中型のアカネ幼虫でアキアカネ幼虫とやや似ますが、腹部第8腹節の側棘が短いことで区別できます。比較的広域な開放水面の広がる止水環境を好み、道内では内陸部にはほとんど生息しませんが、北海道をほぼ一筆書きする形で、沿岸部に沿って生息地が点在しています。
やや細身のアカネ幼虫で、ヒメアカネ幼虫と似ており、側棘が短小で目立ちません。現在、国内では北海道の道北、道東のごく限られた場所でしか発生が確認されておらず、アカメイトトンボ、カラフトイトトンボと共に絶滅が心配されています。本種はかなり乾燥の進んだ一見雑草地を思わせるような湿地/湿原環境を好み、春から夏にかけて、雪解け水や雨水が一時的に溜るような湿地に生息します。このような場所は真夏の渇水期になると水が完全に干上がってしまうことも多く、本種は乾燥、湿潤を定期的に繰り返す特殊な環境を好むトンボといえます。
道内ではやや水深のある比較的広域な池沼環境を好むため、意外と採集の難しい幼虫です。アカネ属では本種とオオキトンボ幼虫にのみ、第9腹節背面に背棘があるので、その有無で同定可能です。体表には複雑な模様があり、側棘は太く直線的で、他のアカネ幼虫と比べ腹部の膨らみが大きいのが特徴です。