次第にクリストフはウンディーネが
何かから逃れようとしているような違和感を覚え始める。

そのとき、彼女は自らの宿命に直面しなければならなかった…。

【感想】
RPGで遊んだことのある人なら
一度はその名を耳にしたことであろう水の精霊ウンディーネ。
本作は、そのウンディーネをモチーフにしたラブストーリーだ。

こう書くと、ファンタジー感あふれる映画だと思われそうだけれど(僕もそうだった)、
実際はもっと謎めいた内容で、
人によって解釈が分かれそうな映画であった。

冒頭、ウンディーネとヨハネスの別れ話から始まるのだが、
彼女は「別れたら殺すから」
と言うぐらいのややヒステリックを思わせる人物。
そんな彼女が新しくクリストフという潜水作業員と出会ってからは、
元カレと今カレの間でやきもきする
オーソドックスなラブストーリーとして描かれる。

しかし、問題はそこから。
ネタバレを含んでしまうので、
映画観たい人はここで終わりにするのが吉(笑)

ある晩、電話で口論をしたウンディーネとクリストフ。
その翌日に、クリストフは事故で脳死状態に陥る。
「昨晩、ケンカしたばかりなのに」
そう思うウンディーネだけど、実は口論した時間帯は、
すでにクリストフは脳死に陥っていたのだ。

彼女は、「すべてあんたのせい」と言わんばかりに、
自宅プールで泳ぐヨハネスを溺死させ、
自分もクリストフの仕事場であった湖の奥底へと姿を消す。
と、同時にクリストフは目覚めるのだ。

これはどう捉えるのが正解なんだろう(笑)
クリストフとの口論はお別れに来た魂なのか、
それとも何か神がかった力が働いたのか。
そして、なぜ彼は目覚めたのか。

作中は現実的な世界観であり、
特に何か明言されているわけではないので、
完全に憶測になってしまうが、
やっぱりウンディーネは水の精霊そのものだったんだろう。

そして、元カレのヨハネスを殺すことで、
その命をクリストフに移し替えたんだと僕は思っている。
その力を発揮するために、
彼女は水と共に生きる必要があり、
湖の奥底に還っていったのではなかろうか。

また、ウンディーネ自身は幻でも何でもなく、
確かに存在はしている。
その証拠に、彼女が湖に消えて行った後、
彼女と関りのあった人たちはみな、
彼女がいたということは認知していた。

クリストフも怪我からの復帰後、
湖の底で再びウンディーネを目にしている。
ただ、ビデオカメラには映っていないから、
もはや彼にしか見えない人ならざる存在になったのかなーなんて。

となると、やっぱりこの映画はファンタジーってことになるね(笑)

ロマンチックかつドラマチックな展開が少なく、
世界観の割には地味な雰囲気の映画ではあるけれど、
静かに漂う"水"とは合っていたかなって感じる。

ちなみに、この映画、
精霊をモチーフにした三部作の1つになるらしく、
次は"火"が題材になるそう。

映画『水を抱く女』オフィシャルサイト

愛が終わるとき、哀しき殺意のとき 官能的なバッハの旋律にのせて「水の精」神話が幻想的に蘇るーミステリアスな愛の叙事詩。/原題:Undine

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