こちらも預かりもの。北海道のハラビロトンボは道南の極限られた場所でしか見ることのできない大変貴重なトンボです。シオカラトンボ幼虫を2回りほど小さくしたような小型のヤゴで、放棄水田や極浅い湿地環境に生息しています。毛深く背棘、側棘がともに長く、道内には類似する幼虫はいないので簡単に見分けることができます。
先日、道トンボ研のY氏より預かったクモマエゾ幼虫です。以前の撮影がコンデジによるものでしたので、再度撮影です。背棘、側棘が共に無く毛深いので、他のエゾトンボ属幼虫とは簡単に見分けることができます。現在は大雪山系の高標高地でのみ繁殖が確認されている、国内唯一の高山岳地依存種と言える特殊なトンボです。





旭川市内では今、ヒガシカワトンボ、モイワサナエが最盛期を迎えています。道内ではごく普通のトンボですが、旭川市内ではミヤマカワトンボの生息地では幼虫は多く見られますが、なぜか成虫はあまり見られません。市内ではヒガシカワ、モイワはかなり閉鎖的な細流環境を好むので、オニヤンマを含めセットで見つかることが多い気がします。



今日は札幌から「西岡ヤンマ団」の子供達、道トンボ研の仲間が、旭川市内までミヤマカワトンボ、カオジロトンボの♂型♀の採集に来ました。私も現地案内を含め参加させていただきましたが、あいにく天候が不安定でトンボの数が少なく、カオジロトンボの赤♀は現れてくれませんでした。しかし、ミヤマカワトンボは少ないながら皆さんなんとか採集できたようで、一安心です。子供の昆虫離れが当たり前となってしまった昨今、こうしてフィールドに子供達の歓喜が聞こえる風景を大事にしていきたいですね。