体色、大きさ共にアオイトトンボ幼虫と酷似しますが、尾鰓先端がやや尖ることで区別できます。道内限定種で産地も限られますが、アオイトトンボとの混棲地もあるので同定には注意が必要です。道内に生息するアオイトトンボ属中最も早く羽化が始まると言われています。
ショウジョウトンボと並び、道内ではごく最近になってから定着が確認されたトンボです。同属のギンヤンマとは瓜二つで、見た目での区別はほとんどつきません。ギンヤンマ幼虫とは下顎の端こうと呼ばれる牙のような部分の形状で区別され、ギンヤンマでは斜めに寸断されたような形状をしており、本種はなだらかに湾曲します。
国内では北海道にのみ生息するエゾトンボ科の仲間で、エゾトンボとの混棲地も多いことから同定には注意が必要です。ホソミモリ、クモマエゾを除く道内に生息するエゾトンボ属5種の幼虫は非常に良く似ており、確実に同定するにはそれなりの知識が必要です。この5種の主な同定方法は第9腹節背棘の立ち上がりや角度によって区別されますが、個体差もあるため、専門家であっても難しいとされています。
尾鰓先端が鋭く尖り、道内では類似するイトトンボ幼虫が存在しないので比較的簡単に見分けることができます。成虫の出現時期が5月中旬~10月下旬と長く、場所によっては発生のピークが春と秋に2回ありますが年2化しているとは考え難く、道内では幼虫の成長速度のばらつきによるものと考えられています。
同属のアオイトトンボ幼虫と良く似ていますが尾鰓が太短く、全体的に丸みがあります。また、道内産の幼虫は尾鰓にアオイトトンボのような斑紋が無い個体も多く、個体差はありますが、赤橙色をしており、尾鰓だけが妙に目立ちます。
北海道ではすっかり定着した感のあるショウジョウトンボ。道南を中心に年々生息範囲を広げている南方系のトンボで、最近では札幌近郊でも数例記録されるようになりました。アカネ属幼虫とやや似ますが一回り大きく太身。背棘が無く、側棘も短小なので、比較的簡単に見分けることができます。