下写真と同一個体。この個体はあと数日もすれば成熟期を迎えるのでしょう。複眼はなんとも言えぬ色合いで、見る角度によって濃グレーに緑が混ざったような色をしていました。それにしても、もの凄い数のオニヤンマが飛んでいました。
本当はオオルリボシくらいなら狙えるかな?とも思っていたのですが、残念ながら縄張り飛翔する個体は全く見られませんでした。代わりに水田横の流れにオニヤンマが1頭だけ飛んでいたので、飛翔写真に挑戦してみましたが、やはり曇り空では絵的にぱっとしませんね。
先週の観察で、コエゾが良く飛翔するのは午前中の涼しい時間帯だけ(朝8時~10時前後まで)ということが分かっていたので、8時前に現地入り。しかし、先週まで全く見られなかったオニヤンマが既に沢山飛んでおり、ちょっと厄介なことになっていました。オニヤンマには申し訳ないのですが、君達!ちょっと邪魔ですね~。それにしても、この2頭は緊張感がまるで無し。
オニヤンマの産卵は一度落ち着いてしまうと、よっぽどのことが無い限り逃げてしまうことがなく、手づかみで捕れてしまうほど無警戒となります。なので、マクロではなく広角レンズの方がもっと迫力のある写真が撮れたはずなのですが・・・・・・・・・市内ということで軽く考えてしまい、広角レンズを持ち出していませんでした。これは誤算です!
結局、今年のお盆休みはまともに晴れてくれたのが初日の1日だけで、後は曇空と大雨続きでまともにトンボの撮影が出来ませんでした。連休最後の日は午後からかろうじて晴れてくれたので、市内のフィールドを軽く回ってみました。オニヤンマは既に老熟個体ばかりが目につくようになりましたね。
で、オニヤンマがなぜ緊張感ゼロかというと、簡単にこの距離まで近づけてしまうから。
この個体はもう成熟しているので、もう少し危機感を感じてもらってもいいものなのですが・・・・・・・・・・「そんなんじゃあっさり捕まってしまうぞ!!」と、本人よりも私の方が心配になってしまいます。 実際、この距離なら素手でOK!捕虫網は必要ないですね(笑)。
この個体はもう成熟しているので、もう少し危機感を感じてもらってもいいものなのですが・・・・・・・・・・「そんなんじゃあっさり捕まってしまうぞ!!」と、本人よりも私の方が心配になってしまいます。 実際、この距離なら素手でOK!捕虫網は必要ないですね(笑)。
オニヤンマの姿も沢山見られました。やはり未熟個体が多く、林道上を行ったり来たりして摂食しています。大空を悠然と飛ぶ姿はまさに王者の風格ですが、本種はオオルリボシよりもさらに緊張感ゼロ。本種の性質上、未熟も成熟個体も飛翔時間が長続きせずすぐに止まりたがりますので、静止個体であれば簡単に撮影することが出来ます。
オニヤンマの♀は非常に長大な産卵管を持っており、この剣状に大きく突き出した産卵管を、飛びながら砂礫に突き刺して産卵します。道内ではオオルリボシヤンマと本種は同じ位の大きさですが、やはりこの産卵管を含めるとオニヤンマの♀が道内では最も大きなトンボと言えそうです。
オニヤンマは人に対してあまり警戒心の無いトンボで、この手の大型種にしては珍しく、非常にのんびりとした性格の持ち主です。♂は細い流れの上や山道上を低空でゆっくりと飛び、決まったコース内を往復飛翔して縄張りを確保しますが、顔に似合わず本当に人懐っこく(笑)、わずか数センチ先を余裕で飛んでたりします。・・・・・・・採集者によっては容赦ない輩もいるので、長生きしたければ、愛嬌もほどほどにね~。
市内ではオニヤンマも発生末期に入り、見られる個体は皆ご老体ばかり。翅は汚く体色もすすけ、飛んでもすぐに止まりたがります。おまけにこの暑さですから、明確な縄張り保持もしないようで、林縁を適当に飛んで止まってを繰り返し、♀が通過すれば捕捉するといういい加減な?パトロールのようです。