旭川トンボ紀行

北海道旭川市を中心としたトンボの写真とその生態

道内の珍種、コフキトンボ

2023年01月29日 | トンボ科
コフキトンボは現在、道南の大沼公園周辺でのみ生息が確認されている、北海道では非常に希少とされるトンボです。
写真は2007年にコンデジで撮影したもの。
この日は道トンボ研のH氏に誘われ、当時道内では大変珍しかったショウジョウトンボを道南方面に観察しに行った時のこと、
思いがけず大沼公園以外の新産地発見となりましたが、数年後には環境が悪化してしまい、現在は見られなくなってしまった
と聞きます。


成熟♂


未熟♂


未熟♀(帯翅型)


発見当時の生息環境(採砂後に放置され、その後池と化した環境)
日高~道南の沿岸部にかけて、似たような環境は沢山あると思われるのですが、何故か他では記録がありません。
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道内における危機的状況のトンボ-その3(カラフトイトトンボ)

2023年01月28日 | 観察記録・日記
カラフトイトトンボも絶滅が危惧されるトンボの1つです。
雌雄共に青斑が目立ち大変美しく、普段は樹上生活をしており、良く晴れた午前中のみ水域に降りてきて配偶行動を行います。
主に道東で記録されていますが、元々生息地がかなり限定的で、かつての多産地ではほとんど見られなくなってしまった場所もあります。
新な安定的な産地も見つかっていないことから、今後の継続発生が気になるところです。


成熟♂(クリーニング)


タンデム


交尾


産卵

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ホソミモリトンボ

2023年01月22日 | エゾトンボ科
ホソミモリトンボは道内に広く分布するエゾトンボ科の仲間で、特に道東方面では個体数も多く比較的普通に見られるトンボですが、それ以外では生息地が限られなか
なかお目にかかれないトンボです。釧路湿原周辺ではエゾトンボ、コエゾトンボと共に10月中旬頃まで生き残っている個体もいて、かなり長期に渡って見られます。
ここ数年、道北や日高方面ばかりで道東方面への遠征ができていないので、久しぶりに見てみたいトンボの1つです。


成熟♂


成熟♂(♂の尾部付属器がくぎぬき状であることが、他のエゾトンボとは明らかに異なる)


交尾(湿原内の低い場所に止まることが多く、エゾトンボ科の仲間では交尾写真が最も撮影し易い)
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道内における危機的状況のトンボ-その2(エゾアカネ)

2023年01月20日 | 観察記録・日記
エゾアカネもここ数年、個体数が激減しているトンボの1つです。
2019年、道北における大渇水の影響により、道北では多産地とされた生息地が干上がってしまい、以降その姿がほとんど確認できなくなっています。
元々、道北の個体群は大陸由来である可能性が高く(大陸から海を越えてやって来た個体から、世代を繋いで発生していた)、日本海側で発見される本種のほとんどが、
大陸からの飛来個体と考えられています。現在、エゾアカネは道東で僅かな記録がありますが、安定した発生地が少なく、絶滅が危惧されるトンボとなっています。


半成熟♂


成熟♂(スナカナネ♂を朱色に置換えたようなトンボで、美しい)


成熟♂


成熟♀(若干スナカナネ♀に似る)
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道内における危機的状況のトンボ-その1(エゾカオジロトンボ)

2023年01月15日 | 観察記録・日記
エゾカオジロトンボは北海道の東部に限って見られる大変希少なトンボ。
かつては釧路湿原周辺に多くの生息地があったようですが、近年は生息地の環境悪化(植物遷移など)により、数が激減しているトンボの1つです。
10年以上前、釧路市の多産地とされる場所を訪れた際は多くの個体が出迎えてくれましたが、現在は本種の好む開放水面がほぼ失われ、環境がすっかり
変わってしまったと聞きます。場所が場所なだけに、なかなか足を向けることができないのですが、また元気な姿を見てみたいものです。


交尾


交尾(上と別カップル)


成熟♂


成熟♀


かつての多産地環境
現在は開放水面がほぼ失われ、数が激減してしまいました。
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